◆ 診療所ライブラリー 141 ◆


低気圧女子の処方せん 小越久美British Medical Journal ( BMJ ) という医学誌では、毎年クリスマスにユニークな研究論文を掲載します。
今年はその中に、雨が降ると関節痛の受診が増えるかどうかを調べたものがありました。


雨が降る前などに頭痛や関節痛などが悪化する、というのは昔から知られていた現象ですが、最近は「気象病」「天気痛」といった言葉が定着しつつあります。
今回紹介する「低気圧女子の処方せん」は、その気象病について、若い女性にターゲットを絞って書かれたものです。
面白いのは、大半を気象予報士が書いている点。
著者も天気が悪くなると古傷が痛み出すそうなんですが、自身の体験談などをベースにして、気象に密接に関連する病気についてはもちろんのこと、普段の過ごし方などがふんだんに盛り込んであります。

日本において季節ごとに異なる低気圧の発生する仕組みなどを90ページにも渡って記載している点は、気象予報士ならではですね。
ドイツでは、ネット上で当日の天気で起こりやすい気象病まで知らせる「気象病予報」まで発信しているようですね。
鹿児島だと、桜島や新燃岳上空の風向きも天気予報の一部として知ることができ、生活にとても役に立っていますが、単に晴れか雨かという予想だけではない細部に至る情報はありがたいものです。
普段、医師や薬剤師が書いた文章に接する機会が多い私にとってはとても新鮮な内容でした。


さて、先のBMJの論文の報告によりますと、予想に反して関節痛や背部痛を訴えて受診する患者さんは雨の日の方がわずかながら少ないそうです。
天気が悪いと外出するのも辛くなるからではないか、と私は推測するのですが、いかがでしょうか。