兵藤【診察室のBGM 102】


当「診察室のBGM」第49回で紹介した
妹尾美里と並んで、その情景豊かなオリジナル曲に評価の高いジャズピアニスト 兵藤佐和子 

最近、ピアノソロの新譜も出したばかりですが、今回紹介する曲は昨年リリースされたアルバム
「Naturally」に収録されているものです。
このアルバムに収められている12曲は小気味よいスイング感たっぷりのトリオものもあれば、バリ島で過ごしたことでインスピレーションを得たという4部構成のイージーリスニング的なものまで、管楽器なども絡んで実に多彩な内容になっています。
どの曲にも共通して言えるのは鍵盤から響く一つ一つの音の粒がとても美しく女性的であること。
初めて聴くのに、いつも聴いているお気に入りのメロディーのように耳に自然に馴染んでいる不思議な魅力があります。

アルバムの中の一曲
「After a year」は、ゆっくりと時を刻むきらびやかなピアノソロに始まり、三拍子にかわってからチェロが加わり、センスの光るベースの即興、そして再びチェロが前面に出てくるという流れ。
6分近い曲なのに長さを感じさせずリラックスして聴けて、診察室のBGMにはもってこいですね。