ksvdvqfc.gif消化器分野で最もよく使う胃薬の一つにH2ブロッカーと呼ばれる酸分泌抑制薬があります。
PPIが出てくるまでは胃潰瘍の治療薬として主役の座にありました。

そのH2ブロッカーについて以前から気になっていたことがあります。
それは肩が痛くなる病気である五十肩 (肩関節周囲炎) や石灰沈着性腱板炎に効果があるということです。
腱板とは上腕骨に付着する四つの筋腱で構成されるもので、そこにカルシウムを含むハイドロキシアパタイトが沈着すると、普段はレントゲンでは見えない腱板が白く写されるようになります。

内科ではこのような使い方をあまり試すことがありませんので、先日、島根で整形外科をやっている従兄弟と話す機会があった際に聞いてみました。
解熱鎮痛薬 (NSAIDs) と一緒にH2ブロッカーを投与していると、肩の痛みも軽減し、レントゲン上も腱板の石灰化が消えてくるんだそうです。
但し、H2ブロッカー単独で治療することはないですよ、とのこと。

なぜ石灰化が改善するのかはっきりしませんが、副甲状腺 (上皮小体) に働きかけ、PTHという血液中のカルシウム濃度を増やすホルモンを抑制するからではないかと考えられているようです。
となると、副甲状腺の疾患に応用できたりするのかな・・・?