◆ 診療所ライブラリー 104 ◆


病人の生き方病と無縁でいると、時間の経過も気にせずに退屈に思える日々を過ごしてることが多いように思います。
しかし、いざ重い病気が自分の身に降りかかると、生きることについて様々な思いを馳せることになります。
医師は病気の治療に注力しますが、心のケアまでは十分に配慮できないのが現状です。
今回紹介するのは、長期闘病を余儀なくされた著者の実体験に基づき、病気と闘う人に勇気を持ってもらおうと自らの言葉で語りかける本です。

内容で特徴的なのは、
① 病気になったばかりの不安と焦りの時期、② 闘病が長引いて自分の弱さとの葛藤をする時期、③ 病院生活に慣れるが絶望も見え隠れする時期、④ 厳しい告知を受けても自分らしく生きていく時期
と、時期を大きく4つに分けての展開にあります。
それぞれにおいて、著者自身がどうであったかをベースにした療養生活を送る上での具体的なヒントがちりばめられています。
勇気づけになる言葉の数々に前向きな気持ちが湧いてくるのではないでしょうか。

病気を抱えた方だけでなく、そのご家族や病院に縁のない人も是非読んでいただきたい本です。


 → 誰も教えてくれない病人の生き方