◆ 診療所ライブラリー 122 ◆


家族が死生学を専門とし、生と死の問題に関わってきた著者が、パートナーの看取り体験を綴りながら、医療や介護、葬儀、相続や死後の後始末などについて家族が知っておきたいことを多岐にわたって記してある「家族が死ぬまでにするべきこと」。

死期が近づいてきた大切な人と向き合うと、心理的にも身体的にも大きな負担を感じる場面も多くなりますが、肩の力が抜けて良き看取りができるヒントがたくさん盛り込まれています。
また、葬儀やお寺とのつきあい方などはもちろん、死後の煩雑な手続き等についての一覧表もあり実用的。
こういった部分はあらかじめ知っておくとあたふたせずに済むと思います。

医療現場の実態という項目の中で「医師にはもっとカウンセリングマインドを持ってほしい」というくだりがあり、医療者の立場としても反省させられる部分と感じました。
医師は人を見ないで病気ばかり診ていると昔から言われていますが、患者とその家族の心理に寄り添うスキルはもっともっと磨いていかなくてはならないな、と気持ちを新たにする機会ともなりました。

  → 家族が死ぬまでにするべきこと