◆ 診療所ライブラリー 138 ◆


胃がんの原因はピロリ菌です 内藤裕二怪しげな健康情報を載せた本ならともかく、ちゃんとした医学的情報に基づいた本で「胃がんの原因はピロリ菌です」と、ここまで断定的なタイトルをつけたものは珍しいのではないでしょうか。
一般向けとしてはかなりボリュームがある情報量で、我々も教科書として使えるくらいの内容ながら、図版も駆使してピロリ菌除菌の重要性をわかりやすく説いています。

私が研究室にいる頃、消化器の分野ではピロリ菌に関する研究が花盛りでした。
ピロリ菌が胃粘膜を傷めるメカニズム、除菌にはどのような薬剤の組み合せと期間が良いか、除菌によって胃がんの発症は防げるか・・・。
様々なことがわかってきて、今は中学生や高校生の頃に早めに除菌しましょうという流れが出来つつあります。
鹿児島県でも本年度から高校1年生を対象としたピロリ菌検診が始まりました。( → ピロリ菌検診、そして除菌を妨げる因子 )
こういった取り組みが全国的に広がると、日本から胃がんという疾患がほとんど駆逐されると思います。

それにしても未だによくわからないのが、ピロリ菌にどうやって感染するのかということ。
井戸水が、なんて話もありますが、人間の体外でピロリ菌はどうやって過ごしているのか、さっぱりわからないのですから。