<< 出血をきたす消化器疾患 第1回 >>


2011062423524230491.gif吐血や下血などの消化管出血を扱うのは内視鏡医にとっては決して珍しいことではありません。
今年だけでも何例か経験し、内視鏡を使っての緊急的な止血操作を行なっています。

1960年代だと、胃や十二指腸潰瘍からの出血に対しては手術を行なうことがほとんどだったのですが、薬物や処置具の開発とともに内視鏡を用いた止血法が普及するに至り、今や外科の出番は皆無に近い状態です。
潰瘍とピロリ菌の関わりがわかってきてからは、その対策が確立されたことやピロリ菌感染率の低下などもあって潰瘍そのものの数が減ってきているのですが、止血を目的とした内視鏡処置の出番はまだまだあります。

消化管から出血をきたすのは、何も潰瘍だけとは限りません。
毎年何らかのテーマを決めて消化器疾患を取り上げていますが、今回のシリーズでは食道から大腸まで出血や貧血を引き起こす代表的な疾患についていくつか取り上げていこうと思います。