大腸先月28日に国立がん研究センターが、2015年に新たにがんになる患者の推計を発表し、その中で大腸がんが1位になることを発表しました。( → こちら )
また、俳優の今井雅之が自ら大腸がんであることを公表したこともあって、ここ数日、ワイドショーなどで大腸がんを取り上げる機会が目立ったように思います。

大腸がんは便通異常などの自覚症状が出た時はかなり進行した状態です。
その症状もS状結腸や直腸など肛門に近いと早めに出ますが、上行結腸だとなかなか現れません。
上行結腸ではまだ内容物の水分量が多く、少々内腔が狭くなっても通過できるからです。

大腸がんやその前段階のポリープの表面からはじわじわと出血しやすいという側面があります。
排便後などにはっきりとした出血が確認できるのは肛門にかなり近い場所に病変があるケースがほとんどで、奥の方からの出血だと血液がイメージできるようなものでなくなってしまいます。
早期発見の簡便な手段である便潜血反応検査は、病変からのわずかな出血も捉えようという非常に有用な検査になります。( 詳しくは → 
こちら )
また、出血が持続することで少しずつ貧血が進行していきます。
特に高齢男性の鉄欠乏性貧血では大腸がんを必ず念頭に置かなければなりません。

2007年に当ブログで「大腸がん」という特集を組んだこともありますが、当時の話題をいくつかかき集めただけであまり本質的な話はできていません。
ただ、このテーマの中で大腸がんがメタボリックシンドロームとの関わりなども述べています。
ちょっと参考にしていただいて、気になる方は積極的に検査を受けて頂きたいと思います。

当院でも木曜日以外、大腸内視鏡検査が可能です。( →
こちら )特に土曜日の午後に検査ができるのが強みかと思います。
また当院の検査で大腸がんが見つかったほとんどの方は治療が完結し皆さん元気に過ごされています。
罹患する人が増えているとはいえ、大腸がんは早い段階で見つかればさほど恐れることのない疾患です。