当院で経鼻内視鏡による検査を始めてから丸7年が経ちました。
それを機にちょっとしたデータをご紹介します。

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昨年11月から今年10月までの 1年間、当院で実施した経鼻内視鏡のうち、右の鼻から挿入した症例がぴったり80%でした。
これは、意識して右鼻からの挿入を心がけている結果なのです。
なぜ、右鼻からの挿入にこだわっているのか、理由を説明してみたいと思います。

耳管経鼻内視鏡の検査後に、まれにめまいを起こすことがあります。
前処置で使う麻酔薬が、中耳と鼻をつなぐ
耳管に入り込んでしまうのが原因とされています。
上部内視鏡検査は左の耳が下になる
左側臥位という体位で行なうため、当然左の耳管に薬剤が流れ込む可能性が大きくなります。
検査が終わって内視鏡を引き抜く際に、内視鏡のシャフトに付着した消化液などを鼻の方へ引っ張り込んでしまいますが、左鼻から挿入した場合、左の耳管開口部 (
耳管咽頭口 ; 図の青い丸印の部分 ) に内視鏡が近接する結果、泡だらけになっているのがしばしば観察されます。
もちろん、消化液だけではなく余分な麻酔薬もくっつけちゃうでしょうね。
どこまで効果があるかわからないのですが、右鼻からの挿入でできるだけそういう可能性を低く抑えようと考えているわけです。
幸いなことに、当院では検査後にめまいを起こされた方はこれまで一人もいません。

ちなみに、同じ期間で経鼻からの挿入ができなかったのは約1.6%でした。
経鼻内視鏡を始めた頃に比べると、随分少なくなってきています。

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ご参考までに、これまで当ブログでとりあげた経鼻内視鏡に関する記事は以下の通りです。
今日ものある方は、是非読んでみて下さいね。



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