◆ 診療所ライブラリー 166 ◆


もしも病院に犬がいたら犬を飼うと我々の健康にさまざまなメリットをもたらすことが知られています。
一緒に散歩をするなどで身体活動が高まり、糖尿病などの生活習慣病やフレイルに罹りにくいとか、独居の方は飼っていない人に比べて死亡率が低い、といったような報告があります。


病気や障害を持つ方々の身体や機能の回復の補助をするセラピードッグの活動をご存知の方が多いと思いますが、今回紹介する本の主人公は日本初のファシリティドッグ。
セラピードッグはさまざまな場所で活躍します。
これに対してファシリティドッグは、ある一ヶ所の施設にとどまって活動するのが大きな相違点です。

病と闘う子供たちを3000人も支えてきたというファシリティドッグ「ベイリー」の活躍から引退までを追ったNHKの番組が昨年放送されました。
そのベイリーが日本に来るきっかけから子供たちやスタッフに溶け込んで活躍していく様子を、描いた本。
子供たちにもわかりやすい文章ですし、文字も大きいのでご高齢の方々にも読みやすくなっています。


各地でファシリティドッグの導入が進めばいいのでしょうが、育成やコストの問題がどうしても足かせとなってきます。
理解が進み、多くの方々の賛同が得られる取組みに育ってほしいと願っています。