野口内科 BLOG

  野口内科は鹿児島市武岡に開業して46年を迎えました。
  当ブログでは、当院からのお知らせ、医療・健康に関する情報の他に、近隣の話題、音楽・本のこと等を綴ってまいります。

    診療時間 午前  9:00〜13:00
         午後 14:30〜18:00 (金曜は〜18:30)
    休診   日曜・祝日・木曜午後
    電話   099−281−7515
    住所   鹿児島市武岡二丁目28−4
    院長   野口 仁

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 過去記事ウォッチング

≪ 過去記事ウォッチング 35 ≫

もうすぐ衣替えの時期なのに、なかなか気温が下がらない日々が続いていました。
それでも花々は、季節を彩ってくれます。
9月の後半からはあちこちでヒガンバナのきれいな花を見かけました。


黄色い色をしたヒガンバナ、実はヒガンバナではなくショウキズイセンという別物なんだそうです。
このことについては随分前に書いたことがあります。

ヒガンバナ
黄色いのはヒガンバナではないそうです


ショウキズイセンの名は、長いシベを鍾馗 ( しょうき ) という厄除けの神様のヒゲになぞらえて付けたそうです。
鍾馗についてはこれまた当ブログで何度も取り上げていますので、興味のある方は読んでみて下さい。

牛の胆石
華麗なる薩摩焼
現代訳 旅行用心集
アマビエもだけど、鍾馗 ( しょうき ) 様のパワーも

下の写真、男性のたくましいヒゲに見えるでしょうか。

ショウキズイセン



≪ 過去記事ウォッチング 34 ≫

ABHAngina Bullosa Haemorrhagica ( ABH ) とは、主に食事中口の中に突然できてしまう血豆。
悩んでいる人が結構多いのに、認知している医師があまりおらず、日本語名すらないという疾患です。


私自身にも時々起こるので、この経験と医学的見地をわかりやすくまとめたのが「口の中にできる血豆、ABHを詳しく解説」です。
反響が大きく、一人で悩んでいたけれども ABH だと知ってスッキリしたと、感謝のお手紙やFAXをいただいたこともあります。
これといった予防法や治療法はないのですが、何もわからないよりも情報が少しでもある方が安心感はあるのかな、と思っています。


ABHに悩んでいる人もそうでない人も、一度は目を通して参考にしていただきたい記事です。( → こちら )

≪ 過去記事ウォッチング 33 ≫


薬を飲む発熱外来の対応は相変わらず毎日のように続いており、新型コロナウイルス感染症やインフルエンザの衰える気配がありません。
症状に応じた薬を処方していますが、中には薬を飲むのが苦手という方もチラホラいらっしゃいます。

漢方薬については先月に記事にしています。( → 漢方薬の味をマスキングして飲む )

錠剤の服用法ですが、これは以前に記事にしたものがありますので、是非参考にしてください。
その記事はこちらです。( → うつむくと薬を飲むのが楽になる )

その内容のポイントは

・ペットボトルの口をくわえたまま水を飲んで錠剤を流し込む
・うつむいて水と錠剤を飲む

です。
特にうつむいて飲む方法は本当にびっくりするくらい簡単に薬を飲み込むことができますので試してみてくださいね。

≪ 過去記事ウォッチング 32 ≫


前回、漢方薬の服用のタイミングについて書きました。
今回も漢方薬について。

粉薬や漢方薬の味が苦手な方が一定数いらっしゃって、その方々が楽に服薬できるように様々な工夫が積み重ねられています。

ココア私がよくお勧めしているのが、ココア・ミロでの服用や、バニラアイスに混ぜてしまう方法です。
漢方薬の種類を問わず、味がマスキングされるるからです。

他に、ハチミツ・水あめ・コーヒー牛乳・チョコレートを溶かしたものなどの活用が可能です。
なお、ジュース類だと漢方薬の種類によっては逆に不味くなってしまうものがあるので注意が必要です。

当院では、粉薬を包みやすくする工夫を凝らし、イチゴやブドウ味を施したオブラートを用意していますので、ご希望があればスタッフまで。


実は、2012年に「小児への漢方の飲ませ方に一工夫」と題した記事を書いています。
読み返してみると何だか焦点のぼやけた内容ですが、これはその後に書いた「風邪薬に対する考察」という一連のシリーズの序章として書いた意味合いもあります。


今、新型コロナに罹る方だけでなくインフルエンザも増えています。
市販の総合感冒薬には様々な問題点がありますので、以前の当院の記事も是非参考にして下さい。

≪ 過去記事ウォッチング 31 ≫


マダニ4月17日に、鹿児島県としては今年初となる重症熱性血小板減少症候群 ( SFTS ) の症例報告がありました。
マダニが媒介する治療法がいまだに見つからない感染症です。

これからの季節は、草むらに入る時は十分に気をつける必要があります。
園芸関係の作業をする時は、暑い時期でも長袖・長ズボンが望ましいですよ。

もしも、マダニに咬まれた場合はどうするか。
その対処法については、2017年に書いた「マダニに咬まれないように、でも万が一咬まれたら」の中で紹介しています。

力任せにマダニを引き抜こうとすると口器が皮膚に残ってしまい、厄介です。
咬んでいるマダニの周囲を水で少し濡らして、マダニを覆うように塩を盛って5分待つ」のです。
すると簡単に抜けるそうですよ。
浸透圧を活用した方法です。
是非覚えておきましょう。

≪ 過去記事ウォッチング 30 ≫


今月に入って地味にアクセス数が増えている過去記事があります。
それは「中井久夫 精神科医のことばと作法」。

テレビ視聴今年8月に亡くなった中井久夫先生について書いたものです。
先生が発した言葉で、今でもなぜか強烈に頭に残っている短いフレーズを2つ紹介しました。
案外貴重なエピソードかも知れませんので、興味のある方は読んでみて下さい。

4年前に書いたものが注目された理由として考えられるのが、NHKの「100分で名著」という番組で中井久夫先生が取り上げられているからでしょう。
「中井久夫」で検索してもこのブログが上位でヒットすることはないと思うのですが、テレビ番組の影響は大きいですね。

≪ 過去記事ウォッチング 28 ≫


注射2022年3月末までの予定で実施される予定だった成人男性を対象とした風疹の抗体検査及び予防接種 ( 風しん第5期定期接種 ) 事業が1年間延長されました。

1962年 ( 昭和37年 ) 4月2日から1979年 ( 昭和54年 ) 4月1日までに生まれた男性を対象とした非常に大切な事業です。
なぜ大切なのかは、当ブログ「風疹検査のクーポン、積極活用を」をご覧下さい。

世の中は、新型コロナウイルス ( COVID-19 ) とウクライナ情勢の報道が大半を占めていますが、これから生まれてくる世代の子供たちを守るために、対象年齢でクーポンを活用していない方は是非医療機関を受診してください。

≪ 過去記事ウォッチング 27 ≫


酷暑の中での開催が危惧され、札幌で走ることになった東京オリンピックマラソン
それでも女子マラソンは直前になって1時間繰り上げての号砲となったり、男子マラソンではリタイアが続出したりしました。

ジョギング今、欧州は40℃を超える気温を記録している地域もあり、3年後のパリオリンピックでも一体どうなるのか予想がつきません。
オリンピックの開催時期が変更できないのなら、マラソンは冬季オリンピックの種目にしたらいかがでしょうか。

また、記録を追い求めて進化し続けてきたシューズ同様、暑さ対策用のウエアの開発も必須ではないかと思います。


さて、この暑い最中でもジョギングに勤しむ方を多く見かけます。
走るとしても早朝や日没後を選んでほしいのですが、休日ともなると日差しの強い日中に汗だくになっている姿もちらほら。

熱中症対策はやっているとは思いますが、シャツの着方も大事です。
そのことに触れたのが「熱中症対策となるシャツの着方」。
是非参考にしてみて下さい。

≪ 過去記事ウォッチング 26 ≫


内視鏡検査新型コロナウイルスの流行で、各医療機関でいろんな検査がスムーズに受けられない状況が続いています。
胃の内視鏡検査も、患者さんから医療関係者が感染するリスクがあるため、検査を制限している施設も多いようです。

当院でも内視鏡検査数が例年よりも少ない状況が続いていますが、検査自体は行なっておりますので、ご希望の方は遠慮なくご相談下さい。
イラストには経口内視鏡のものを選んでいますが、当院では経口よりもはるかに楽に受けていただける経鼻内視鏡による検査を行なっています。

♦♦♦♦♦

さて、胃の検査を受ける場合、患者さんには普段の処方薬は服用しないように説明しています。
その理由については、4年前の記事「胃の検査前に薬を飲んではいけません」に実際の内視鏡画像を添えて書きました。

要約すると

・溶けた薬の成分が胃の壁にへばりついて観察の妨げとなる
・胃炎の原因になる
・検査中に吸引されてしまうため、その日は薬の効果が十分に得られない

ということになります。
検査が終わってから、服用しましょうね。

≪ 過去記事ウォッチング 25 ≫


水を飲む女性熱中症にならないようにと、ほとんど室内で過ごしているご高齢の親に水を1日3リットルも飲ませているという話を聞いてびっくりしました。

脱水状態であれば水を補わなければどうしようもありませんが、あまり飲み過ぎても低ナトリウム血症を招き、倦怠感や食欲不振、頭痛などの症状が出てしまいます。

このことは、既に当ブログで何回かお伝えしており、言いたいことはそちらの方に書いてありますので是非参照して下さい。
水は、発汗量などに応じて塩分などと共に適切な量を補うようにして下さいね。


→  「水をたくさん飲め」という指導の間違い
無理をしてまで水をたくさん飲まないで



最近ネットで見つけたこの記事もとてもよくまとまっていますので、参考にして下さい。


「水の飲み過ぎ」に注意 多量の汗には塩分補給

≪ 過去記事ウォッチング 24 ≫


中国で発生した新型コロナウイルスによって、世界的にマスク不足に陥っています。
そもそもマスクにあまり予防効果がないのに、中国政府が国民にマスク着用を呼びかけたのがきっかけだと思います。
シンガポール政府が「健康ならマスクを使わないで」と呼びかけたり、台湾では「私はいいのでお先にどうぞ」運動が起きたりと、まっとうな動きが出始めています。


一連の新型コロナウイルスの報道の中で、マスクよりも手洗いが重要であることが解説されていますが、きっちり理解されているでしょうか ?
Semmelweisその手洗いの重要性を世界で最初に説いたのが、ゼンメルワイスというハンガリーの医師です。
当ブログでは、彼の生涯を描いた本を2017年に紹介しています。
今回の騒動もあるので、改めて記事を読んでいただきたいと思います。


→ 「手洗いの疫学とゼンメルワイスの闘い

本の内容もとても素晴らしいので一読をお勧めします。


今でこそ「感染防護の父」と崇められるゼンメルワイスですが、彼の功績が認められたのは、彼の死後。
フェノールによる消毒法を開発したリスターによって再評価されてからです。
ゼンメルワイスが亡くなった1865年には、学校の理科で習うメンデルの法則が発表されますが、このメンデルの功績が評価されるようになったのも、彼の死後、35年も経ってからのことでした。


≪ 過去記事ウォッチング 23 ≫


ここ数日、東日本を中心に異例の暑さとなっているようで、北海道佐呂間町では39.5℃に達したとか。
熱中症で医療機関に運ばれる方も続出し、26日は2人の方が亡くなったというニュースを耳にしました。
ちなみに、鹿児島は22日以降、最高気温が28℃以上の日が続いていますが、30℃を超えたのは24日のみ ( 30.7℃ ) です。


熱中症人間の場合、高くなった体温を下げるために汗をかきます。
理論上、体重60kgの人の体表から約85mlの汗が蒸発すると体温が約1℃下がります。
外気温が高く体温が高くなり得る状況が続くと発汗が続きますが、体の中に無尽蔵に水があるわけではありません。
ある段階から、体内の水分を逃さないようにと汗が出なくなります。
そうなると深部体温が調節できず、熱中症になるのです。

熱中症に関しては10年以上前に当ブログで書いていますのでご参考に。

→ 「熱中症に十分ご注意を

また、熱中症予防のために本格的な夏が来る前に暑熱順化を成立させておくことが大事です。
これは簡単に言うと、汗腺を夏仕様に変化するよう促すことです。
梅雨の後半くらいに発汗を促すような運動などを意識して行なうと、本格的な暑さが来る前に汗腺がパワーアップしてくれるのです。
暑熱順化については、昨年の診療所ライブラリーのところでも触れていますので読んでみて下さい。

→ 「汗はすごい - 体温、ストレス、生体のバランス戦略

≪ 過去記事ウォッチング 22 ≫


今朝の地元紙の読者投稿欄に「起立性調節障害をもっと知って」と題した中学校3年生の文章が載っています。
学校に行きたいのだけど、朝起きれない・頭痛や目がくらんで立っていられない等の症状で、体が思うように動かない辛さとともに、現在は周囲の理解があることに対する感謝が述べられています。

起立性調節障害 ( OD: orthostatic dysregulation ) という疾患名は聞きなれないかも知れませんが、中学・高校生女子では4人に1人が罹っているとされるありふれた疾患です。
ただし、この疾患の存在を知らない人が多いのも事実です。

起立性調節障害02


ODに関して、以前小学校の学校保健委員会で話したことを箇条書きにしたものをブログにまとめたものがありますので参考にして下さい。

→ 「早起きできないのは起立性調節障害かも

この中で取り上げた半夏白朮天麻湯という漢方薬は、この疾患を完治させるものではありませんが、寝起きが良くなったり頭痛が軽減したりできて生活の質の改善が見込まれます。
ODでお困りのお子様には一度は試してもらいたい薬です。

また、立ちくらみの症状から、貧血と誤解されているケースが多いのですが、このことについては次のブログの記事を参考にしてみて下さいね。

→ 「貧血と脳貧血を混同して生じている誤解


※ グラフは厚労省「起立性調節障害症状について」より

≪ 過去記事ウォッチング 21 ≫


昨年の10月から、外来の待合室でデジタルサイネージを活用して、当院のPRのみならず、様々な医療情報もお伝えしています。( → 「10月からデジタルサイネージ、開始してます」 )
新年になってこの時期に合わせた内容にしています。

まずは、お餅による窒息について。
食べ物による窒息事故は1月に集中する傾向が強く、その大半が餅によるものです。
11日は鏡開きで、ぜんざいを食べることになると思いますので、特にご高齢の方は注意してくださいね。
外来で実際に流している画像を紹介します。

餅による窒息


そして、同じくこの時期に多発するのが入浴に関連する突然死です。
これについては、2年前に当ブログでも書いていますので参考にしてください。( → 「冬の入浴での注意点」 )
こちらも、外来で使っている画像を紹介しておきます。

冬の入浴

( 追記 ) 1月11日の南日本新聞に、鹿児島県内で2018年に入浴中に突然死した人は204人 ( 前年比6人増 ) だったという記事がありました。同年の鹿児島県の交通事故死亡者数が64人ですから、3倍以上。特に1月・2月に多いようですから、気をつけたいですね。

≪ 過去記事ウォッチング 20 ≫


薬・カプセル風邪の患者さんに、抗生物質 ( 抗菌薬 ) は処方してくれないのか、と尋ねられることが最近もありました。
成人の風邪のほとんどはウイルスが原因なので抗生物質を服用する意味はないのです。
昨年の当ブログでも書いていますので参考にしてください。( → 「風邪に抗菌薬を処方しなくなって久しくなります」 )

ある医療系サイトで、医師に急性気管支炎と診断した場合に抗菌薬を使うかどうかのアンケートがありましたが、ほぼ全員に抗菌薬を処方するが8.2%、基本的に処方するが患者の状況により処方しないことがあるが23.9%もありました。
また、患者さん側に聞いたあるアンケートでは、抗菌薬はウイルスに効くと思っている人が46.6%、風邪で医療機関を受診したら必ず抗菌薬を処方してほしいと思っている人が17.6%、という数値が出ていました。

ある論文には、1万2255回抗菌薬を処方すると1回の肺炎を防ぐことができるが、抗菌薬の副作用の頻度は、アナフィラキシーショックが1万分の1、発疹は100分の1、下痢は10分の1、との報告もあります。
今年6月に厚労省が「抗微生物薬適正使用の手引き」というものを公開しました。
医師に対して適切な検査と診断を行った上で抗菌薬処方を判断するように促すものです。
こういった情報も浸透ていけば、医師も患者さんも風邪での抗菌薬に対する意識も変わってくるでしょう。

耐性菌が増えてしまえば、本当に抗菌薬が必要な時に手段がないなんて事態にもなりかねません。
そういう暗い未来が現実のものとならないよう、抗菌薬は適切に使いたいものです。

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