2_k1tmx9.gif今回のテーマは「人工イクラと胃薬」、「アルギン酸塩の話の続き」、「傷は消毒しない」の続きとして読んでください。

唾液の中には上皮成長因子 (EGF) が含まれています。名前からも推測される通り、
体の表面を覆う細胞である上皮の細胞の増殖を促す働きがあります。
皆さんの経験上、口の中の傷は皮膚の傷に比べると早く治る気がしませんか。
実はこの EGF の働きによるところが大きいのです。

ここから先は私見です。
動物の餌のとり方を考えてみましょう。
人間が口にする食べ物と違い、地面に落ちていて砂の着いたものを食べたり、舌をからめて草をむしり取ったり、
木の幹を噛み砕いたり骨を砕いたり・・・。
口の中あるいは食道などが常に傷つきやすい状況にあります。
そして野生に生きる動物には、いつでも次の食べ物にありつける保証はありません。
そんな中、せっかくの食べ物を目の前にした時に口の中の傷がなかなか治らずに痛くて食べられないとあれば、
生命の維持に大きく影響します。
唾液に EGF が含まれ、口の中の傷が早く治ることはとても理にかなったことだと私は思います。

そしてもう一つ。
動物が傷を舐めている光景を見たことがあると思います。
これまでの医学の常識なら、口の中の雑菌を傷にこすりつけていいことはない、となるでしょう。
しかし傷を舐めることでまず第一に、傷口に付いた汚れを落としている。
第二に唾液中の EGF で細胞の増殖を促している。
こう考えると全くばかげた行動ではなく、自然に備わった傷を癒す手段だと考えます。
ちなみに、唾液中には免疫グロプリンも含まれますし、
口腔内雑菌に傷を化膿させるほどの強いものが含まれていることも希でしょう。
「傷は消毒しない」の項で述べたことが一番の方法と考えますが、
応急処置のままならない状況下であればとりあえず、傷を舐めること、間違いではありません。

幼い頃、転んで傷を作った時、両親や祖父母につばを付けてもらった経験のある方、
愛情たっぷりの行為に感謝しなくてはいけません。


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