<< 風邪薬についての考察 第12回 >>


かぜ 風邪薬を使う理由の一つに、仕事や学校を休むのは迷惑をかけて悪い、と考える風潮があるのではないでしょうか。
学校には「皆勤賞」という制度があって、それを目指すのは善だと日本人の意識の根底に刻まれているのかも知れません。
でも中途半端な状態で出席・出勤し、風邪を蔓延させてしまうことの方が余程迷惑なのです。
しっかり休養を取ることが当たり前にできる社会にならない限り、風邪薬のニーズが減ることはないでしょう。

このように、一度もお世話になったことがない、という人を探すのが難しいくらい風邪薬は日用品のごとく消費されています。
しかし、風邪薬、って存在しません。
風邪のほとんどはウイルスが原因で、そのウイルスに対する薬剤は基本的にはなく、既存のものは症状をごまかしているだけに過ぎません。
そもそも熱や鼻水、咳といった症状はウイルスを退治しようとする体の反応です。
症状が緩和されて多少楽に過ごせるとは思いますが、風邪薬を使うことで逆に罹病期間は長くなると言われています。
服用することで治ったと勘違いはしているし、服用して過去に大きな問題がなかったと思い込んでいるせいか、副作用に対する抵抗感が希薄なのが現実です。
血圧やコレステロールを下げる薬等、副作用がないわけではないものの長いレンジで使えて多くのメリットをもたらす薬を内服することには大抵の人が拒絶反応を示すのとは裏腹です。

規制緩和で、コンビニであるいはネットで手に入れることができる方向にあるのを歓迎する声が大きいのですが、使うことに意味の見いだせないうがい薬やトローチ、副作用や薬の飲み併せに無頓着に処方される総合感冒薬、海外では小児への使用に規制がかかる各種成分‥。
これまでの考察を皆さんどう思われたでしょうか。
少しでも風邪薬に対する認識が変わってくれることを願っています。


 ⇨第11回 「小児に風邪薬を使わない海外の事情


( 追記 )
自分自身が風邪をひいた場合は漢方薬を使用しています。
そして風邪で来院されるほとんどの方にも漢方薬を処方していますが、このことは機会を改めて紹介できればいいなと考えています。