野口内科 BLOG

  鹿児島市武岡にある野口内科です。
  医療に関することはもちろん、近隣の話題や音楽・本のことなどについて綴ってまいります。
    診療時間 午前  9:00〜13:00
         午後 14:30〜18:30
    休診   日曜・祝日・木曜午後
    電話   099−281−7515
    住所   鹿児島市武岡二丁目28−4
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インフルエンザの予防接種は10月より開始する予定ですが、既に流行の兆しが見えます。十分に気をつけてください。

 過去記事ウォッチング

≪ 過去記事ウォッチング 20 ≫


薬・カプセル風邪の患者さんに、抗生物質 ( 抗菌薬 ) は処方してくれないのか、と尋ねられることが最近もありました。
成人の風邪のほとんどはウイルスが原因なので処方しても意味がないことは昨年の当ブログでも書いていますので参考にしてください。( → 「風邪に抗菌薬を処方しなくなって久しくなります」 )

ある医療系サイトで、医師に急性気管支炎と診断した場合に抗菌薬を使うかどうかのアンケートがありましたが、ほぼ全員に抗菌薬を処方するが8.2%、基本的に処方するが患者の状況により処方しないことがあるが23.9%もありました。
また、患者さん側に聞いたあるアンケートでは、抗菌薬はウイルスに効くと思っている人が46.6%、風邪で医療機関を受診したら必ず抗菌薬を処方してほしいと思っている人が17.6%、という数値が出ていました。

ある論文には、1万2255回抗菌薬を処方することで1回の肺炎を防ぐことができるが、抗菌薬の副作用の頻度は、アナフィラキシーショックが1万分の1、発疹は100分の1、下痢は10分の1、との報告もあります。
今年6月に厚労省が「抗微生物薬適正使用の手引き」というものを公開しました。
医師に対して適切な検査と診断を行った上で抗菌薬処方を判断するように促すものです。
こういった情報も浸透ていけば、医師も患者さんも風邪での抗菌薬に対する意識も変わってくるでしょう。

耐性菌が増えてしまえば、本当に抗菌薬が必要な時に手段がないなんて事態にもなりかねません。
そういう暗い未来が現実のものとならないよう、抗菌薬は適切に使いたいものです。

≪ 過去記事ウォッチング 19 ≫


201003111036594763.gif暑いですね。
虫たちも一年中で最も活発な時期ではないかと思います。

自転車に乗っている時に目に小さな虫が飛び込んできたり、ジョギングしている時に口に吸い込んだりして気持ちの悪い経験をしたことがあります。
どちらも自分自身で対処は可能ですが、厄介なのは耳に入った場合です。
外耳道の中で虫が動き回るとうるさいでしょうし痛みを伴う場合もあるでしょう。
耳にゴキブリが入ってしまった症例について以前ブログで書いたことがありますが、患者さんは冷静さをかなり失っていました。
今でも時々アクセスをいただく「耳にゴキブリ」には、その顛末が書いてありますのでご覧ください。
一人で悪戦苦闘すると状況を悪化させることもあるので、耳鼻科で処置を受けるようにしてください。

私の子供が小さい時、ほつれた糸を丸めて耳に入れる癖があり、往生したこともありました。
毎日のように耳かきをして外耳道の炎症を繰り返しているのにそれをやめない人もいます。
自分で直接覗くことのできない耳の穴。
大切にいたわってくださいね。

≪ 過去記事ウォッチング 18 ≫


患者さんにお渡ししている当院の「薬の説明書」は、私がファイルメーカーProで作製したものなのですが、ちょうど10年前の6月後半からヘッダー部分にイラストを入れるようになりました。

記念すべき第一回のイラストが何だったか、すぐに思い出せなかったので振り返ってみました。
イラストを更新するたびにブログでお届けしている「薬の説明書のイラスト」も200回を大きく超えているため、案外大変な作業でした。
当ブログが始まったのが2ヶ月遅れの2006年8月だった関係上、初回のイラストを紹介したのは「薬の説明書のイラスト 21」。
アジサイだったのですね。
この時は2007年6月後半のイラストと並べて掲載してあります。

2382cc60.gif




ちなみに「薬の説明書のイラスト 1」はこちらになります。→ こちら

≪ 過去記事ウォッチング 17 ≫


アズレン季節的な要因なのか、このところ最もよく読まれているのが2年前に書いた「アズレン系うがいの有用性」です。
いまだにイソジンなどのポビドンヨード系のうがい薬が幅を利かせていますが、「無意味なヨード系うがい薬」などと併せて読んでいただきたいのですが、

・風邪の予防のためのうがいは水か緑茶・紅茶
・風邪をひいたらアズレン系のうがい薬

と活用していただくのが無難かと思います。
2014年4月から外来でうがい薬だけの処方ができなくなっていますので、薬局でうがい薬を選ぶ時の参考にしていただきたいと思います。

なお、選んだイラストが一体何なのか分からない方もいらっしゃるようなので解説しておきますが、女性の横顔です。
左上から右下へ順に、鼻・唇・顎、そして首筋です。
ご理解いただけましたでしょうか。

≪ 過去記事ウォッチング 16 ≫


2011020408481810371.gif落語家の桂歌丸師匠が入退院を繰り返していますが、体重がわずか36kgだと報道されていましたね。
身長の公称が165cmとなっているのでBMIを計算してみたところ、13.2と驚くような数字でした。
BMI ( body mass index ) は体格表す指数ですが、2007年に当ブログ「BMIについて」でわかりやすく解説していますので是非参考にしてみて下さい。

桂歌丸師匠といえば慢性閉塞性肺疾患 ( COPD : Chronic obstructive pulmonary disease ) に罹患していることも知られています。
疾患の詳細は省略しますが、喫煙が原因となります。
先日2014年のCOPDによる人口10万人当たりの都道府県別の死亡者数の速報値が公表され、20.7人の鹿児島県が最下位でした。
鹿児島県の喫煙率は19.8%で全国平均の21.6%より低く、九州の中でも最も低い数値なんですが (2013年)。
ワーストの原因として高齢化が挙げられていましたが、それだけではないと考えます。
一般の方の認知度が低い疾患であることと、呼吸器疾患に対する治療体制の弱さがあるのではないかと思います。
気管支喘息に関しても常に下位に甘んじる鹿児島県なのですが、こんなデータもあります。( → 呼吸器専門医数が少ないほど、気管支喘息やCOPDの死亡率が高い )

せっかく毎年公表されるデータです。
活用して対策を考えて臨床に活かしていかなくてはなりません。

≪ 過去記事ウォッチング 15 ≫


2011020408481810371.gif先日「ためしてガッテン」で便秘の特集がありました。
その中で、便秘でないのに便秘だと思い込んでいるケースがあることが紹介されていました。
特に高齢の男性において便秘を訴えられる方が急激に増えてくることもグラフ化して示されていましたね。

1日1回は排便しなくては気が済まず、下剤を所望される高齢者について「加齢排便強迫症」と名付けて紹介したのが3年前に書いた「男女の違い その2」。
当時は、ルビプロストンという新薬が発売されていませんでしたので、既存の薬を組み合わせて適切な排便を促すことを解説しました。

既に下剤を乱用ぎみに使っている方に、便秘とは何かを理解してもらって減薬を進めていくのはかなり骨の折れる作業です。
でもちゃんと私の指示を守っていただいた方は、薬も減って排便に対する満足度も高まることは何度も経験済み。
自己流に便秘を解釈し間違った薬の使い方をしないためにも、遠慮なく当院にてご相談下さいね。

≪ 過去記事ウォッチング 14 ≫


熱中症今週、急に暑くなってきた鹿児島。
ここ数年のことを考えると、まだいい方なのかも知れませんが27日頃までは最高気温34℃の予報が出ています。

例年声高に叫ばれていることですが、熱中症には十分気をつけてください。
先日も運動中に水分だけを補充していたという方を診ましたが、正しい対応を改めて確認してみましょう。


 7年前に書いた当ブログの記事 → 「熱中症に十分ご注意を
 こちらもご参考に → 「かくれ脱水」JOURNAL 


最近、冷やしキュウリが流行していますが、案外お勧めです。
キュウリやトマトに塩を振りかけて丸かじりすれば、水分・塩分を補うことができます。
なお、トマトはへたを取り払い、へたの方から吸い付けば中身が飛び散ることはありません。

≪ 過去記事ウォッチング 13 ≫


ムスカリ明日、1月17日で阪神淡路大震災から19年となります。
早いものです。
知らない世代も増えてきているので、語り継いでいくことも大切かな、と思う今日この頃です。

さて、このところ「ジェネリック医薬品を考える」や「風邪薬についての考察」などのシリーズの記事へのアクセスが多い中、東日本大震災が起きて間もない頃に書いた記事にアクセスが増えてきています。
理由はよくわかりません。
それは、「ムスカリの花言葉に込めて」。
月に2回書いている「薬の説明書のイラスト」シリーズの一つなのですが、ムスカリの花言葉をつなぎ合わせて被災者への応援メッセージを作ったものです。
その中で「時間はかかりますが、希望の光は少しずつ皆さんを照らし始めます」なんて書いたのですが、遅々として進まない復興。
日本の行政はどうしてスピード感に欠けるのでしょうか。

≪ 過去記事ウォッチング 12 ≫


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最近になってアクセスが増えているのが「口内炎を治すには」。
恐らく手足口病の流行と無縁ではないでしょう。
口内炎、痛いですからね。
手足口病に罹患した方からよく問われるのは、学校や職場を休むべきかどうかということ。
感染力が強いのは確かなので休めるものなら休んで感染拡大を防ぐべきだとは思うのですが、風疹や水痘などと違って規定がないのが現状です。

「口内炎を治すには」は 5年前に書いたものです。
Facebook や twitter 等と違って、古い記事でも検索サイトからアクセスしていただけるのがブログのいいところ。
ほぼ 3日に一度のペースで書き綴っていますが、これからも更新に努めてまいります。

≪ 過去記事ウォッチング 11 ≫


憩室
2年ほど前に書いた「大腸憩室からの出血」という記事に、近ごろアクセスが多くなっています。
心臓病や脳血管疾患の再発予防などで血液をサラサラにして固まりにくくする薬の処方が格段に増えてきていて、それに伴い大腸憩室からの出血も増えているということを取り上げたものでした。
内視鏡医にとって大腸憩室からの出血への対応は本当に難渋します。


大腸憩室は、日本人においては上行結腸など右側結腸に多く、欧米人はS状結腸に多いとされていますが、近年は日本人でもS状結腸での発生が増えていると言われています。
神戸時代にはS状結腸の憩室の症例がそこそこあり、憩室が大きすぎて腸の内腔と区別がつきづらく内視鏡挿入に難渋するケースも決して珍しいことではありませんでした。
ところが、鹿児島ではあまり見かけることがありません。
S状結腸の憩室の成因の一つに欧米的な食事が挙げられていますので、神戸と鹿児島の食文化の相違が影響しているのでしょうね。
憩室があってもほとんどの方は問題なく過ごせますが、炎症や出血がまれながらあります。
大腸を日々観察しながら、鹿児島の皆さんの食生活が劣化しないことを願わずにはいられません。 

≪ 過去記事ウォッチング 10 ≫


ypq8ki2x.gif消化性潰瘍や食道静脈瘤は減少し、逆流性食道炎が目に見えて増えてきている。
私が医師になってからの
このような消化管病変の移り変わりについては、このブログでも何回か述べさせてもらっています。

逆流性食道炎に対しては、Proton pump inhibitor ( PPI ) と呼ばれる酸分泌抑制薬が最もよく使われる薬剤ですが、奇妙なのは8週間を一区切りとする制約があること。
胃・十二指腸潰瘍にも PPI 投与期間に制約がありますが、これはピロリ菌除菌と併せると治る病気。
しかし、逆流性食道炎に対してはは逆流する胃液中の塩酸濃度を緩和するという対症療法に過ぎません。
心窩部痛や胸やけ、呑酸などのひどい症状の方が増えてきている現状に全く合わないこの投与期間制限は改めないといけませんね。

さて、PPI だけでは十分に症状が改善しない方に、私が好んで処方するのが海藻を原料に作られるアルギン酸塩 ( アルロイドG ) という液体の薬剤。
傷の表面を覆い痛みを和らげてくれるのですが、 不評なのはその味とのど越しの悪さ。
なので、服用前に「原料は海藻で、その海藻のぬめりの成分が傷を保護して酸から守ってくれます」と説明しておくと嫌がる方はほとんどいなくなります。

アルギン酸についての豆知識は、ブログを始めて間もない頃「人工イクラと胃薬」に書いています。 

≪ 過去記事ウォッチング 9 ≫


syz1dztk.gif胃下垂と腹筋」というタイトルで記事を書いたのは 4年前。
臨床的にあまり考慮されることのない胃下垂にスポットを当てて検討したものです。
今でも「胃下垂」のキーワードでアクセスの多い記事です。
腹筋との絡みで解説しましたけど、胃は食べたものを一時的に蓄える場所なので平滑筋が弛緩して伸びやすい臓器でもあります。

当時のブログでもちょっと触れているのですが、腹筋の弱い人は大腸内視鏡挿入にも苦労します。
逆に若い頃スポーツをしていたとか、応援団・声楽などをやっていたという人などはとてもスムーズに入っていきます。
最近は体形と腹部の触診でその人の大腸内視鏡の難易度がある程度わかるようになってきました。
また、痩せた女性に多い遊走腎という疾患もあります。
寝ている時に比べて立位で腎臓が大きく下がってしまい、腰痛や血尿の原因になるものです。
この疾患の方のおなかもあまり力がないのが特徴ですね。

znpo2mpt.gifもともとヨガをやっている人に「あなた胃下垂気味の体形してるから腹筋鍛えなさい」と言われ、実際に腹筋トレーニングをしたところ、内蔵の様々な不調が改善したことが興味を持ち始めたきっかけ。
腹筋と内臓疾患の関係、もっと科学的に調べられてもいいのではないかと思っています。

9aeb425f.gif≪ 過去記事ウォッチング 8 ≫


当然のことながら医療関係の記事が多い当ブログですが、全く関係のないジャンルでアクセスが多いのが「生け垣が新しくなりました」です。

ちょうど 3年前のこの時期に道路に面する生け垣をスカイペンシルとベニバナトキワマンサクを組み合わせたものに植え替えたのですが ( 右の写真 )、この二つの植物の名前をキーワードに読んでいただいているようです。
あまり見かけない珍しい組み合わせではないかと思います。
ゆっくりと生長していくスカイペンシルに対し、トキワマンサクの方は枝の伸びが早いというアンバランスがあるため毎年剪定してもらっています。

ちょうど昨日その作業にあたっていただいたのですが、枝をきれいに編み込んだような形にしてもらい、生け垣らしい雰囲気になってきました。
植込それが左側の写真。
作業の邪魔にならないようと思ってちょっと慌てて撮ったのでトホホな写真になってしまいましたが、トキワマンサクの方はかなり密な状態に。
来年春の花の時期がとても楽しみです。 

≪ 過去記事ウォッチング 7 ≫


それほどアクセスが多いわけではないのですが、大腸憩室というキーワードでよく見ていただいているのが、宿便について考えるというテーマの中の「大腸憩室症について」です。
ここで使った写真は、1枚でいろんなことが説明できるので大変重宝しています。

2009042216004732165.gifこの記事についてちょっと補足説明をしておきます。

まず、この大腸憩室症の発生頻度なんですが、日本消化器病学会のHPでは10人に1人くらいとしています。
しかし時代とともに増加傾向にあり、90年代のデータで17.5%、70歳代以上に限ると21.1%とするものもあります。
正確なデータを取っていませんけど、私が実際に大腸内視鏡で観察する印象では 4~5人に一人はあるように思いますが、論文を重視して「5、6人に一人位の割合で見つかり」という表現をしました。

以前テレビを観ていたらタレントを兼ねる女医さんが、腹圧のかかるような仕事も大腸憩室の原因と言っていましたが、私自身そのような報告は読んだことがありませんし、科学的には証明されていないと思います。
実験的にも明らかなのは、低繊維食です。
そして、腸の内圧上昇が可能性として考えられていますが、腹圧かけたら腸の内圧も上がるわけではありません。
繊維質の多い食事で大腸憩室症が改善するという報告があることは紹介済みですが、何せ1977年と30年以上前の報告です。
それを後追いする論文が私の調べる範囲では見つからないのが気になるところではあります。

さて、「大腸憩室」と「大腸憩室症」というのは厳密に言うと違うというのは医者でもよく知りません。
どのような違いかというと、憩室が一つだけなら前者で複数あると後者になるのです。
多分、英語で単数だと diverticulum、複数で diverticula と語尾が変化するのを訳し分けたのではないかと思います。

≪ 過去記事ウォッチング 6 ≫


出来る限りアンテナを伸ばして医療の情報を日頃からチェックしています。
将来的に医療を発展させるようなトピックもあれば、日常の診療にすぐに応用できるようなものまで様々な知見に溢れています。
一般の方が興味を持つのではないかというものは当ブログでもいくつか取り上げてきました。

cb4aba51.gif2010年に書いた「服の上から血圧を測ると」は、ある医療系サイトで紹介されていたもの。
ある程度の厚さの服ならばその上からカフを巻いて測定しても問題はないというものでした。
これはブログで紹介するとともに、実際の外来でも活用して現在に至っています。
服をまくり上げるとかえってカフが巻きづらくなる場合もあるので、服の厚さなどを考慮し臨機応変に血圧測定をしています。
記事にしたら比較的多くのアクセスをいただいたので、皆さんの関心の高さも伺えました。 

最近は、小ネタ的な情報はブログ記事にせず、Twitter にてリツイートするなどしていますので、右側のカラムにある「tweet してます」にも目を通して下さいね。

≪ 過去記事ウォッチング 5 ≫


咽喉頭異常感症という疾患はかつては神経症の一種とみなされていました。
先月診療所ライブラリで紹介した「心療内科がわかる本」の中でも精神科・心療内科領域で扱う疾患として取り上げられています。
しかしすべてではないにしても
胃食道逆流症の周辺症状として咽喉頭異常感をとらえるようになり、咽喉頭酸逆流症という呼称も生まれました。

4c99fdd2.gif2010年に書いた胃食道逆流症
というシリーズの第8回のど元で胃液が作られる !?」においては、私が内視鏡を始めた頃から注目していた食道入口部異所性胃粘膜 ( inlet patch ) を取り上げました。
内視鏡医もそれほど重要視する人は多くなかったのですが、2009年に Gastroenterology という雑誌にこの部分を焼灼してしまう治療法が一定の成果を上げることが紹介されたのは大きなインパクトがあったと思います。
詳しくは「のど元で・・・」を読んで下さいね。

なお、経鼻内視鏡で inlet patch の観察がしづらくなったのは近接してしまうせいだとこの記事の中で書きましたが、先日借りた視野角140度の最新機種では容易に観察することができましたのでこれまでの経鼻内視鏡のやや狭い視野角が問題だったようですね
。 
訂正しておきます。 

≪ 過去記事ウォッチング 4 ≫


徐々に認知され普及しつつある傷の湿潤療法。
これをブログを始めた2006年に
傷の治し方というシリーズで簡単に解説いたしました。
古い記事にも関わらず比較的よくアクセスを頂いております。 

15a70456.gifそのシリーズの最後「傷は舐めるに限る」は、傷を治すのに大切な成分のひとつである上皮成長因子 ( Epidermal growth factor: EGF ) について、研究生活時代にこの成分と関わった身として私見を述べさせたもらったものでした。
EGFの持つ作用とほとんどか唾液腺から分泌されるという意味を考えてのことです。

別の機会にはその EGF が美肌成分だとして化粧品に配合されて売られている現状を問題視しました。
EGFに関するこんな商品が出回っているようですがEGF配合化粧品って )

さて、昨年8月の後者の記事で「近いうちに EGF について語ってみましょう」としておきながらそのままで申し訳ありませんでした。
これを機に少しばかり書いてみますね。

EGF がとてもデリケートな物質で仮に化粧品に入っていても成分としての有効性はとても疑問であることは述べましたが、胃液にも弱いのです。
胃液によって活性がおよそ 1/4 に弱まることがわかっています。
それを申し訳なく思うのか、胃の壁細胞と呼ばれる細胞は胃酸とともに EGF とほぼ同じ役割のある TGF-α ( Transforming growth factor-α ) という物質を分泌しています。
さらに十二指腸と膵臓からわずかばかり EGF が出ていることも知られていますが、これは胃で失活する分をある程度補っているのでしょうね。

成長因子は局所で作られその局所で作用するものが多く、これは外分泌 ( exocrine ) とも内分泌 ( endocrine ) とも違い、その様式は paracrine と呼ばれています。
日本語化されていませんが、強いて言えば「側分泌」あるいは「傍分泌」になるでしょうか。
しかし EGF は唾液腺という特定の臓器で作られ唾液中に分泌される外分泌の形をとりますし、一部は口腔粘膜から血液中に移行します。
それだけではなく、初乳にも多く含まれることがわかっています。
それなりの役割が考えられますが、親から赤ん坊へ渡り歩くという非常にダイナミックな物質です。
EGF は成長因子と呼ばれる物質の中で最も早く発見された物質にも関わらず、paracrine 様式でない点が非常に面白いと思います。 

また、 発売当初副作用問題が新聞でも騒がれたイレッサという抗癌剤があります。
これは EGF 受容体という EGF の刺激を受け取って細胞内に情報を伝える物質の働きを抑えるものです。
他にもいくつかの成長因子の働きを抑える物質が抗癌剤として使われています。
成長因子そのものも再生医療への応用が実践されつつあり大きく期待されていますので、EGF を含め成長因子について色々知っておくのは決して損ではありません。

なお growth factor を直訳して成長因子と言っていますが、 その中心的な役割を考えて「( 細胞 ) 増殖因子」と呼ぼうと提唱する先生もいます。
私は大賛成です。 

« 過去記事ウォッチング 3 »


前回の過去記事ウォッチングでは内容に誤りがあって訂正したことをお話しましたが、今度は逆にネット上であちこちに間違いが記載され広がっているという状況を指摘したものをご紹介します。

Bristol.gifそれは宿便について考えるというシリーズ第五回の「ウンチの種類」です。

この中で便の性状を 7つに分類した Bristol stool form scale というものを紹介しました。
この分類がいつ頃発表されたものかを調べているとネット上では
「ブリストル大学のへーリング博士が考案し、1990年の英国の医学誌に発表したもの」という表記があちこちに。
ところが、最初の論文を探し当ててみるとこれが全くの間違いであることがわかりました。
詳しくは「ウンチの種類」に書いてありますのでお読みください。

当ブログで間違いを指摘しているにも関わらず、この後もあちこちのサイト、しかも医療系のサイトでも誤った情報が増殖しているのは悲しい限り。
コピペでお手軽に作文するのは楽ですけど、きっちり調べて裏をとる習慣は身につけたいものです。

正しくは
「Bristol stool form scale は Bristol 大学の O'Donell らが考案し、1990年に BMJ 誌に発表したもの」ですからね。

« 過去記事ウォッチング 2 »


ブログの引っ越しに伴ってアクセスが落ちてしまった過去の記事にスポットを当てる企画。

bpy7lyb3.gif今回は冬季にアクセスが増えることの多かった「予防接種後の入浴について」です。

予防接種の後に入浴することについては特に差し支えないのですが、そう指導するとびっくりされる方がいまだに多いように思います。
疑問に思われる方は、当ブログが始まって間もない2006年に書いたこの記事を読み返してみて下さい。

実はこの記事の内容について、以前某テレビ番組制作会社から問い合わせがあったのです。
私が間違ったことを書いたばかりに混乱させてしまったみたいで申し訳ないことをしたのですが、その点は修正してあります。
誰でもアクセスできる情報に無責任なことは書けないなと肝に銘じた思い出のある記事でもあります。

« 過去記事ウォッチング 1 »


「野口内科 BLOG」を始めて5年を越え、これまで書いた記事も800近くになってきました。
これまでは検索サイトで過去の記事も比較的容易にヒットしていました。
しかしPotika 閉鎖に伴い昨年末にブログの引っ越しを余儀なくされてから検索できなくなってしまったものが相当数に上ります。
ブログの移転をした経験が過去にあったのである程度は予想していたのですが、アクセス数が大幅に落ち込んでしまっている状態です。
多くの方に参考にしていただいていたのに埋もれてしまっては申し訳ないので、過去の記事を振り返って紹介してみる企画をお届けしようと思います。


4c238bc0.gif初回はこれまで最もアクセスが多かった記事。
それは2008年6月に書いた「みぞおちに固いしこりが・・・」 です。
Googleにて「みぞおち」「しこり」というキーワードで 検索するとかなり上位にヒットしていたのでアクセスが多かったものと思います。
この中で紹介したように誰にでもある剣状突起をしこりと勘違いして不安に思い、外来を訪れる方が後を絶たないので書いたものです。
5回にわたってお届けした心窩部にまつわる話」は、これを一番書きたくて作ったような連載でもあります。
その効果があってか、最近は同じような訴えをされる方がめっきり減ったように思います。 

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