野口内科 BLOG

  鹿児島市武岡に開業して41年の野口内科です。
  医療・健康に関する情報はもちろん、近隣の話題、音楽・本のことなどを綴ってまいります。

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 過去記事ウォッチング

≪ 過去記事ウォッチング 9 ≫


syz1dztk.gif胃下垂と腹筋」というタイトルで記事を書いたのは 4年前。
臨床的にあまり考慮されることのない胃下垂にスポットを当てて検討したものです。
今でも「胃下垂」のキーワードでアクセスの多い記事です。
腹筋との絡みで解説しましたけど、胃は食べたものを一時的に蓄える場所なので平滑筋が弛緩して伸びやすい臓器でもあります。

当時のブログでもちょっと触れているのですが、腹筋の弱い人は大腸内視鏡挿入にも苦労します。
逆に若い頃スポーツをしていたとか、応援団・声楽などをやっていたという人などはとてもスムーズに入っていきます。
最近は体形と腹部の触診でその人の大腸内視鏡の難易度がある程度わかるようになってきました。
また、痩せた女性に多い遊走腎という疾患もあります。
寝ている時に比べて立位で腎臓が大きく下がってしまい、腰痛や血尿の原因になるものです。
この疾患の方のおなかもあまり力がないのが特徴ですね。

znpo2mpt.gifもともとヨガをやっている人に「あなた胃下垂気味の体形してるから腹筋鍛えなさい」と言われ、実際に腹筋トレーニングをしたところ、内蔵の様々な不調が改善したことがきっかけで興味を持ち始めました。
腹筋と内臓疾患の関係、もっと科学的に調べられてもいいのではないかと思っています。

9aeb425f.gif≪ 過去記事ウォッチング 8 ≫


当然のことながら医療関係の記事が多い当ブログですが、全く関係のないジャンルでアクセスが多いのが「生け垣が新しくなりました」です。

ちょうど 3年前のこの時期に道路に面する生け垣をスカイペンシルとベニバナトキワマンサクを組み合わせたものに植え替えたのですが ( 右の写真 )、この二つの植物の名前をキーワードに読んでいただいているようです。
あまり見かけない珍しい組み合わせではないかと思います。
ゆっくりと生長していくスカイペンシルに対し、トキワマンサクの方は枝の伸びが早いというアンバランスがあるため毎年剪定してもらっています。

ちょうど昨日その作業にあたっていただいたのですが、枝をきれいに編み込んだような形にしてもらい、生け垣らしい雰囲気になってきました。
植込それが左側の写真。
作業の邪魔にならないようと思ってちょっと慌てて撮ったのでトホホな写真になってしまいましたが、トキワマンサクの方はかなり密な状態に。
来年春の花の時期がとても楽しみです。 

≪ 過去記事ウォッチング 7 ≫


それほどアクセスが多いわけではないのですが、大腸憩室というキーワードでコンスタントに見ていただいているのが、宿便について考えるというテーマの中で書いた「大腸憩室症について」です。
ここで使った写真は、1枚でいろんなことが説明できるので大変重宝しています。
写真を再掲しますが、黄色いA・B・Cの意味については「大腸憩室症について」で説明してあります。

大腸憩室この記事についてちょっと補足説明をしておきます。

まず、この大腸憩室症の発生頻度なんですが、日本消化器病学会のHPでは10人に1人くらいとしています。
しかし、時代とともに増加傾向にあり、90年代のデータで17.5%、70歳代以上に限ると21.1%とするものもあります。
正確なデータを取っていませんけど、私が実際に大腸内視鏡で観察する印象では 4~5人に一人はあるように思いますが、論文を重視して記事の中で「5、6人に一人位の割合で見つかり」という表現をしました。

以前テレビを観ていたら、タレントを兼ねる女医さんが「腹圧のかかるような仕事も大腸憩室の原因」と言っていました。
でも、私自身そのような報告は読んだことがありませんし、科学的には証明されていないと思います。
実験的にも明らかなのは、低繊維食です。
そして、腸の内圧上昇が可能性として考えられているのですが、腹圧かけたからといって腸の内圧が上がってしまうわけではありません。
繊維質の多い食事で大腸憩室症が改善するという報告があることは紹介済みですが、何せ1977年と40年以上前の報告です。
それを後追いする論文が私の調べる範囲では見つからないのが気になるところではあります。

さて、「大腸憩室」と「大腸憩室症」という用語は厳密には区別して使用されるものなのですが、このことは医者でも理解している人は少ないです。
どのような違いかというと、憩室が一つだけなら「大腸憩室」で複数あると「大腸憩室症」になるのです。
恐らく、英語で単数だと diverticulum、複数で diverticula と語尾が変化するのを訳し分けたのではないかと思います。

≪ 過去記事ウォッチング 6 ≫


出来る限りアンテナを伸ばして医療の情報を日頃からチェックしています。
将来的に医療を発展させるようなトピックもあれば、日常の診療にすぐに応用できるようなものまで様々な知見に溢れています。
一般の方が興味を持つのではないかというものは当ブログでもいくつか取り上げてきました。

cb4aba51.gif2010年に書いた「服の上から血圧を測ると」は、ある医療系サイトで紹介されていたもの。
ある程度の厚さの服ならばその上からカフを巻いて測定しても問題はないというものでした。
これはブログで紹介するとともに、実際の外来でも活用して現在に至っています。
服をまくり上げるとかえってカフが巻きづらくなる場合もあるので、服の厚さなどを考慮し臨機応変に血圧測定をしています。
記事にしたら比較的多くのアクセスをいただいたので、皆さんの関心の高さも伺えました。 

最近は、小ネタ的な情報はブログ記事にせず、Twitter にてリツイートするなどしていますので、右側のカラムにある「tweet してます」にも目を通して下さいね。

≪ 過去記事ウォッチング 5 ≫


咽喉頭異常感症という疾患はかつては神経症の一種とみなされていました。
先月診療所ライブラリで紹介した「心療内科がわかる本」の中でも精神科・心療内科領域で扱う疾患として取り上げられています。
しかしすべてではないにしても
胃食道逆流症の周辺症状として咽喉頭異常感をとらえるようになり、咽喉頭酸逆流症という呼称も生まれました。

4c99fdd2.gif2010年に書いた胃食道逆流症
というシリーズの第8回のど元で胃液が作られる !?」においては、私が内視鏡を始めた頃から注目していた食道入口部異所性胃粘膜 ( inlet patch ) を取り上げました。
内視鏡医もそれほど重要視する人は多くなかったのですが、2009年に Gastroenterology という雑誌にこの部分を焼灼してしまう治療法が一定の成果を上げることが紹介されたのは大きなインパクトがあったと思います。
詳しくは「のど元で・・・」を読んで下さいね。

なお、経鼻内視鏡で inlet patch の観察がしづらくなったのは近接してしまうせいだとこの記事の中で書きましたが、先日借りた視野角140度の最新機種では容易に観察することができましたのでこれまでの経鼻内視鏡のやや狭い視野角が問題だったようですね
。 
訂正しておきます。 

≪ 過去記事ウォッチング 4 ≫


徐々に認知され普及しつつある傷の湿潤療法。
これをブログを始めた2006年に
傷の治し方というシリーズで簡単に解説いたしました。
古い記事にも関わらず比較的よくアクセスを頂いております。 

15a70456.gifそのシリーズの最後「傷は舐めるに限る」は、傷を治すのに大切な成分のひとつである上皮成長因子 ( Epidermal growth factor: EGF ) について、研究生活時代にこの成分と関わった身として私見を述べさせたもらったものでした。
EGFの持つ作用とほとんどか唾液腺から分泌されるという意味を考えてのことです。

別の機会にはその EGF が美肌成分だとして化粧品に配合されて売られている現状を問題視しました。
EGFに関するこんな商品が出回っているようですがEGF配合化粧品って )

さて、昨年8月の後者の記事で「近いうちに EGF について語ってみましょう」としておきながらそのままで申し訳ありませんでした。
これを機に少しばかり書いてみますね。

EGF がとてもデリケートな物質で仮に化粧品に入っていても成分としての有効性はとても疑問であることは述べましたが、胃液にも弱いのです。
胃液によって活性がおよそ 1/4 に弱まることがわかっています。
それを申し訳なく思うのか、胃の壁細胞と呼ばれる細胞は胃酸とともに EGF とほぼ同じ役割のある TGF-α ( Transforming growth factor-α ) という物質を分泌しています。
さらに十二指腸と膵臓からわずかばかり EGF が出ていることも知られていますが、これは胃で失活する分をある程度補っているのでしょうね。

成長因子は局所で作られその局所で作用するものが多く、これは外分泌 ( exocrine ) とも内分泌 ( endocrine ) とも違い、その様式は paracrine と呼ばれています。
日本語化されていませんが、強いて言えば「側分泌」あるいは「傍分泌」になるでしょうか。
しかし EGF は唾液腺という特定の臓器で作られ唾液中に分泌される外分泌の形をとりますし、一部は口腔粘膜から血液中に移行します。
それだけではなく、初乳にも多く含まれることがわかっています。
それなりの役割が考えられますが、親から赤ん坊へ渡り歩くという非常にダイナミックな物質です。
EGF は成長因子と呼ばれる物質の中で最も早く発見された物質にも関わらず、paracrine 様式でない点が非常に面白いと思います。 

また、 発売当初副作用問題が新聞でも騒がれたイレッサという抗癌剤があります。
これは EGF 受容体という EGF の刺激を受け取って細胞内に情報を伝える物質の働きを抑えるものです。
他にもいくつかの成長因子の働きを抑える物質が抗癌剤として使われています。
成長因子そのものも再生医療への応用が実践されつつあり大きく期待されていますので、EGF を含め成長因子について色々知っておくのは決して損ではありません。

なお growth factor を直訳して成長因子と言っていますが、 その中心的な役割を考えて「( 細胞 ) 増殖因子」と呼ぼうと提唱する先生もいます。
私は大賛成です。 

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前回の過去記事ウォッチングでは内容に誤りがあって訂正したことをお話しましたが、今度は逆にネット上であちこちに間違いが記載され広がっているという状況を指摘したものをご紹介します。

Bristol.gifそれは宿便について考えるというシリーズ第五回の「ウンチの種類」です。

この中で便の性状を 7つに分類した Bristol stool form scale というものを紹介しました。
この分類がいつ頃発表されたものかを調べてみると、ネット上では
「ブリストル大学のへーリング博士が考案し、1990年の英国の医学誌に発表したもの」という表記があちこちに見受けられます。
私もこの情報を元にして最初の論文を探してみたのですが、なかなかヒットしませんでした。
ようやく見つけた最初の論文を読んでみると、ピンク色で示した情報が全くのデタラメであることがわかりました。
その詳細については「ウンチの種類」に書いてありますのでお読みください。

当ブログで間違いを指摘しているにも関わらず、この後もあちこちのサイト、しかも医療系のサイトでも誤った情報が増殖しているのは悲しい限りです。
コピペでお手軽に作文するのは楽ではありますが、きっちり調べて裏をとる習慣は身につけたいものですね。


正しくは

「Bristol stool form scale は Bristol 大学の O'Donell らが考案し、1990年に BMJ 誌に発表したもの」

ですからね。

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ブログの引っ越しに伴ってアクセスが落ちてしまった過去の記事にスポットを当てる企画。

bpy7lyb3.gif今回は冬季にアクセスが増えることの多かった「予防接種後の入浴について」です。

予防接種の後に入浴することについては特に差し支えないのですが、そう指導するとびっくりされる方がいまだに多いように思います。
疑問に思われる方は、当ブログが始まって間もない2006年に書いたこの記事を読み返してみて下さい。

実はこの記事の内容について、以前某テレビ番組制作会社から問い合わせがあったのです。
私が間違ったことを書いたばかりに混乱させてしまったみたいで申し訳ないことをしたのですが、その点は修正してあります。
誰でもアクセスできる情報に無責任なことは書けないなと肝に銘じた思い出のある記事でもあります。

« 過去記事ウォッチング 1 »


「野口内科 BLOG」を始めて5年を越え、これまで書いた記事も800近くになってきました。
これまでは検索サイトで過去の記事も比較的容易にヒットしていました。
しかしPotika 閉鎖に伴い昨年末にブログの引っ越しを余儀なくされてから検索できなくなってしまったものが相当数に上ります。
ブログの移転をした経験が過去にあったのである程度は予想していたのですが、アクセス数が大幅に落ち込んでしまっている状態です。
多くの方に参考にしていただいていたのに埋もれてしまっては申し訳ないので、過去の記事を振り返って紹介してみる企画をお届けしようと思います。


4c238bc0.gif初回はこれまで最もアクセスが多かった記事。
それは2008年6月に書いた「みぞおちに硬いしこりが・・・」 です。
Googleにて「みぞおち」「しこり」というキーワードで 検索するとかなり上位にヒットしていたのでアクセスが多かったものと思います。
この中で紹介したように誰にでもある剣状突起をしこりと勘違いして不安に思い、外来を訪れる方が後を絶たないので書いたものです。
5回にわたってお届けした心窩部にまつわる話」は、これを一番書きたくて作ったような連載でもあります。
その効果があってか、最近は同じような訴えをされる方がめっきり減ったように思います。 

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