kyi9ersi.gif昨日はあるディスカッションに参加してきました。消化性潰瘍の治療に関するのもです。

ピロリ菌と並んで解熱鎮痛薬 (NSAIDs) が潰瘍の原因になることが知られています。
しかし、臨床をやっていく上で一つ大きな問題があるのです。そのあたりを話題にしたものでした。

NSAIDs と潰瘍治療薬である酸分泌抑制薬を一緒に使うことはまかりならぬ、と保険診療上の制約があるのです。
「NSAIDs は潰瘍の原因となる薬剤だ。それをそのまま続けて一方で潰瘍を治そうというのはどういうことか。また、なってもいないうちから潰瘍にならないようにと予防的に投与するのはいかがなものか」という考え方なのでしょう。
これは例えて言うなら、強い陽射しの中、日傘やサングラスをして外出したら非難の集中砲火を浴びてしまった、といった感じにはなりはしないでしょうか。

NSAIDs と酸分泌抑制薬を併用するのは諸外国ではごく当たり前に行われていることなのです。
痛みをコントロールし続けなければ日常生活を送れない患者さんが現実にいらっしゃいます。
潰瘍が出来たらその間だけ NSAIDs の中断を余儀なくされる、というのは是非とも避けたいことなのですが。

今、消化器の分野の医師は世界的にみても歪んだ日本のこの状況を打破すべく、ガイドラインを作成したり、いろいろな臨床データを取り揃えることに努力しています。
正しい医療が当たり前に行うことができる日もきっと近いうちに来ることでしょう。


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