じゃある方に麦門冬湯 ( ばくもんどうとう ) という漢方薬を処方した際に、「私は小麦アレルギーなのだが大丈夫か」と聞かれました。
「麦」という字が含まれるので気になったのでしょうけど、初めて受けた質問だったのでちょっとびっくりしました。

麦門冬は、植栽などにあちこちで活用されているジャノヒゲ ( リュウノヒゲ )  の根っこのことです。
主として咳を鎮める作用があります。
知っていたので、麦とは全く関係のない植物なので問題ないと説明することが出来ましたけど、漢方に限らず処方薬の知識はしっかり持っていたいものだなと改めて感じました。

麦門冬湯は、痰が切れにくい咳を目安に処方する場合がほとんどですが、実は唾液や涙の分泌促進作用もあります。
その作用を活用して、ドライマウスやドライアイに悩む方にも処方するケースもあります。
成分の一つ、ニンジンのサポニンなどの働きで、細胞膜の透過性が上がって唾液や涙液がスムーズに分泌されるようになることが推測されています。
ちょっぴり薬価が高めなのですが、概ね好評です。


なお、甘麦大棗湯 ( かんばくたいそうとう ) という漢方薬には小麦がたっぷり含まれるため、小麦アレルギーのある方には処方はできません。( およそ63%が小麦です )
また、半夏白朮天麻湯 ( はんげびゃくじゅつてんまとう ) という漢方薬には麦芽が含まれています。
しかし、麦芽は発芽した大麦の穎果 ( えいか ) を乾燥させたものですから、小麦アレルギーの方でも問題はないと考えます。