○○ 学会レポート2013 その3 ○○


腹痛3月21日午後に参加したワークショップのお題は「過敏性腸症候群 ( IBS ) に対する新規治療法」。
IBSを積極的に研究対象としている施設がまだまだ少ないので、演題数は多くなかったものの、それぞれの発表はとても聞き応えがありました。

中でも興味を引いたのは、小腸における胆汁酸の吸収障害の関与。
朝食後に症状が強い難治性の IBS の中に、胆汁酸の吸収障害が原因となっている下痢が存在するケースがあるそうです。
この場合、コレステロールの治療薬でもあるコレスチミドの投与で速やかに症状が改善するという話でした。
コレスチミドには腸の中の胆汁酸と結合するという働きがあるのです。
検査法が特殊なので一般の病院での診断は難しいでしょうが、 現在 IBS とみなされている病態の中には独立した疾患が存在する可能性があるわけですね。


あと、直接聞けなかったのですが、糖尿病治療薬であるメトホルミンによって胃癌細胞の増殖が抑制されるという一般演題が2つありました。
メトホルミンは消化器系では大腸・肝・膵などの癌抑制効果が示唆されています。 
私が以前、研究対象の一部にしていた HER2 ( Human Epidermal growth factor Receptor type2 ) という物質の抑制作用があるようです。
HER2の働きが抑制されるのであれば、他の癌への作用も期待できると思います。


地元開催ではありましたが、仕事の都合で全ての日程に顔を出すことができませんでした。
残りの2日も参加したかったな、と思わせる充実した学会ではなかったでしょうか。
また鹿児島で開催される日が来ることを期待します。