野菜3日に「機能性表示食品」について消費者庁がガイドラインを公表しました。
現政権の成長戦略の一環らしいのですが、非常に懸念の多い仕組みだと思います。

現在、効能を表示できるものとして「特定保健用食品」(トクホ) や「栄養機能食品」があります。
トクホは、実験データをもとに国が安全性や効果を審査して消費者庁長官が認可しますが、そのトクホですら様々な問題を孕んでいます。
まず、根拠となる実験の設定自体に疑問が投げかけられているものが多数あること。
また、エコナが発癌性物質を含むことで認定を返上したことはご存知でしょうし、高濃度のカテキンを含む飲料は肝障害を起こすという理由で海外で発売禁止の国もあります。
効能とされる点以外に副作用などは一切考慮されていないのです。

今回の機能性表示食品については、国に届け出さえすればOK。
安全性や効果は事業者の責任で表示・情報はインターネット上で公開・健康被害の情報を集める仕組みを作る、などの決まり事はあるようです。
しかし、根拠の怪しい届け出が出たとしても、それを監視する消費者庁の職員はわずか14人で、十分な体制とはいえません。

消費者はイメージのいい甘い言葉に警戒することもなく誘われて商品を手にしてしまいがちです。


予想される成分として挙げられているものをちょっと考察してみます。
魚油であるDHA  (ドコサヘキサエン酸) はサプリメントの中で私が効果を期待する数少ない成分ですが、極めて酸化されやすいので品質を維持するのが至難。
海外の研究ですが、実際に粗悪品が横行していることが確認されています。( → こちら )
また、血液をサラサラにするとされるケルセチンという成分は、様々な医薬品の血中濃度に大きな影響を与えることが知られています。

何とかして商品を売ろうとする事業者側にとっては期待される仕組でしょうが、責任を国が負うわけではありません。
消費者は情報の真偽を可能な限り確かめるようにし、盲目的に受け入れることなく慎重に賢くあって欲しいと思います。