jufp2epz.gif普段の血液検査の結果から、簡単な計算式を用いて他のデータを推量することをよく行います。
代表的なのが悪玉コレステロールであるLDL-コレステロールを算出する方法で

(LDL-コレステロール) = (総コレステロール) - (HDL-コレステロール) - (中性脂肪)/5

という式を用います。ただし中性脂肪の数値が 400を超えないことが条件です。
脳を老化させないためにできるだけ暗算で出すように心がけています。

さて最近、日本人の推算 GFR (eGFR) を算出する簡易式が日本腎臓病学会から提唱されました。
GFR とは糸球体濾過量といって腎臓の働きを知る目安になるものです。

eGFR = 0.741 × 175 × (年齢の -0.203乗) × (血清クレアチニンの -1.154乗)
    女性はこれに × 0.742


これはどこが簡易なのか、容易に覚えられませんし普通の電卓では計算できません。
もっとも計算図表があるのでそれを使えばすぐに eGFR が求められるようにはなっています。
これまでは Cockcroft-Gault の式等が用いられていました。

eGFR = (140 - 年齢) × 体重 ÷ (72 × 血清クレアチニン)

これなら計算図表がなくても算出できるのですが、日本人では数値が高めに出る傾向があったようです。

慢性腎臓病という疾患概念が提唱され、eGFR を計算して早い段階で腎臓病を予防することで、人工透析や脳血管障害を未然に防ぐことが可能であることがわかってきました。
昨日の講演会で、鹿児島は人口あたりの透析患者数が全国で 7番目に多いことが紹介されていました。
我々が頑張って少しでも早い段階で患者さんを拾い上げていく必要があります。
そのためにも、計算も頑張ります。