胃薬先日、胃薬のテプレノンにうつ症状の改善効果が認められたという報告がありました。( → こちら )
テプレノンには、ヒートショックプロテイン ( HSP ) という物質を誘導することが20年以上前から知られており、私も研究室にいる頃に自分の実験系で使った経験があります。
HSPは熱や細菌感染などのストレスに晒された細胞に発現し、細胞を保護する役割があります。
今回の報告によると、うつ病のマウスの海馬でHSPが減る点に着目してテプレノンを投与したら、うつ症状が改善したそうです。
マウスのうつ症状ってどんなものなのか気になりますね。
テプレノンにはアルツハイマー型認知症への効果も期待されていて、現在治験が行なわれていると思います。( まだ継続しているかどうかは把握していません )

( なお、家の中の急激な温度差で血圧の大きな変動をきたすことを「ヒートショック」と言いますが、あれは医学用語ではないのでご注意を。恐らく建築関係の業界から出てきた言葉。HSPと混同しかねないので本当は使ってほしくないのですが。)


特定の病気に対して使われている既存の薬に、全く別の病気に対しての有効性が見出されるケースがあります。
古くはインフルエンザ薬として開発されたアマンタジンがパーキンソン病にも有効であると分かり、日本ではもっぱらパーキンソン病治療薬として使われてきたのは有名な話。
胃薬関係では、レバミピドがドライアイの治療薬として既に点眼薬が発売されています。
ラフチジンには、ある種の痛みを緩和させる可能性があり、抗癌剤の副作用による舌痛症に対しての治験が現在進行中です。

ラフチジン、胃薬なのに痛みやしびれにも