◆ 診療所ライブラリー 142 ◆


恥ずかしがらずに便の話をしよう 佐藤満春前回紹介した「低気圧女子の処方せん」は気象予報士がメインで書いた本でしたが、今回紹介する「恥ずかしがらずに便の話をしよう」の著者はお笑い芸人でもあり放送作家でもある方。
トイレに関しての造詣が深いという著者による内容はいたって真面目で、医療関係者の記す専門用語をちりばめた堅苦しい文章ではなく、平易な言葉で書いてあるのでとても分かりやすいです。
もし私も何か医療関係の本を書くとしたら、このような文章を心がけたいと思います。

便や排便にまつわる一般的な解説がなされているのはもちろんですが、特に力点が置かれているのは第六章の「現代社会が抱えるうんこ問題」ではないでしょうか。
日本は便座や下水道の整備では世界最高水準にあるそうなんですが、その一方で「便育」という分野の遅れを著者は危惧しています。
排便というと、どうしてもネガティブなイメージを持ちがちです。
しかし、それを払拭して食べることと同じくらい尊い行為であると子供たちにしっかり学んでもらい、学校などでの排便をためらわない環境作りを提唱しています。
かく言う私も、学校で排便するとからかわれたりするので恥ずかしくてとてもできなかったのですが、日常的に排便を我慢することが習慣になると便秘につながっちゃいますしね。

他にも腸内環境の整え方やおしりの拭き方、介護現場での排便問題など非常に役立つ情報も多く含まれています。

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なお、本文中に「便秘の定義ははっきりしない」という項目がありますが、ちょうどこの本が発行された昨年秋に日本消化器病学会で「本来排出すべき糞便を十分量かつ快適に排便できない状態」と定義されました。
非常に単純明快なすっきりした定義ですよね。