今月、ピロリ菌についての大きなニュースが続きましたのでまとめてみました。

◆ 本年度から鹿児島県で高校1年生を対象にピロリ菌検診開始

本年度から、鹿児島県の高校1年生を対象としたピロリ菌検査事業が始まります。
医療関係者に対しての説明が近々行われる予定ですので、詳細がわかり次第お知らせします。

日本人の胃がんの9割はピロリ菌感染が原因とされており、早期に除菌を行うと胃がん発症が防げると考えられています。
中高生を対象にしたピロリ菌検診は、市町村単位では2013年に岡山県の真庭市、都道府県単位では2016年に佐賀県が最初に始め、現在では複数の自治体が取り組んでいます。( モデル校を指定しての事業は2015年の京都府が最初です。 )
今回、地元でも始まるわけですが、微力ながらこの検診には積極的に関わって行こうと思っています。

◆ ピロリ菌除菌を妨げる意外な因子

ピロピロリ菌除菌では酸分泌抑制薬と2種類の抗菌薬を組み合わせて服用してもらいますが、全ての人で除菌が成功するわけではありません。
胃酸の分泌抑制が不十分であったり、ピロリ菌自体が抗菌薬に耐性を持っていたりすることがうまくいかない原因と考えられてきました。

しかしつい最近、別の因子が大きく関与していると報告されました。
それは何と食事中のコレステロールやω3多価不飽和脂肪酸。
除菌した人の食事摂取状況を背景因子として解析したらこの2つが浮き上がってきたのです。
これらの摂取量が多いほどピロリ菌の除菌率が低下するという関連性がみられたようですから、今後は除菌の際の食事指導も大事になってくるでしょうね。
日本感染症学会での九州大学からの発表演題なので、必ず論文にまとめて発表していただきたいと期待しています。