野口内科 BLOG

  鹿児島市武岡にある野口内科です。
  医療に関することはもちろん、近隣の話題や音楽・本のことなどについて綴ってまいります。
    診療時間 午前  9:00〜13:00
         午後 14:30〜18:30
    休診   日曜・祝日・木曜午後
    電話   099−281−7515
    住所   鹿児島市武岡二丁目28−4
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受動喫煙の防止対策を強化・実現するための署名に400名を超える方のご賛同をいただきました。ありがとうございました。

⑥ 医療関係の情報

ピロ本年度から鹿児島県で始まった高校1年生を対象としたピロリ検診で、陽性率は3.7%だったことが先日の地元紙に載っていましたね。
陽性であった生徒のご家庭には既に通知が届いていると思います。
ピロリ菌がいると、将来胃・十二指腸潰瘍や胃がんになる可能性があるため、放置せずに若いうちに除菌するのが望ましいでしょう。

当院は、二次検査以降の受託医療機関として登録しています。
既に問合せもいただいておりますが、除菌を希望される方には、検査・治療の手順や費用についての説明を行ない、資料をお渡ししています。
電話で連絡の上、一度ご来院下さい。
その際は、ご家族の方のみでかまいません。
基本的に自費となります。
胃の症状がある場合、保険診療になりますが、除菌にあたっては内視鏡検査が必要です。
自費と内視鏡検査の加わる3割負担の保険診療を比較すると、後者の方がわずかに高くなります。

当院での検査・治療の流れについては、PDFファイルにまとめましたので、参考にして下さい。

( スマホでは表示されない場合があります )

胃薬先日、胃薬のテプレノンにうつ症状の改善効果が認められたという報告がありました。( → こちら )
テプレノンには、ヒートショックプロテイン ( HSP ) という物質を誘導することが20年以上前から知られており、私も研究室にいる頃に自分の実験系で使ったことがあります。
HSPは熱や細菌感染などでストレスに晒された細胞に発現し、細胞を保護する役割があります。
今回の報告によると、うつ病のマウスの海馬でHSPが減ることに着目してテプレノンを投与したら、うつ症状が改善したそうです。
HSPにはアルツハイマー型認知症への効果も期待されていて、現在治験が行なわれていると思います。( まだ継続しているかどうかは把握していません )

( なお、家の中の急激な温度差で血圧の大きな変動をきたすことを「ヒートショック」と言いますが、あれは医学用語ではないのでご注意を。恐らく建築関係の業界から出てきた言葉。HSPと混同しかねないので本当は使ってほしくないのですが。)


特定の病気に対して使われている既存の薬に、全く別の病気に対しての有効性が見出されるケースがあります。
古くはインフルエンザ薬として開発されたアマンタジンがパーキンソン病にも有効であると分かり、日本ではもっぱらパーキンソン病治療薬として使われてきたのは有名な話。
胃薬関係では、レバミピドがドライアイの治療薬として既に点眼薬が発売されています。
ラフチジンには、ある種の痛みを緩和させる可能性があり、抗癌剤の副作用による舌痛症に対しての治験が現在進行中です。

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じゃある方に麦門冬湯 ( ばくもんどうとう ) を処方したら、「私は小麦アレルギーなのだが大丈夫か」と聞かれました。
「麦」という字が含まれるので気になったのでしょうけど、初めて受けた質問でした。
麦門冬は、植栽などにあちこちで活用されているジャノヒゲ ( リュウノヒゲ )  の根っこ。
主として咳を鎮める作用があります。
知っていたので即座に問題ないと回答できまましたけど、漢方に限らず処方薬の知識はしっかり持っていたいなと改めて感じました。

麦門冬湯は痰が切れにくい咳を目安に処方することが多いのですが、実は唾液や涙の分泌促進作用もあります。
ドライマウスやドライアイに悩む方にも概ね好評です。

なお、甘麦大棗湯 ( かんばくたいそうとう ) には小麦がたっぷり含まれるので、アレルギーのある方には処方できません。
また、半夏白朮天麻湯 ( はんげびゃくじゅつてんまとう ) には麦芽が含まれていますので、場合によっては注意が必要かと思われます。

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マダニに咬まれることで生じる重症熱性血小板減少症 ( SFTS ) の報告が、鹿児島県では2013年から毎年続いており、今年も既に 1例の発症報告があります。

だにSFTS については2015年に一度記事にしています ( → マムシだけでなくマダニにも注意 ) が、最近は造園関係の方などプロの方々は夏場でも草むらに入る時に肌を露出しないように細心の注意を払っているようです。

さて、厚生労働省の「ダニ媒介感染症」というホームページにあるマダニ感染症を啓発するリーフレットがなかなか優秀です。
厚労省のもの ( → こちら ) は1枚に簡潔にまとめられていますし、国立感染症研究所のもの ( → こちら ) はイラストがお役所っぽくない出来栄え
院内掲示に活用してみようと思います。

マダニはすぐに吸血行動に移ることはないようなので、ちょっとでも疑わしい場所に踏み込んだ後は、衣服をパンパンと叩く習慣を付けておくことが大事です。
また、万が一、咬まれたときは無理に引っ張らないこと。
痛いですし,入り込んだ口器だけが皮膚に残ってしまうことが多いようです。
医療機関を受診するのが望ましいですが、裏技を紹介しておきます。
咬んでいるマダニの周囲を少し濡らしてマダニを覆うように塩を盛って5分間待つのです。
そうすると痛みもなくマダニを引き抜くことができるそうですよ。

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 続いているアニサキスの話題  


ここ数日、アニサキスに関するニュースが続いています。
5月8日にアニサキスによる食中毒の報告がここ10年程で20倍以上に激増していること ( → こちら ) が報道されました。
これを受けて、5月10日には芸能人もアニサキス症に罹っていたというもの ( → こちら ) が続きました。
朝のワイドショーでもこのことを報道していましたね。
そしてCNNもアニサキスのことを取り上げています ( → こちら )。


 アニサキスとは 


アニサキスアニサキスはサバやアジ、イカなどの魚介類に寄生している長さが1~3cm台の白っぽく細長い虫で、我々が刺身などで生食することが発症の原因になります。
最も多くアニサキスを抱えているのは最終宿主のクジラですが、さすがに刺身を食べることはないでしょう。
学生時代の医動物学の実習で、買ってきたサバのアニサキスをチェックしたことがありますけど、結構いるんです。
右のイラストは決して大袈裟なものではありません。
あるレストランで出されたサーモンのマリネに1匹見つけたことがあります。
だいぶ弱ってましたけど。

鹿児島では首折れサバの旬の時期にアニサキス症が多い印象です。
私にとって最も印象的だったのは、魚市場から直接買ってきたサバを自分で捌いて生じたアニサキス症で、元気なアニサキスが7匹もいた症例です。
中には体を1cmくらい胃の壁に潜り込ませて尾をグルグル振り回しているものもいました。

でも、ニュースにあるようにアニサキス症が激増している印象は全くありません。
2013年からアニサキス症も保健所への届出対象となったことが大きな要因だと思います。


 アニサキス症の症状は ?


生きたアニサキスが胃壁に食らいつくことで激しい腹痛が起こるものを胃アニサキス症と言います。
飲み込んでも食いつかれなかったり、既に死んでいるものであったりすれば症状が出ないと考えられます。

ただし、過去にアニサキスが消化管に入ってきた既往がある場合、アレルギー症状が出ることがあります。
サバにあたる、という原因の一つがこのアニサキスアレルギーです。
なお、サバにはヒスチジンという成分が多く、これが体内でヒスタミンに変化することで生じるヒスタミン中毒が多いです。

また、胃を通り越して小腸や大腸の壁に食らいつくことがありますが、この場合は診断や治療に難渋するケースが多いです。
私の記憶に間違いがなければ、森繁久彌は腹痛で手術し、その結果小腸アニサキス症と診断されたはずです。


 アニサキス症の治療は ?  


私は内視鏡医なので、アニサキス症を疑った場合は内視鏡を行い、虫体を確認して除去します。
手技としてはそれほど難しいものではありません。
除去した途端に症状は全く消えてしまいます。
これが手っ取り早い治療法ですが、いつでも内視鏡ができるとは限りません。

最近注目されているのは、ステロイドと抗炎症薬による治療。
アニサキス症による腹痛は虫体からの分泌物による局所のアレルギーだと考え、薬の投与で症状緩和がみられたという報告があり、実績を上げています。
病歴からアニサキス症が疑われ、直ちに内視鏡検査ができない場合にはこの方法もありだと思います。

また、漢方薬の安中散の液をアニサキスに振りかけると3時間ほどで死んだり動けなくなったりするという報告があります。
安中散の成分の一つ、茴香 ( ウイキョウ ) にこの作用があることがわかっていますが、キャベジンコーワなど市販の胃薬にも茴香が含まれるものがあります。
でも、市販薬ではアニサキスに対する効果は調べられていないと思いますのであしからず。


 アニサキスの対策やアニサキスの絡んだ話題  


アニサキス対策として刺身などを冷凍するのはとても有効な手段です。
また、2014年に当時の高校生が、サバをワサビやショウガ、料理酒、ウイスキー、醤油に漬け込んだらほぼ100%防虫効果があったという報告を日本寄生虫学会で行い話題を呼びました。
刺身を食べる時のワサビやショウガって案外大事なものなのですね。

生の魚介類を提供する現場では、毛抜きなどを使ってアニサキスを除去するのは日常的だと思います。
肉眼ではちょっとわかりづらいアニサキスを簡単に検出できる装置が開発されていますので、食中毒予防に一役買うのではないかと思います。( → こちら )。

2015年には線虫ががん患者の尿の臭いに集まる習性が発見され、簡便ながんの早期発見法として期待されていましたが、2年後をめどに装置が開発される見込みです。( → こちら )
アニサキスが胃がん部分に食らいついていたのを観察したのがきっかけで線虫の嗅覚に着目し、この検査法の研究につながったとか。
先に紹介した7匹のアニサキス症例でも、ちょっと出血していた場所に何匹かが集中していたように記憶しています。
でもこういう研究の発想に繋げることができないのは、凡人の証しですね。 

本年度から鹿児島県で高校1年生を対象にピロリ検診開始するという話は先月もお伝えしました。
その事業内容についての説明が先週ありました。

大雑把な流れですが、
① 通常行われる学校での健康診断の尿を活用して、県の費用負担でピロリ抗体を調べる。
② この検査で陽性または判定不能であった場合、希望者は自己負担で二次検査を受ける。
③ 二次検査でも陽性であった場合、希望者は自己負担で治療を受ける。

当院も二次検査以降について受託医療機関として登録予定です。
詳細はまた改めて書こうと思います。


除菌説明を聞いて、ちょっと引っかかることがありました。
ピロリ菌除菌を行う理由は、将来の胃・十二指腸潰瘍や胃がんの発生を極力避けることができる可能性が大きいからです。

二次検査や除菌療法を受けたかどうかや、その後の胃の疾患の発生具合などを追跡調査して、この検診は意義があるものなのかを検証する必要があると思います。

しかし、鹿児島県としては一次検査で陽性または判定不能であった生徒に通知するだけで、それ以降は一切関与しないという立場なのです。
そのあたりについて様々な質問が出たのですが、担当者の歯切れの悪いこと。
これはどうやら予算の付き方にありそうだな、と推測しました。
担当者の口から出た「子育て支援、がん教育の一環」というキーワードをヒントにしてみました。

恐らく、国から子育て支援関係の補助金が下りることが決まり、その使途について知恵を絞り、各地で普及しつつある中高生のピロリ検診に活用しようとなったのでしょう。
子育て支援の主旨を逸脱しないように、がん教育の一環という理由付けをして予算が使えるようになったものの、その後のデータ収集までは予算も理由付けもできなかった、ということではないでしょうか。

でも、一次検査での陽性率くらいはデータとして公表すべきでしょう。
高校一年生でのピロリ菌の陽性率を知ることは、がん教育の一環としても大事だと思いますので。

今月、ピロリ菌についての大きなニュースが続きましたのでまとめてみました。

◆ 本年度から鹿児島県で高校1年生を対象にピロリ検診開始

本年度から、鹿児島県の高校1年生を対象としたピロリ菌検査事業が始まります。
医療関係者に対しての説明が近々行われる予定ですので、詳細がわかり次第お知らせします。

日本人の胃がんの9割はピロリ菌感染が原因とされており、早期に除菌を行うと胃がん発症が防げると考えられています。
中高生を対象にしたピロリ菌検診は、市町村単位では2013年に岡山県の真庭市、都道府県単位では2016年に佐賀県が最初に始め、現在では複数の自治体が取り組んでいます。
今回、地元でも始まるわけですが、微力ながらこの検診には積極的に関わって行こうと思っています。

◆ ピロリ菌除菌を妨げる意外な因子

ピロピロリ菌除菌では酸分泌抑制薬と2種類の抗菌薬を組み合わせて服用してもらいますが、全ての人で除菌が成功するわけではありません。
胃酸の分泌抑制が不十分であったり、ピロリ菌自体が抗菌薬に耐性を持っていたりすることがうまくいかない原因と考えられてきました。

しかしつい最近、別の因子が大きく関与していると報告されました。
それは何と食事中のコレステロールやω3多価不飽和脂肪酸。
除菌した人の食事摂取状況を背景因子として解析したらこの2つが浮き上がってきたのです。
これらの摂取量が多いほどピロリ菌の除菌率が低下するという関連性がみられたようですから、今後は除菌の際の食事指導も大事になってくるでしょうね。
日本感染症学会での九州大学からの発表演題なので、論文にまとめていただくことを期待します。

くのーさっきからパソコンに向かって唸っています。
ブログに書くネタがないのです。
3日に1つは書くというノルマを課して10年以上続けてきたので、今日はどうしても書かなきゃ、と妙な強迫観念に駆られています。

毎週毎週、テレビ番組で情報を提供し続けることはとても大変なことだと思います。が‥
2月22日のNHKの番組「ガッテン !」で、ある種の睡眠薬で血糖が改善するというような放送がなされ、物議を醸しました。
翌週の番組冒頭に謝罪を入れましたが、次いで取り上げたコラーゲンについても実験内容に批判が上がっています。
来週の放送でも、虫垂炎の手術をすると大腸がんのリスクが高まる、という内容が含まれているようです。
私もこの情報には注目しましたけど、番組でどのような取り上げ方になるのか・・・。

ネタのない時に、無理して質の低い内容を書いてもしょうがない、無理して書く必要はない。
これからはそうしていこうかな、と思わせる騒動でした。
( 何とか書けた‥ )
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いたい先日、東京マラソンを前にして発信された「安易な服用は危険 レース時の痛み止め」という記事を見つけました。
ロキソニンなどの鎮痛薬 ( 非ステロイド系抗炎症薬 : NSAIDs ) と芍薬甘草湯は、マラソンランナーの間では半ば必需品とみなされている医薬品のようですね。

◆ 腎臓とNSAIDs

NSAIDs はプロスタグランジンという物質の合成を阻害します。
元々、子宮を収縮させる物質として前立腺 ( prostate gland ) から同定されたのでプロスタグランジン ( prostaglandin ) と呼ばれますが、最も豊富に存在する臓器は腎臓。
腎臓においては血流量を維持して水や電解質を調節するのに欠かせない成分なのです。
マラソンのように長い間負荷のかかる運動では、この水や電解質バランスの調節はとても重要な意味を持っています。
また、十分に鍛練していない人で上昇しやすいとされる尿酸や、赤血球・筋組織のダメージも腎臓に負担をかける要因となります。

( 追記 ) 最近の研究で、マラソンレース後に82%の人が一時的に急性腎障害を起こしているという報告がありました。( → こちら )
ただでさえ腎臓に負担がかかっているのに、NSAIDsを服用してプロスタグランジンの合成を抑え、腎臓が本来の働きを発揮できないまま走りつづければどうなるか、語るまでもないでしょう。

◆ 芍薬甘草湯の使い方

芍薬甘草湯は、古くから競輪選手など自転車の世界ではこむら返りの予防として知られた存在でしたが、ランナーにも知られるものになってきたようですね。
事前に服用することで競技中の筋肉の攣りを予防するだけでなく、翌日以降の筋肉の痛み ( 遅発性筋痛 ) も軽減してくれます。
こむら返りが起こってから服用する際には、倍量飲むと一層効果が高まります。
注意したいのは、市販の芍薬甘草湯は医療用に比べて有効成分が半分のものが多いこと。
その点はしっかり確認しておいて下さい。
理論上はカリウム低下を招く恐れがありますので、スポーツドリンクを併せて飲むのがいいのかも知れません。
また、筋肉を弛緩させてパフォーマンスを低下させてしまうのではないかという懸念はありますが、この点はよくわかりません。( ならば、成績が生活に直結する競輪選手は使わないと思うのですが )

◆ 遅発性筋痛に効きそうなある薬

遅発性筋痛に関しては、「ある胃薬」が効く可能性があります。
適応外の使い方になるので薬の名前は伏せておきますが、この論文にヒントが隠されています。( → こちら )
この薬は腎機能への影響がないので、競技中に生じる痛みにも効くならば理想的なのですが、それは試してみないとわかりませんのであしからず。


東京マラソンの翌週、3月5日は鹿児島マラソンがあります。
出場される皆さん、がんばって下さいね。
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すっきり新しい薬に対しては慎重なスタンスをとることが多いのですが、久しぶりに早く使ってみたいなと思う新薬が来月発売されます。
一般名がリナクロチドという便通の改善が期待できるものです。

一般の方が手にしやすい便秘薬としてセンナ系のものがありますが、これはあくまで頓用に留めるべき。
私はまず酸化マグネシウムを使い、これに漢方薬や坐薬、液体のピコスルファートを加えていく方法をとっています。
ルビプロストンという薬も時々処方しますが、便秘薬としては薬価が高すぎるのが難点です。

ほとんど問題ないとはいえ、これらの薬には副作用が付きまといますが、リナクロチドには副作用がほとんどないようです。
14個のアミノ酸ががっちりと組み合った構造をしていて、体内に吸収されない上、最終分解産物も小ペプチドやアミノ酸なのでかなり安心です。

最初は過敏性腸症候群 ( IBS-C ) という疾患にのみ使えるのですが、半年程すると一般的な便秘にも使えるようになると聞いています。
ここにメーカーの戦略が見て取れる気がします。
現在、IBS-C に適応のある薬剤が全くないので、画期的な新薬というイメージを持たせることができます。
私自身、IBS-C に対しては漢方薬と酸化マグネシウムを組み合わせて治療することが多いのですが、単剤で治療出来ればそれに越したことはありません。
また、一般的な便秘に対しての適応を最初から取ると薬価を低く抑えられてしまう懸念があるはずです。
実際に決まった薬価は92.4円で、これを1日に2錠使うので1日薬価としては184.8円になります。
1日300円を超えるルビプロストンに比べると高くはないけど、安くもないといった感じですね。
でも、裏技が使えそうな気もします。
この薬は食後に服用すると下痢の副作用が多くみられるため、食前に服用することになっています。
ということは、1日1錠だけを食後に飲むのもありなんじゃないかと思うわけですが。

当ブログでは、これまで便秘薬などについていくつか書いてきましたのでご参考までに。

 ■ ニガリダイエットの正体
 ■ 男女の違い その2
 ■ 過敏性腸症候群の治療薬
 ■ 酸化マグネシウム錠剤の比較
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さむ今月半ばの地元の新聞紙に、鹿児島県内で2016年に起きた入浴突然死が180人いたと報道されました。
1月から3月にかけてと12月に多く、65歳以上が85.6%、独居の方が自宅で亡くなるケースが多いことなどがデータから見て取れます。
ちなみに、2016年の鹿児島県での交通事故死亡者数は65人ですから、かなり多いことがわかると思います。

気温の大きな変化で血圧が急変することを「ヒートショック」と呼ぶようになってきました。
この和製英語、私には違和感があります。
詳しいことは省略しますが、heat shock protein などの医学用語を連想してしまうのです。
ま、何はともあれ、寒い日が続いていますので、入浴時のこのような悲劇を招かないためのポイントをまとめてみましたのでご参考に。

・脱衣所にストーブなどを用意し暖めておく
・浴槽のお湯張りはシャワーを使う (浴室が少し暖まります)
・浴槽の蓋を開けておき、浴室の床や壁もシャワーで暖める
・食事前、日没前に入浴 (食後や飲酒後・睡眠薬服用後は避ける)
・お湯の設定温度は41℃以下に
・浴槽への出入りはゆっくりと
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日本漢字能力検定協会による年末恒例の「今年の漢字」。
今回は「」でしたね。
一方、ある医療系のサイトで「医師が選ぶ今年の漢字」という募集があって、そこで選ばれたのは「」でした。( → こちら )

へろろ今年ほど薬剤の価格に注目が集まった年はないと思います。
米国ではダラプリムという薬の価格が一気に55倍も値上げされ、大統領選でも議論されました。
日本ではニボルマブ ( オプジーボ ) などの高薬価の薬剤がクローズアップされ、原則 2年に一度だった薬価改定を毎年にする方針を政府が推し進めようとしています。

我々が処方する薬の値段は、新薬として登場以降は基本的にどんどん切り下げられていきます。
卸が医療機関に納入する金額を定期的に調査して2年ごとに改定していくのですが、そこで奇妙な現象が起きてきます。
一つの薬を複数のメーカーが異なる名称で販売する日本独特の商習慣である「一物二名称」。
例えば糖尿病治療薬であるシタグリプチンには「ジャヌビア」「グラクティブ」がありますが、現在前者の50mgの薬価が136.50円に対して後者は138.20円です。
前者の実勢納入価が安かったということですね。
また、降圧薬であるアジルサルタン ( アジルバ ) 20mgの薬価は139.8円。
このアジルサルタンにアムロジピンという成分を加えた「ザクラス配合錠」という合剤があります。
アムロジピンの用量が2.5mgと5mgの2種類の品揃えなのですが、その合剤の薬価はいずれも131.6円なのです。
加えられているアムロジピンの量が異なるのに薬価は同じで、しかも単剤のアジルサルタンより安くなっているというややこしい状況を呈しています。

古くからある薬でも、ウルソデオキシコール酸やスクラルファートのように評価が衰えないものもあります。
機械的に薬価を下げていくばかりではなく、医療の現場で高く評価されている薬剤については相応の値付けをする仕組みがあってしかるべきだと思うのですが。
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ワクチンテレビの影響は大きいものです。
インフルエンザの流行が早いとの報道に、ワクチン接種を希望される方が急に増えています。
また、午前中の接種が効果的との情報も流れたようで、実際に午前中に来られる方が例年になく多いですね。

午前中の予防接種に関する研究報告が、今年相次ぎました。
まず、インフルエンザワクチンを65歳以上の高齢者を午前と午後に注射するグループに分けて打ったところ、午前のグループで抗体の上昇が大きかった、というイギリスからの報告。( → こちら )
そして、大阪大学からマウスを使った研究報告。
マウスは夜行性なので、交感神経の活動の高まる夜間にワクチンを打った方が免疫応答が強かったというものです。( → こちら )

このように複数の報告があると、午前中に予防接種を受けたくなりますよね。
でも注意点もありそうです。
例えば、前者では65歳未満でも同様の結果が得られるのかどうか‥。
後者では、生活スタイルの違うマウスでの結果から本当にヒトでは日中が効果的と言えるのか、ワクチンの種類は問わないのか‥。
私は普段から論文の報告を額面通りに受け止めないようにしていますので、そういう疑問をはさみたくなります。
そう言いながら、午前中にワクチン接種を受けた私でした。

インフルエンザワクチンの接種はお早めに。

学生時代に東北を旅行したことがあります。
その際に、先の台風10号で大きな被害を受けた岩泉町や久慈市なども訪れており、心を痛めています。
お見舞いを申し上げます。

岩泉町の面積は992.36㎢あり、東京23区の1.6倍、鹿児島市の1.8倍と、とてつもなく大きな町ですが、人口はわずか1万人程。
最近の天気は同じエリア内でも状況が大きく違うことがあります。
人口が少ない分、広い町内をカバーするだけの十分な防災担当者がいたかどうか、そして慣れない台風に正しい判断を下すことができたか、難しい問題です。

ハチまた、先日はマラソン大会中に参加者が115人もスズメバチに襲われるというニュースもありました。
こういう大会ではメディカルスタッフも揃えていると思いますが、一度にこれだけの人のケアをすることは想定していないと思います。

たとえ体制を整えていても、短時間での急な状況の変化や多くの人がいっぺんに巻き込まれるトラブルには対応できない場面が出てくるものだな、と改めて思った次第。
人任せではなく個人がしっかり対応するという能力が日本人には少し欠けている気がしてなりません。
日々の事件や事故の報道をただ聞き流すだけではなく、学び取って普段の行動に活かしたいものです。
 
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ハンドソープ米国では米食品医薬品局 ( FDA ) が9月2日に出したお触れにより、トリクロサンやトリクロカルバンなどの抗菌物質を含む薬用石けんなどの販売が禁止となりました。( → 参考 )

FDAはトリクロサンを安全な物質と定めていたのですが、様々な問題点 ( 腸内細菌叢の変化・妊娠中の暴露で乳児の成長遅延・環境汚染・乳がん細胞の促進等々 ) が指摘されるようになり、2013年末に使用規制強化に乗り出していました。
それでFDAが各メーカーに普通の石けんと比べて健康的であるかどうかのデータ提出を各メーカーに求めていたのですが、結果を伴わなかったようですね。

欧州ではこれに先んじて昨年夏に使用禁止となっています。
日本は一体どう対応するのでしょう。

さて、6月にはこんなニュースもありました。
見出しは「図書館ノ本消毒シマス」。
「本の汚れや雑菌、においが気になる」として図書館で本の消毒器の設置が進んでおり、親が子供に「安心して本を読ませられる」と好評なんだとか。
本をしっかり読んで知識を持っていれば、昨今の過剰な抗菌ブームを笑い飛ばせるはずで、こんな反応をする親が子供に対して何を示せるのでしょうね。
 
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飲水とても暑い日が続いています。
昨日は大分県の日田市で38.2℃を記録したとか。
熱中症には十分に気をつけていただきたいと思います。
熱中症の原因と対策については9年前に書いていますのでそちらを参考にしていただきたいのですが ( → 熱中症に十分ご注意を ) 、水分だけでなく塩分もしっかり摂ってくださいね。

さて、水分摂取を話題にしたついでに。
脳梗塞や心筋梗塞に罹り、医師から水をたくさん飲むように指導された経験がある方もいらっしゃることでしょう。
血液の粘性を下げて再発を予防しようという考えがあるのかも知れませんが、これに根拠はありません。
それどころか、2007年に日本の泌尿器科医が、水を過剰に飲んでも血液の粘稠度に影響はなく、排尿回数が増えるだけという報告をしています。 ( → こちら )
この報告の中では検証されていませんが、電解質バランスを崩す懸念もあります。
実際、この間違った指導を遵守して低ナトリウム血症を来たした症例を複数診ています。
いずれも体のだるさを自覚する程度で済んでいましたが、再発を恐れて水分摂取量をかたくなに変えようとしない人もいます。
水をたくさん飲んでも血はサラサラにならないということを理解していただくのには苦労します。
のどが渇いたときに我慢せずに必要なだけ摂る、それでいいのではないでしょうか。

熱中症予防においても、水だけの過剰摂取にならないように気をつけましょう。

「ヨードそのものを靜脈内に應用し完全に殺菌的特性を發揮する製劑」・・・!!

調べ物をしていて、たまたまたどり着いたサイトに面白いものがありました。
戦前の医薬品の広告を写真で紹介しているブログです。( → こちら 写真の原典も)
昭和2年 (1927年) の雑誌に掲載されていた広告なのですが、見ているだけでワクワクします。
最近まで売られていた咳止め、フスタギンの名前も見受けられますが、気になるのは結核や淋病、腸チフス・赤痢に対する薬が売られているということです。
抗生物質であるペニシリンが発見されたのが翌年の1928年で、それが実用化されたのは1942年のことですから、どういう知見を元にして商品となっていたのか興味を持ちました。

Specijodこの中で冒頭に宣伝文句を挙げた「殺菌力強大なる特殊ヨード剤」という注射薬スペチヨードが、塩野義製薬の前身である塩野義商店から発売されていたようなので、塩野義製薬に問合せしてみました。
そこで得られた回答は、社史に昭和2年に発売されているという記載があるのみで詳細はわかりません、というものでした。
どのくらい効果があったのか、いつまで売られていたものなのか、知りたいところではありましたが‥。

右の写真はクリックすると拡大するのでご覧下さい。
ヨードチンキは「沃度丁幾」と漢字表記していたことは勉強になりましたが、「殺菌消毒力顯著にして静脈内注射をなし得」「多量に靜脈内に注射するも副作用無し」「應用廣く効力確實なり」という特徴、本当なのでしょうか。
ヨードアレルギーはなかったのでしょうか。
興味が尽きません。

薬の歴史、調べてみると本当に面白いですよ。
機会がありましたらまたブログに書いてみますね。
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薬私が風邪に抗菌薬 ( 抗生物質) を処方しなくなって久しくなります。
医者になりたての頃、先輩医師から「ウイルス感染でも二次感染を予防する意味がある」と教えられ、それを信じて抵抗感なく処方していた時代もありました。
でもそれは「もしものため」という、医学的には全く根拠に乏しいものでした。

世界的に抗菌薬の不必要な処方が問題となっています。
我が国でも伊勢志摩サミットに先んじて、2020年までに風邪への抗生物質処方を規制するなどして使用量を現在の3分の2に減らそう、という行動計画を公表しました。
先月には、東日本大震災の際に避難所で被災者に処方された抗菌薬の9割は不必要なものであったことが報告されています。

つい最近「フロモックス錠100mgが効かないのはなぜ ?」という記事がネット上に登場しました。
フロモックスに限らずメイアクトやセフゾンなど第三世代経口セフェムと呼ばれる抗菌薬が、ほとんど体内に吸収されない薬剤であることが書かれています。
最後には「フロモックスばかり出す医者は要注意」という項目があり、念のためという安易な発想でしかも感染部位には届くことのない薬を処方する医師をやんわりと咎めています。

「患者への抗菌薬は医者にとっての抗不安薬」などと揶揄されることもあります。
そういう長年の慣習からか、風邪に抗菌薬を処方しないと「私の風邪は抗菌薬ですぐ治るのに」と一部の患者さんから怒られる場合もあります。
しかし、私はウイルス感染には抗菌薬を出しませんし、仮に細菌感染であっても人間の体はそんなに柔なものじゃなく大抵自然に治ってしまうことを知っています。
細菌感染がわかって抗菌薬が必要な場合でも、第三世代経口セフェムの名を処方箋に書くことはありません。
随分前から抗菌薬は適正に使っているつもりなので、20年度までに更に3分の2に減らすのはちょっと無理な話ですが‥。
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痛い九州南部の梅雨入りが本日発表されました。
明日以降しばらく雨は降らない予報なのですが、発表のタイミングというのは難しいのでしょうね。

さて、梅雨時に頭痛がひどくなるという方がいらっしゃいます。
市販の頭痛薬で済ましてしまう方も多いと思いますが、中には「アリルイソプロピルアセチル尿素」という注意すべき成分が含まれている物もあります。
新セデス錠・ロキソニンSプレミアム錠・イブクイック頭痛薬DX・ノーシンピュア・バファリンプラスS等がそうですが、我々の処方するSG顆粒にも含まれています。
実はこの成分、習慣性があることや副作用の観点から海外では使われていないのです。
繰返し使っていると依存性を生じ、乱用してしまう危険性を孕んでいますので、安易な使用は是非とも避けたいところです。
( 日本の製薬会社はこの成分の依存性を利用して薬をたくさん消費してもらおうと企んでいるのでは、と勘ぐりたくなるんですけどね。)

頭痛には様々な種類があり、それを見極めて乱用に繋がらないように薬を適切に選んでいく必要があります。
ちなみに、梅雨など天候がからむ頭痛には五苓散という漢方薬が効果を発揮することが多いです。
慢性的な頭痛にお悩みの方は一度ご相談くださいね。

今月は近隣の小学校や幼稚園などの検診シーズン。
慌ただしいスケジュールで担当している4つの施設を回ります。
診療時間を削ることになるため、外来受診される方にはご迷惑をおかけしましたが無事に終了いたしました。
ご協力ありがとうございました。

芋さて、今朝の新聞に「芋焼酎に血糖値抑制効果」という記事が載っていました。
夕食前に水・ビール・清酒・芋焼酎を飲んでもらい、食前と食後の血糖値の変化をみたというもの。
食後1時間で食前に比べ、水は+40mg/dℓ、ビールは+90mg/dℓ 上昇したのに対し、芋焼酎では+10mg/dℓ に留まったというのです。
報告された論文がありますので、こちらを参照してください。( → こちら )。
この研究で使用したのはあくまで「芋」焼酎ですからご注意を。

研究に関わった教授、実は私の神戸大学時代の医局の先輩にあたります。
どういう因果か、鹿児島でまたお世話になっています。
どの銘柄の焼酎で調べたのか、今度聞いておきます。
 
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