野口内科 BLOG

  鹿児島市武岡にある野口内科です。
  医療に関することはもちろん、近隣の話題や音楽・本のことなどについて綴ってまいります。
    診療時間 午前  9:00〜13:00
         午後 14:30〜18:30
    休診   日曜・祝日・木曜午後
    電話   099−281−7515
    住所   鹿児島市武岡二丁目28−4
         ▶▶ アクセスMAP
         ▶▶ バス路線図

学校検診の時期です。診療時間に注意して下さい → 胃の5月の学校検診による外来休止の時間帯について

いたい先日、東京マラソンを前にして発信された「安易な服用は危険 レース時の痛み止め」という記事を見つけました。
ロキソニンなどの鎮痛薬 ( 非ステロイド系抗炎症薬 : NSAIDs ) と芍薬甘草湯は、マラソンランナーの間では半ば必需品とみなされている医薬品のようですね。

◆ 腎臓とNSAIDs

NSAIDs はプロスタグランジンという物質の合成を阻害します。
元々、子宮を収縮させる物質として前立腺 ( prostate gland ) から同定されたのでプロスタグランジン ( prostaglandin ) と呼ばれますが、最も豊富に存在する臓器は腎臓。
腎臓においては血流量を維持して水や電解質を調節するのに欠かせない成分なのです。
マラソンのように長い間負荷のかかる運動では、この水や電解質バランスの調節はとても重要な意味を持っています。
また、十分に鍛練していない人で上昇しやすいとされる尿酸や、赤血球・筋組織のダメージも腎臓に負担をかける要因となります。

( 追記 ) 最近の研究で、マラソンレース後に82%の人が一時的に急性腎障害を起こしているという報告がありました。( → こちら )
ただでさえ腎臓に負担がかかっているのに、NSAIDsを服用してプロスタグランジンの合成を抑え、腎臓が本来の働きを発揮できないまま走りつづければどうなるか、語るまでもないでしょう。

◆ 芍薬甘草湯の使い方

芍薬甘草湯は、古くから競輪選手など自転車の世界ではこむら返りの予防として知られた存在でしたが、ランナーにも知られるものになってきたようですね。
事前に服用することで競技中の筋肉の攣りを予防するだけでなく、翌日以降の筋肉の痛み ( 遅発性筋痛 ) も軽減してくれます。
こむら返りが起こってから服用する際には、倍量飲むと一層効果が高まります。
注意したいのは、市販の芍薬甘草湯は医療用に比べて有効成分が半分のものが多いこと。
その点はしっかり確認しておいて下さい。
理論上はカリウム低下を招く恐れがありますので、スポーツドリンクを併せて飲むのがいいのかも知れません。
また、筋肉を弛緩させてパフォーマンスを低下させてしまうのではないかという懸念はありますが、この点はよくわかりません。( ならば、成績が生活に直結する競輪選手は使わないと思うのですが )

◆ 遅発性筋痛に効きそうなある薬

遅発性筋痛に関しては、「ある胃薬」が効く可能性があります。
適応外の使い方になるので薬の名前は伏せておきますが、この論文にヒントが隠されています。( → こちら )
この薬は腎機能への影響がないので、競技中に生じる痛みにも効くならば理想的なのですが、それは試してみないとわかりませんのであしからず。


東京マラソンの翌週、3月5日は鹿児島マラソンがあります。
出場される皆さん、がんばって下さいね。
Clip to Evernote

すっきり新しい薬に対しては慎重なスタンスをとることが多いのですが、久しぶりに早く使ってみたいなと思う新薬が来月発売されます。
一般名がリナクロチドという便通の改善が期待できるものです。

一般の方が手にしやすい便秘薬としてセンナ系のものがありますが、これはあくまで頓用に留めるべき。
私はまず酸化マグネシウムを使い、これに漢方薬や坐薬、液体のピコスルファートを加えていく方法をとっています。
ルビプロストンという薬も時々処方しますが、便秘薬としては薬価が高すぎるのが難点です。

ほとんど問題ないとはいえ、これらの薬には副作用が付きまといますが、リナクロチドには副作用がほとんどないようです。
14個のアミノ酸ががっちりと組み合った構造をしていて、体内に吸収されない上、最終分解産物も小ペプチドやアミノ酸なのでかなり安心です。

最初は過敏性腸症候群 ( IBS-C ) という疾患にのみ使えるのですが、半年程すると一般的な便秘にも使えるようになると聞いています。
ここにメーカーの戦略が見て取れる気がします。
現在、IBS-C に適応のある薬剤が全くないので、画期的な新薬というイメージを持たせることができます。
私自身、IBS-C に対しては漢方薬と酸化マグネシウムを組み合わせて治療することが多いのですが、単剤で治療出来ればそれに越したことはありません。
また、一般的な便秘に対しての適応を最初から取ると薬価を低く抑えられてしまう懸念があるはずです。
実際に決まった薬価は92.4円で、これを1日に2錠使うので1日薬価としては184.8円になります。
1日300円を超えるルビプロストンに比べると高くはないけど、安くもないといった感じですね。
でも、裏技が使えそうな気もします。
この薬は食後に服用すると下痢の副作用が多くみられるため、食前に服用することになっています。
ということは、1日1錠だけを食後に飲むのもありなんじゃないかと思うわけですが。

当ブログでは、これまで便秘薬などについていくつか書いてきましたのでご参考までに。

 ■ ニガリダイエットの正体
 ■ 男女の違い その2
 ■ 過敏性腸症候群の治療薬
 ■ 酸化マグネシウム錠剤の比較
Clip to Evernote

 ● 薬の説明書のイラスト 253 ●


2月後半の薬の説明書のイラストはおでんです。
ふーふーふーと息で冷ましながら食べるので2月22日は「おでんの日」なんだそうです。

私自身は好んで食べる方ではないので、コンビニで売られ始めた頃、こんなの売れるの ? と思ってました。
でも今やおでんと言えばコンビニ、という状態ですよね。
それでもわざわざコンビニで買うことはありませんし、ツンツンすることもありません。


おでん

 ★ 診察室のデスクトップ 61 ★


今回の診察室のデスクトップ画像は、3年前に撮影した韓国岳と硫黄山です。
奥の IIa + IIc が韓国岳で、手前の白い IIc 部分が硫黄山の火口で、うっすらと雪化粧をしています。( 一部の人にしかわからない業界用語を使用しています )

硫黄山は2年ほど前から火山性微動や火山ガスがたびたび観測され、しばらく立ち入りが規制されていましたが、先月ようやく解除されました。
ここは県道からほど近く、10分とかからずに息も上がることなくたどり着ける場所。
気軽さゆえに警戒心がつい緩みがちになりますが、れっきとした火山です。
火口にあたる部分は草木も生えていませんし、周囲には溶岩がごろごろしていますし、奥の韓国岳も山体が崩れている姿ですものね。
いずれ噴火したら、このあたりの様相はどのように変わるのでしょうか。


高千穂






Clip to Evernote

jji【診察室のBGM 130】


J-Popを独自の感性でカバーする「時のままに」シリーズの発表を続けている
 井筒香奈江 
最小限のギターの音だかけが流れる中、彼女がやさしく囁くように唄って昭和を中心とした日本の名曲の魅力を最大限に引き出しています。

「時のままに IV 時代」に収録されている「かもめはかもめ」は、
中島みゆき  研ナオコ に提供した曲。
原曲よりも更にテンポを落とし、ギターの音も徹底的に削ぎ落とし、飾りも肉付けもない分、ヴォーカルと原曲の持つ魅力が際立つ1曲となっています。

最近は、不祥事に一般市民もネットで加わってバッシングをする時代。
研ナオコも世間を騒がせて謹慎しましたが、この曲で見事に復帰を果たしたと記憶しています。
様々な賞を受賞したり、紅白出場をかなえたり。
当時と今では事情も違うでしょうけど、音楽の持つ力が世間を風を変えたのは確かでしょう。

改めていい曲だなと思わせる出会いでした。
Clip to Evernote

医学関係の学会に入会していると、毎月学会誌が送られてきます。
日本消化器病学会誌もその一つですが、来年から電子書籍化されるという知らせがありました。
既に日本消化器内視鏡学会誌が雑誌の形式をやめてホームページ ( HP ) 上で公開しており、時代の流れなのかなと思います。

毎月家に届けばパラパラとめくって興味ある記事に目を通します。
でも、わざわざHPにアクセスするのはとても面倒で、日本内視鏡学会誌は1年以上見ていません。
内視鏡検査の際に用いる水をウーロン茶に替えたのも雑誌の論文を読んでのことだったのですが。( → 使ってみましたウーロン茶 )

ンターペーパーレス化で、家に雑誌がどんどんかさばっていく鬱陶しさはありません。
インターネットは必要とする情報をピンポイントで探し出すのには便利ですが、思いがけない出会いがあるのは雑誌ならでは。
そこからまた新たな興味を持つフィールドが広がっていくのです。

Clip to Evernote

まき今日は節分。
それに合わせるように消費者庁が「3歳ごろまでは乾いた豆やナッツ類は食べさせないでほしい」と呼びかけているようです。
理由は豆による窒息のリスクがあるから。
同じく消費者庁は、すべり台で首に縄跳びが絡まり亡くなった4歳児のケースを報告し、注意喚起をしています。

身の回りでごく普通に口にしたり利用したりする食べ物や道具に絶対安心安全なものはありません。
この文章を作成しているパソコンも発火するかも知れませんし、胸ポケットに差しているボールペンでケガをするかも知れません。
リスクを忌避してばかりでは、何も食べられませんし何も使えません。
リスクという不都合が起こる可能性をしっかりと頭に入れておいて、それを可能な限り回避しつつ上手に活用していくのが賢いやり方です。
逆に全くリスクを知らないことは、厄介な事態を招くことになります。
医療行為や処方する医薬品にも必ずリスクが付きまといます。
でもそれは、我々人類が長い年月をかけて築き上げてきた英知を否定するものではないのです。

リスクの情報はきっちりと把握した上で、公園の遊具も今夜の豆まきもおおいに楽しみましょう。

Clip to Evernote

 ● 薬の説明書のイラスト 252 ●


20℃を超える気温を記録したのもつかの間、再び寒さが戻ってきました。
暦の上では小寒から立春にかけては1年のうちでは最も寒い時期とされていますし、やむを得ないですね。

元々寒がりの私ですが、年齢とともにますます寒さが苦手になってきたように思います。
自宅から診療所までわずかな距離を毎朝歩いていますが、手袋が欠かせません。
これがなければ手が冷たくなってしまいます。
2月前半の説明書のイラストは手袋です。


てぶくろ
Clip to Evernote

↑このページのトップヘ