tlhmupcn.gif当ブログ「傷は舐めるに限る」などで紹介している上皮成長因子 (EGF) を配合したという化粧品が出回っているようです。

EGF は消化管粘膜などの上皮や皮膚の角化細胞などに作用して細胞の増殖作用を促すのは事実です。
それで EGF を塗り込めば肌が若返ると宣伝しているようですが、そんな作用は全くありません。

これらの細胞には EGF を受け取る EGF受容体というものが存在し、EGF がこの受容体にくっつくことで作用が発揮されます。
しかし、この受容体のある場所が問題になります。
消化管粘膜の上皮は一列に並んでびっしりと消化管を覆っていますが、その表面には EGF 受容体は存在しないのです。
図に示すように側面と底面にのみ存在しているのです。
つまり、粘膜が正常な状態だと EGF が受容体に結合することはいのです。
粘膜が傷ついて細胞の側面や底面があらわになった時に初めて EGF受容体が外界に姿を現し、EGF と結合することができるのです。
皮膚でも同じ。
だから傷の治癒促進に効果はあるでしょうが、傷もない肌に化粧品を塗り込んだところで何の意味もありません。

それにEGFの寿命は長くありません。
常温で失活してしまうので、私が実験室にいた時は、凍結保存したものを必要な時に回答して使っていました。

百歩譲って、肌にいいとしたらわざわざ化粧品を使うことなく、EGF が豊富に含まれる自分の唾液を肌にペタペタ塗ってあげればいいでしょう。


参考 → EGF配合化粧品って