HbA1cヘモグロビンA1c ( HbA1c ) という検査項目は、糖尿病の治療を受けられたりあるいは定期的に検診を受けたりされている方はご存知の検査項目だと思います。

この数値、これまで糖尿病診断の補助的位置づけだったものが2010年の診断基準改定時に診断基準の1項目として格上げされました。
その際に従来日常的に行われている日本独自の測定法による値 ( JSD値 ) から欧米で行われている測定法による値 ( NGSP値 ) に変更されることも宣言されていました。それがいよいよこの4月から実施されることになりました。
JSD値にブラス0.4することでNGSP値になるのですが、見かけの数字が上がることで糖尿病治療中の患者さんに混乱が起こるのではないかと懸念しています。
実はJSD値の方がより正確な数字を反映していると言われていて、今回の改定でわざわざ不正確な方に移行するわけです。

日本人はこういう基準を相手方に合わせることにあまり抵抗がない民族です。
数字を区切るカンマの位置は欧米の数字の読み方には合理的ですが、日本人は不便さを甘受して使っているのがいい例です。
本来なら正確さを誇る日本の測定法を世界に広めてスタンダードを勝ち得るべきだと私は考えます。
だいたい日本で使っている限り臨床医も患者さんも全く困ることはないのに、一時的ではあろうけれど現場が混乱することを実行に移す意味は一体どこにあるのでしょうか。
あるとすれば、海外雑誌に論文を出す時に数値が異なるためほんの一部の日本の研究者が頭を悩ます点だけだと思います。

日本人よ、世界のスタンダードを確立する努力をせよ。
普段から思っていることですが、今回の改定のニュースに改めて思いを強くする私でした。