野口内科 BLOG

  鹿児島市武岡にある野口内科です。
  医療に関することはもちろん、近隣の話題や音楽・本のことなどについて綴ってまいります。
    診療時間 午前  9:00〜13:00
         午後 14:30〜18:30
    休診   日曜・祝日・木曜午後
    電話   099−281−7515
    住所   鹿児島市武岡二丁目28−4
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12月1日より中断していたインフルエンザ予防接種の予約を、12月13日より再開いたしました。

過去のお勧め記事 → みぞおちに固いしこりが・・・

きも「ピロリ菌除菌後、プロトンポンプ阻害薬 ( 以下 PPI ) を長期に服用すると胃がんのリスクが高まる」( 本論文はこちら ) 。
先日、このような論文が Gut という雑誌に掲載されました。
PPIを長く連用するほど胃がんのリスクが高まり、ハザード比が1年以上で5.04、3年以上で8.34にもなるというもの。
PPIと同様に胃酸の分泌を抑えるH2ブロッカーという種類の薬ではハザード比が0.72で、このような傾向はなかったようです。

我々、消化器医には衝撃的な内容です。
ピロリ菌の除菌は、胃・十二指腸潰瘍の再発や胃がんの発症を予防するために行うものです。
でも、除菌を行うことで胃が本来の働きを取り戻して酸分泌が活発になるため、胃もたれや逆流性食道炎を起こすことがあるので、どうしても酸分泌を抑える薬が必要になるケースがあるのです。

以前から、酸分泌抑制薬の長期連用の安全性には疑問が投げかけられていました。
胃を全摘しても生きていられるし問題はないのでは、とは消化器疾患の分野で高名な先生の言葉ですが、実際、臨床の場で処方していて困る場面に出くわしたことはほとんどありません。
しかし、ビタミンB12や鉄の吸収阻害、胃酸による殺菌作用が低下することでの肺炎や腸管感染症の増加、骨折や認知症の増加などの可能性が指摘されています。
丁寧にみていくと、ビタミンや鉄の吸収阻害、感染症の増加のエビデンスはありませんし、骨折については増加と変化なしの相反する報告があります。
認知症に関しても、診療記録からPPIの服用の有無で認知症の発生率の差をみた研究で、因果関係をはっきりさせたものではありません。

今回の報告はハザード比があまりに大きいのには驚いたのですが、作用機序はまだ未解明ですし、あくまで『ピロリ菌除菌後』という状況下での話。
今後の研究の進展を見守りたいと思います。
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 ● 薬の説明書のイラスト 270 ●


11月15日は「かまぼこの日」。
かまぼこの一番古い記録が1115年なのと、七五三のお祝いなどにも供されたことが元になっているらしいです。

かまぼこは若干苦手にしているのですが、笹かまぼこは例外。
初めて食べた時の香りや食感、そして何といっても塩味に感動したのは忘れられません。
卵焼きもしょっぱいのが好み。
幼い頃は親の作る甘い卵焼きはいつも残していましたが、学校の給食で出たしょっぱい卵焼きを味わった瞬間に、世の中にはこんなにうまいものがあるのかと興奮したものでした。

何はともあれ11月前半のイラストはかまぼこです。


かまぼ
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こうないえん〖 今月のつぶやきから 70 〗


今月は二週続けて、しかも週末に台風が鹿児島に接近しました。
至る所にいろんな影響が出ましたが、皆様におかれましては大きな支障はなかったでしょうか。

さて、月末にお届けしている「今月のつぶやきから」ですが、今回は2つのテーマに絞ってまとめてみました。

まずは、意外な傾向・意外な関連。





次は、薬に関わること、あれこれ。





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たいふ先週、台風21号が来て各地に大きな被害が出ましたが、今度は台風22号。
進路予想が難しいようで、この週末は一体どうなるのか読めませんね。
9月17日は休日当番の担当でしたが、この時は台風18号の影響で開始時間を1時間遅らせました。
明日は気象条件によっては、外来を早めに切り上げる可能性もありますのでご了承ください。

さて、インフルエンザワクチンの予防接種を現在実施中です。
今シーズンはワクチンの絶対量の不足と流行が早まる懸念がありましたが、今のところ滞りなく接種ができています。
昨年と同じワクチン接種料金を維持できるよう、予約を入れていただくようにお願いしています。
ご協力のほどよろしくお願いいたします。

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野良最近、当院周辺に野良猫が出没することが多く、皆様にご迷惑をお掛けしております。
どうやら、夜間を中心に当院近くの武岡中央公園で複数の方が餌を与えていることで、猫が我が物顔でうろつく機会が増えているようです。
猫の排泄物の臭いなどで不快な思いをされておられる方もいらっしゃることを念頭に置いて、野良猫に対して適切に接していただくことをお願い申し上げます。
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 ◆ 診療所ライブラリー 139 ◆


手洗い10月15日は「世界手洗いの日」であることは先日もブログに書きました。( → 手洗い )

手洗いという簡便な方法が、感染予防に一定の効果を持っていることは皆さんもよくご存知のことと思います。
でも、それが当たり前でない時代があったのです。
病理解剖をしたその手で、引き続き妊婦の診察をして産褥熱で次々に死に追いやっていた。
当時の医学の最先端を行っていたウイーン大学病院ですらそんな時代があったのです。
まだ細菌が病気を引き起こすことが解明されていなかった19世紀の半ばに、手洗いの重要性を説きながらも、それが当時の医学界に受け入れられず、非業の死を遂げたゼンメルワイス。

今回紹介するのは、彼の生涯を描きながら、手洗いを中心とした感染対策や疫学の重要性を非常にわかりやすく伝えてくれる、中身の濃いなかなかの名著です。
医学関係の本は横文字や図版が多く入るので横書きがいいと私は常に言っていますが、この本は文章が中心なのに横書きなのも評価が高い点です。

今では「感染防護の父」と崇められ、ハンガリーの首都ブダペストの医科大学は彼の名前を冠しています。( ハンガリーの現地読みでは「センメルワイス」のようです )
時代が追いついていなかった面があるとはいえ、成した仕事が生きている間には全く評価されないなんて悲しいですし、まだまだ彼の名前を知らない人が多いのも残念でなりません。
このすばらいし本に目を通していただき、イグナーツ・ゼンメルワイスの名前を是非覚えていただきたいと思います。 
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 ● 薬の説明書のイラスト 269 ●


10月30日は「たまごかけごはんの日」ということで10月後半のイラストは卵かけご飯にしてみました。

調味料としては一般に醤油が使われます。
しかし私が最近ハマっているのは地元の黒酢メーカーが開発した「卵かけ黒酢」。
枕崎産のかつお節のだしが入っており、黒酢独特の風味と酸味が相まって、新鮮な感覚で卵かけご飯を味わえますよ。



かけ
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骨折先日、大腿骨近位部骨折の地域差の調査結果がニュースになっていました。
それによると西高東低の傾向がくっきり。( 右の表はクリックで拡大 )
ビタミンKを含む納豆の消費量など、食生活の関連を推測していました。

骨、というとカルシウムやビタミンDを思い浮かべる人も多いと思いますが、ビタミンKも大事なんです。( 詳しいメカニズムは省略します )
今回の報告での地域差と納豆の消費量を色分けした地図を並べてみましたが、確かに逆の相関がありそうですね。( 右が都道府県別の納豆の消費額。どちらもクリックで拡大 ) 
地図納豆













私は、男性5位・女性1位の兵庫県と、男性40位・女性39位と西日本で男女とも最も低い鹿児島県での診療経験をしています。
言われてみると、確かに大腿骨近位部の骨折は鹿児島に帰ってきてからあまり診なくなったように思います。
消化器を中心に診療している私が最も感じている地域差は、S状結腸の憩室症。
兵庫県で仕事をしていた時の方が明らかに多かったです。
大腸憩室症も食事との関連が言われていますが、食事や疾患の地域差を調べるとその病気の予防法も見えてくるでしょうね。
でも、周辺地域に比べてどうして鹿児島県で大腿骨近位部骨折が少ないのか、謎です。

なお、骨粗鬆症を予防しようと、カルシウムのサプリメントを摂取するのはご法度です。
カルシウムをサプリで補っても骨折予防効果はないばかりか、心筋梗塞や脳卒中、認知症リスクが増加することが次々に報告されています。
サプリではなく、カルシウムやビタミンD・Kを多く含む食材を摂りましょう。
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