◆ 診療所ライブラリー 123 ◆


あいうえお
医者になりたての頃に拒食症過食症の入院患者を受け持ったことがあります。
連日、時間をたっぷりかけていろんな話をしたのは貴重な経験です。
ニコニコしているかと思えば、突然不機嫌になって何も話してくれないこともあるなど、向き合うことに困難を感じることもありました。
接することを通じて、頑固な性格と家族を含めた対人関係が大きく影を落とす疾患だなというのを実感しました。

今回紹介する「摂食障害あいうえお辞典」は、他のどんな本とも似ていない独特な構成をしています。
摂食障害の解説は一切なく、見開きでひとつひとつの言葉を解説している点はまさに辞書。
摂食障害の方の症状や言葉・行動などを一つ一つ集めてあいうえお順に並べ、その裏に隠れている心理状態を簡潔に解説しているのです。
様々な形で発せられる誤解されがちなシグナルから、本当の心の声を理解するヒントになると思います。
その気持ちに寄り添うことができたら、悪循環から脱する力になるかも知れません。
また、摂食障害に限らず、心の不安定な思春期や反抗期の子どもの心理を理解する手助けにもなるのではないかと思います。
何でこんなこと言うのかな、という時にひもとくとこの本から見えてくる世界があります。

  → 摂食障害あいうえお辞典