野口内科 BLOG

  野口内科は鹿児島市武岡に開業して46年を迎えました。
  当ブログでは、当院からのお知らせ、医療・健康に関する情報の他に、近隣の話題、音楽・本のこと等を綴ってまいります。

    診療時間 午前  9:00〜13:00
         午後 14:30〜18:00 (金曜は〜18:30)
    休診   日曜・祝日・木曜午後
    電話   099−281−7515
    住所   鹿児島市武岡二丁目28−4
    院長   野口 仁

         ▶▶▶ アクセスMAP
         ▶▶▶ バス路線図

⑥ 医療関係の情報

ビタミンB群の過剰摂取による弊害についての報告が続きました。
まだしっかり読み込めていない部分があるので、簡単にだけ紹介しておきます。


ビタミンB1まず、ビタミンB1 ( チアミン ) について。
高齢者において、食事によるビタミンB1の摂取量が少なくても多過ぎても認知症のリスクになるという報告がありました。
ビタミンB1にコリンエステラーゼ活性の阻害作用があり、脳内のアセチルコリン濃度が高くなることが一因ではないかとしています。


次に、ビタミンB3 ( ナイアシン ) について。
ビタミンB3の代謝産物である4PYという物質が、血管の炎症を引き起こし、時間と共に動脈硬化を引き起こす可能性があり、心疾患に繋がるという報告がありました。


ビタミンB群はビタミンCと同様、体に十分な量がある時は尿に排泄されるので、過剰による悪影響は受けにくいとされてきました。
ここにきて、いろんな悪材料が出てきているのは気掛かりですね。

♦♦♦♦♦

ほとんどの方はビタミンに悪いイメージを持っていないと思いますが、私は医者1年目にビタミン剤の点滴でアナフィラキシーショックを起こして死亡した症例を診ています。
新型コロナウイルスワクチンの際に、聞きなれない副反応として嫌がる人もいましたが、ビタミン剤であってもアナフィラキシーショックの原因になり得るのです。
疲労回復があるなどとして「ニンニク注射」という名称でビタミン剤入りの静脈注射を自由診療で受けている人もいると思います。
しかし、生命に関わる副作用も潜んでいることも知っておいてもらいたいと思います。

薬日本では、病院で処方する薬の価格を国が決めています。
このところ、4月になると毎年のように薬価の見直しが行われています。
世の中の物価がどんどん上がっているのに、それに逆行するようにほとんどの薬が安くなります。
製造コストに見合わない薬価になってしまう薬も増えているようで、ジェネリックメーカーが販売を中止してしまう品目も続出しています。

当院では院内処方を基本としていますが、全く入手できなくなるジェネリック医薬品が複数あり、先発品に戻さざるを得ない状況です。
先日は、温湿布が軒並み製造を中止するという知らせがあり、採用する製品を変える必要に迫られています。
国はこの事態をどう考えているのでしょうか。

臨床で実績があり、たくさんの人に恩恵をもたらしてきた薬も多いです。
そういう薬を正しく評価せず、来年度以降も薬価を下げることを国が至上命題とする姿勢を崩さないのであれば、治せる病気も治せなくなる可能性すら出てきます。
国民の健康よりも、医療費抑制が最優先なのでしょうか。

速歩き私は父親譲りで歩くスピードが速いです。
みんなと一緒に歩くということができずにいつもマイペースで歩くので、道の先で待っては進み、待っては進み、ということを繰返すのが常。
試しに遅い人を壁にして最後尾を歩くと、ペースを合わせることができずに前の人のかかとを蹴飛ばしてしまいます。

昨年末に、歩く速度が速い人は糖尿病になりにくいというデータが出ました。
時速4km以上で歩くとリスクが低下し、速度が1km上がる毎に9%ずつ下がるそうです。( → こちら )


糖尿病の方の運動指導をする際に、速足を時折混ぜることを勧めています。
最初から最後まで速歩が無理な方でも、一つの電柱と電柱の間だけ速足で歩いてはマイペースに戻すというのを何回か繰返すのです。
運動にかける時間や距離が一緒でも、糖尿病などには高い効果が得られることも報告されています。( → こちら )

これから徐々に暖かくなって運動しやすい季節を迎えます。
この春は、糖尿病の有無にかかわらず速歩きに是非挑戦してみて下さい。 

先日、マイナンバーカードの健康保険証利用 ( 以下、マイナ保険証 ) の利用率が低迷しているというニュースがありました。
2023年の12月でわずか4.29%で、8ヶ月連続で低下という内容でした。
更に、11月の国家公務員の使用状況も公表されていて、最も高い総務省・管轄の厚労省・最も低い防衛省でそれぞれ、6.26%・4.88%・2.50%という結果です。
惨憺たるものですね。

当院では毎月の統計はとっていません。
唯一2023年10月にデータを取ってみましたが、使用率は
約12%でした。
今回のニュースで取り上げられた月とは異なりますが、かなりの高使用率ということになりすね。

オンライン資格確認マイナンバーカードを使ったオンライン資格確認にさほどメリットは感じていません。
この元日に起こった能登半島地震では、停電による情報読み取りの問題もありました。
そもそも大規模災害時には保険証がなくても氏名や勤務先事業者名がわかれば保険適用がなされるのです。
緊急時にマイナンバーカードを携行するかどうかもわかりませんしね。

それでも、この秋に紙の保険証は廃止する方針は変わっていませんので、今のうちからマイナンバーカードを使う練習をしておきましょう。
そんなに難しい手順ではありませんし、わからない時はスタッフが手順を丁寧に説明させていただきます。

かぜここ1ヶ月ほどのかぜ症状外来 ( 旧発熱外来 ) の状況についてです。

対応させていただく数はやや減っていますが、A型インフルエンザ、B型インフルエンザ、COVID-19 ( 新型コロナウイルス感染症 ) がほぼ同じ割合です。
症状からだけでは、この「A・B・C」の区別は難しいです。
熱がなくても、鼻水だけ・関節痛だけという方を調べてみると、いずれかが陽性という事例も続いています。

2月と3月は、特定健診を受ける方が増える時期で多くの方が来院されます。
院内での感染症の伝搬を防ぐためにも、かぜ症状で受診を希望される方は必ず、電話でご相談下さい。

相変わらず、風邪の治療薬の供給不足が続いており、特に麻黄湯は3ヶ月近く入荷されていません。
小青竜湯は花粉症の時期に最もよく使うのですが、これも品不足が続いています。
受診されても効果の高い治療薬が選択できないのは非常に心苦しいですが、ご理解の程よろしくお願いいたします。

かぜ症状外来 ( 旧発熱外来 ) で対応させていただく症例が増えてきています。
インフルエンザがほとんどだった12月までとは打って変わって、今年に入って新型コロナウイルス感染症の方が急増しています。

発熱当ブログの記事の中で、「JN.1」という株が世界各地で流行し、日本でも検出例が増えていることを何度かお伝えしてきました。
年末年始や成人の日の連休等で人流の増える時期を前に危惧を伝えたつもりだったのですが、新たな流行の波が現実のものとなりつつあります。

問題なのは、検査キットと治療薬の不足です。
入手困難な状況が続いており、このまま行くと検査したくても検査できない・治療したくても治療できないという事態も起りかねません。

新型コロナウイルス感染症は流行初期のような重症化例は随分減りましたし、様々な場面で規制が緩くなってきています。
しかし、罹患された方は数日間とはいえ辛い思いをしますし、職場や仕事を休まざるを得なくなります。
手洗いやマスク着用など、コロナ禍で学んだ感染防御のノウハウを今一度思い出していただきたいと思います。

12月なのに比較的温かい日が続いているものの、鹿児島では17日から極端に冷え込む日が続くようです。

マスクして咳連日、かぜ症状外来 ( 旧発熱外来 ) で多忙を極めております。
最近はほとんどがインフルエンザの症例ですが、新型コロナウイルスに罹患される方もちらほら散見される状況です。

現在、風邪の諸症状に有効な薬が入手困難となっております。
これに加え、インフルエンザや新型コロナウイルスの検査キットも出荷制限がかかっている状態です。
このままいくと、12月の下旬には検査ができない可能性も想定されます。

コロナ禍の最中は当たり前だったマスク着用や三密回避、そしてワクチン接種などを励行しない人も増えています。
小児では溶連菌感染やプール熱が増えているという報告も聞きますし、ヨーロッパや韓国では百日咳が流行り出しているようです。

この先、検査もできない・治療薬もないという事態が生じると、我々も手だてを講じることができません。
当院ではインフルエンザワクチンの在庫がまだありますので、ご希望の方は早めに受けていただきたいと思います。
また、基本的な感染対策は続けていただきたいと思います。

医療系のニュースをチェックしていたら、ナスのヘタから抽出された物質に子宮頸癌細胞への抗腫瘍効果があるという報告を見つけました。( → こちら )

ナス9-oxo-octadecadienoic acid という物質を子宮頸癌の細胞株に投与したり、マウスの実験モデルに投与して、その抗腫瘍効果を確認しています。

なぜ、ナスのヘタに着目したのかというと、昔から民間でナスのヘタをイボの治療に使ってきたという点にあるようです。
尋常性疣贅 ( じんじょうせいゆうぜい ) と呼ばれるイボはヒトパピローマウイルス ( HPV ) の感染によって起こります。
子宮頸癌の原因もHPVなので、検討を進めていったようです。

ちなみに、HPVは型が200種類以上あり、尋常性疣贅と子宮頸癌の原因となる型は全く異なります。
尋常性疣贅は液体窒素で凍らせて除去するというのが治療の主流ですが、ナスのヘタも試してみるのも面白いかも知れません。
時を同じくして、インドから尋常性疣贅の治療にMMRワクチンを使って6割の治療効果があったという報告がありました。( → こちら )
詳しくは、記事を参照してください。

♦♦♦♦♦

ヘタといえば、柿のヘタしゃっくりに対して民間療法で使われてきました。
乾燥させた柿のヘタ ( 柿蒂 ) を煎じて飲むと、しつこいしゃっくりが落ち着く可能性があるようです。
こちらに関しては、有効成分や作用機序などは未解明。
今回のナスのヘタのように、科学的に検証してほしいものですね。

ワクチンの予約10月13日の当ブログで、11月13日以降の新型コロナウイルスワクチンの予約についての見通しをお知らせしましたが、予定より早く11月13日から12月2日の3週間分についての予約が可能となりました。


当院での新型コロナウイルス接種ご希望の方は、
鹿児島市のコールセンター及び予約受付システムのサイトを介して予約してください。
当院での直接の予約はできませんのでご了承下さい。

★ コールセンターの電話番号は  099-833-9567

★ 予約受付システムのサイトは → ( こちら )

ワクチンの予約新型コロナワクチン ( オミクロン株XBB1.5対応 ) の「秋開始接種」について、多くの方から当院の予約が取れないという話を聞きました。
先のブログでもお知らせした通り、政府が確保したワクチン数が少ないことが影響していました。


先日、11月13日以降のワクチン配布数が示され、1週間当りこれまでの倍の予約枠が設定できることになりました。
11月13日以降の予約はあと10日から2週間後くらいから受付ができるものと思います。


当院で接種ご希望の方は、もうしばらく経ってから
鹿児島市のコールセンター及び予約受付システムのサイトを介して予約してください。
当院での直接の予約はできませんのでご了承下さい。

★ コールセンターの電話番号は  099-833-9567

★ 予約受付システムのサイトは → ( こちら )

10月に入り、朝晩がようやく涼しく感じられるようになりましたね。

当院の発熱外来対応数が、このところ減少しています。
新型コロナウイルス感染症の方が減っていますが、インフルエンザは逆に増加傾向にあります。


臨床症状からどちらかを区別することは難しいのですが、

 ◎ 新型コロナウイルスでは咽頭痛を中心とした上気道症状が先行し、少し遅れて発熱がみられる
 ◎ 熱がいきなり出るのと同時に頭痛や関節痛等がみられ、咽頭痛はあまり多くない

といった違いがある印象です。

発熱また、新型コロナウイルス感染症では少々が出てから半日もすると抗原検査で陽性になるケースが多いですが、インフルエンザだと半日では検査で陽性にならないケースがあります。


連休があり、鹿児島国体が始まって、人の流れが活発になると思います。
来週以降で再び発熱を訴える方が多くなる可能性があります。
治療薬の流通も逼迫していますので、ウイルスに晒される状況を極力避ける行動をお願いします。 

9月20日から、新型コロナワクチン ( オミクロン株XBB1.5対応 ) の「秋開始接種」事業が始まります。

今回は生後6ヶ月以上の全ての人が接種対象となります。
春開始接種で5月上旬に接種された方には、接種券が届き始めています。

ワクチン予約注意していただきたいのは、春開始接種の時よりも接種対象者が増えているのに、ワクチンの量が3分の1程度しか配布されないことです。
この点については十分に気をつけて下さい。


当院での接種開始も9月20日からとなっています。




当院でワクチン接種をご希望の方は、
鹿児島市のコールセンター及び予約受付システムのサイトを介して予約
してください。
当院での直接の予約はできませんのでご了承下さい。

★ コールセンターの電話番号は  099-833-9567

★ 予約受付システムのサイトは → ( こちら )

健康を維持するのに役立つとしていつの間にか広まったスムージー
でも、問題点もあって、決して褒められたものではないのです。

♦♦♦♦♦
スムージー
スムージーでは食物線維を効率的にたくさん摂取できると流布されていますが、以前から指摘されていたのは、野菜や果物をミキサーにかけるため食物線維がずたずたになってしまうデメリットです。

食物線維は、消化管内での食べ物の移動速度や小腸での栄養吸収を遅くする作用があるとされています。
血糖の上昇を穏やかにするという食物線維の大事な役割がミキサーで粉砕されることで損なわれてしまい、食後の血糖の急上昇をきたしやすいのです。

( 参考 ) 「果物はヘルシー」というイメージは大間違い…「朝食にスムージー」が科学的に危険といえるワケ

♦♦♦♦♦

最近、ポリフェノールオキシダーゼ ( PPO ) に着目した報告がありました。
PPOは、バナナを剥いたりリンゴを切ったりした後に表面が褐色に変わる際に作用する酵素として知られています。

PPOの活性が高いバナナと活性の低いミックスベリーのスムージーを作って飲んで、ポリフェノールの一種フラバノールの血中濃度を比較したところ、前者では後者よりも84%低かったというものです。
スムージーにすると、PPOが細胞外に逸脱して活性化してしまい、せっかくのポリフェノールを台無しにしてしまっている可能性を示唆するものになります。

( 参考 ) フルーツスムージーから最大限の健康上のメリットを得る



野菜も果物も、ジュースやスムージーにするのではなく、そのままの形で摂取することを心がけてみましょう。

米国には、野球・バスケットボール・アメリカンフットボール・アイスホッケーの 4大プロスポーツがあります。

アイスホッケーこれらのチームの本拠地では、
試合開催期にインフルエンザによる死亡者数が 4 ~ 26% 増加するという研究報告がありました。( → プロスポーツチームを誘致した都市でインフルエンザによる死亡者数が増加 )
最も影響が少なかったのがメジャーリーグ、逆に影響が大きかったのがナショナルホッケーリーグだったようです。

野球は冬季には実施しませんし、野球場は基本的に開放空間です。
一方のアイスホッケーは冬季が中心で、本拠地も寒冷地に多く、閉鎖空間での試合です。
この差が出たのでしょうね。
今回はインフルエンザを対象に調査したものですが、新型コロナウイルスに対する行動制限がなくなったこの先は、他の感染症についても調べてほしいものです。

さて、この時期になぜインフルエンザを話題にしたかというと、このお盆休みに開催したとある同窓会の参加者に多数のインフルエンザが発生したという話を聞いたからです。
インフルエンザは夏場でも侮れない疾患となってきました。

鹿児島では、鹿児島ユナイテッドFCの観客動員数がJ3でトップクラスですし、バスケットボールB3リーグの鹿児島レブナイズも観客数を増やしつつあります。
プロスポーツの応援に限らず人の大勢集まるイベントでは、感染症にも留意しつつ楽しみましょう。

台風6号で飛行機や新幹線がストップして帰省の足に影響が出た反動で、鹿児島に戻る人たちが集中した8月10日の午後以降、鹿児島中央駅付近の道路の混雑が半端ではなく、そのあおりで武岡から鹿児島中央駅西口を結ぶ常盤トンネルも大渋滞していました。

渋滞

これまでの経験上、台風で人流が止まった後は新型コロナの罹患数が減る傾向が出ます。
鹿児島は5月以降、ずっと増え続けていた定点把握の患者数が、3日前の発表で初めて減少に転じていました。
発熱外来の対応も少しは楽になるのではないかと期待していました。
でも、鹿児島中央駅周辺の状況をみると、増加傾向にある他の地域からのウイルス持ち込みでまた増えてしまうのではないでしょうか。

また、鹿児島ではまだインフルエンザが流行っていますので、他地域への拡散も懸念されます。

行動制限が解除されて初めてのお盆休みですが、この休みの間の過ごし方には十分気をつけていただきたいと思います。 

↑このページのトップヘ