八幡黎明館で行なわれている「八幡神の遺宝」に出掛けました。
とても地味な企画展なのですが、神戸在住時代は多井畑厄除八幡宮の近くに住んでいたこともあり、私は興味津々で展示物を見て回りました。
南九州の八幡信仰を知るいい機会でした。

展示物の中で特に興味を引いたのが「牛玉宝印 ( ごおうほういん) 」というもの。
牛黄 ( ごおう )  というのは牛の胆石のことで、日本医薬方にも収載されている生薬。
牛黄のことは知っていましたが、これとは別に牛玉 ( ごおう ) という牛の胃石も薬として重宝されていたようですね。
この牛黄を朱印の印色としたことに由来するというのが牛玉宝印なんだそうで、本来は戸口に貼ったり病人の枕元に貼ったり柳の枝に挟んで苗代の水口に立てたりと、降魔・除災のお守りとしたそうです。

江戸末期に麻疹が流行した時にも、
鍾馗 ( しょうき ) という神を描いた「はしか絵」を貼っておくと麻疹が軽くなるとされていました。
医学が発達して神頼みをしなくてもいい時代になりましたが、昔の人がいかに病と対峙していたかを知ることも大切ですね。