田中菜緒子【診察室のBGM 159】


前回は、中洲ジャズに出演予定の米澤美玖について触れました。
今回紹介する
 田中菜緒子 は、今年で3回目を迎える鹿児島ジャズフェスティバルに出演する予定のジャズピアニストです。

2017年にリリースされたアルバム
「I Fall In Love Too Easily」は、ジャズスタンダードばかり10曲を収録。

彼女は、大学まではクラシックをやっていたようですが、卒業後にジャズに転向。
今回のアルバムのライナーノーツの中で本人が次のようなことを書いています。

『スタンダードを演奏することはとても大事なことだと思っている。基本を重んじ、自分のカラーを出す。私はそんなスタイルが好きだ。』

曲の解釈は多様だけれども、基本的に譜面通りに演奏するクラシックとは違った魅力をジャズに見出したのでしょうね。

曲をカバーする際の姿勢について、とても感銘を受けた言葉があります。
Fried PrideShihoがツイッター上でつぶやいた言葉です。

『カバーする際「その人」の真似をするなんてもってのほか。まず唄い回しも全部捨てること。なんなら譜割りも変える。…というのが私のカバーにおいての絶対条件。エッセンスを元歌から頂くのはアリ。だって同じように歌うなら「その人」より圧倒的にうまくなければ「その人」の方がいいに決まっている。』




アルバムタイトル曲の「I Fall In Love Too Easily」。は、纐纈歩美を紹介した際にも取り上げた曲ですが、
映画「錨をあげて」の中でフランク・シナトラが唄うちょっと物憂げなバラード。
私のiPodの中には、青紀ひかりKaren SouzaJessica Williamsのバージョンも入っています。( なぜか女性ばかり )
それぞれのアーティストによる曲の解釈、それを聴き比べるのも面白いものです。
また、その場限りのパフォーマンスを享受できるライブを堪能するのも幸せこの上ないですね。