野口内科 BLOG

  野口内科は鹿児島市武岡に開業して46年を迎えました。
  当ブログでは、当院からのお知らせ、医療・健康に関する情報の他に、近隣の話題、音楽・本のこと等を綴ってまいります。

    診療時間 午前  9:00〜13:00
         午後 14:30〜18:00 (金曜は〜18:30)
    休診   日曜・祝日・木曜午後
    電話   099−281−7515
    住所   鹿児島市武岡二丁目28−4
    院長   野口 仁

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         ▶▶▶ バス路線図

⑥ 医療関係の情報

新型コロナワクチンの3回目の接種事業が進行中でが、割り当てられるファイザー製のワクチンの数が少ないため、当院の予約は1ヶ月以上先まで埋まっている状況です。

当院スタッフは2月中に3回の接種を終え、おおよそ1ヶ月経った時点で抗体価をチェックしました。
2回目接種後約3週間の抗体価 ( → こちら ) と、2回目接種後6ヶ月の抗体価 ( → こちら ) 。
これまで同様、富士レビオのSARS-COV 2 IgG S 試薬を用いています。
結果は下の表の通りとなっています。

スクリーンショット 2022-03-04 23.05.21


抗体価の単位は ( AU / mL ) 。
「抗体価 2-1」は2回目接種約3週間後、「抗体価 2-6」は2回目接種約6ヶ月後、「抗体価 3-1」は3回目接種約4週間後の数値です。
「増加率」は「抗体価 2-1」から「抗体価 3-1」が何倍増えたかをみたものです。

2回目の接種後と比較すると、3回目接種後は全員の抗体価が増えています。
増加率は約2.倍から約5.8倍と個人差が大きくなりました。

3回目の接種後6ヶ月の時点でも、検査を行って報告する予定としております。

新型コロナワクチン3回目の予約と接種を進めています。
当院の現時点での予約状況ですが、既に3月25日あたりまで枠が埋まってしまっています。
4月に入るとワクチン配分量が大幅に減るため、あっという間にゴールデンウイーク前くらいまでの枠が埋まってしまう可能性があります。

早めに接種をご希望の方は、鹿児島市新型コロナワクチンコールセンターを介して他施設での接種予約、または鹿児島県の開設した接種会場の活用をご検討下さい。

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集団接種先日、鹿児島市が鴨池の中央保健センターに設置している集団接種会場に出向してきました。
平日は1日あたり200名以上に接種できる体制なのですが、集まったのは150名ほどでした。
扱っているのがモデルナ製ということがあるのでしょうか。
モデルナ製は1瓶から少なくとも15名分接種が可能ですが、毎日数名分のワクチンが廃棄になってしまっているようです。

様々な報道から、副反応を懸念しているものと思いますが、発熱や疼痛などの副反応の種類にファィザー製と差があるわけではなく、その頻度が異なるだけです。
モデルナ製の方が効きや持続が若干良く、デルタ株流行時のブレークスルー感染もファイザー製より少なかったことが分かっています。
接種後の短期間で生じる副反応を乗り切れば、その後の展開が違ってくると思います。


《 お願い 
ワクチン接種には肩を出しやすい服装で来院して頂くよう予約時にお伝えしております。
寒さ厳しい季節ではありますが、スムーズな接種が出来るようにご協力をお願いいたします。

先週開かれた日本消化管学会で、2020年は2019年に比べてヘリコバクター・ピロリ菌の除菌者数が4割減ったという発表が順天堂大学からありました。

COVID-19 ( 新型コロナ )  流行による病院受診控えや健康診断の自粛要請などが大きく影響したようです。
ピロリ菌除菌は100%成功するわけではないので、時間を置いて除菌判定をしなくてはなりませんが、判定を受けない方も8.8%から16.2%と倍近くに跳ね上がったようです。

当院でも、2020年は内視鏡検査数が大きく減りました。
2021年は、秋にCOVID-19の感染状況が落ち着いたこともあって、かなりの数をこなしています。
しかし今年に入ってのオミクロン株の大流行で再び検査数が減っています。

検診その他、2020年はがん検診でも受診者が減った結果、がん未発見数が2000を超えた可能性も指摘されています。


さて、40歳以上の方には最も身近な特定検診 ( いきいき受診券 ) 。
令和3年度分は3月末までです。
まだ受けておられない方々には受診勧奨の通知があったと思いますが、ご希望の方はお早めに。
当院では特に予約の必要はありません。

前回のブログで、3月7日以降のワクチン配分量が大幅に減ることをお伝えしました。
そんな状況下にありながらワクチン接種券の前倒し発送の話も伝わり、予約が取れない接種難民が大量に生まれることを危惧しておりました。


ところがです。
バイアル2月4日の夜になって、3月7日から4月4日までのワクチン配分量を増やすという連絡を受けました。
ありがたい話ですが、増やすと言っても2月のワクチン数と同じになるだけです。
接種券発送が前倒しになることを考慮すると、
1・2回目ワクチンを当院で受けた方の48%しかワクチン接種できない状況です。

当院の予約枠は既に3月8日まで埋まっており、早い時期に確実に接種をご希望の方は、鹿児島市新型コロナワクチンコールセンターを介して他施設での予約をお願いいたします。

このような事情から、1・2回目を当院で受けていない方の予約は受け付けていませんのでご了承下さい。



《 お願い 
ワクチン接種には肩を出しやすい服装で来院して頂くよう予約時にお伝えしております。
寒さ厳しい季節ではありますが、スムーズな接種が出来るようにご協力をお願いいたします。

昨日2月1日より新型コロナワクチンの3回目の接種が始まっています。

これまで2月1日から3月5日までのワクチン配分量が決まっていました。
皆様の予約に十分対応できない数であったため、1・2回目の接種を当院で受けた方に限定して予約を取らせていただき、更にワクチン1瓶6人分を7人分で使えるように自前で注射器を用意して何とか調整してきました。

ところがです。
詫び本日、3月7日以降のワクチン配分量の目安が示され、3月・4月はファイザー製ワクチン数が大幅に減ることがわかりました。
示されたワクチン数では、
当院で受けた方の5人に1人しかワクチン接種できない状況です。
予想を大きく下回るワクチン数に唖然としております。

現時点で、3月5日までの接種枠が埋まっており、今後当院で接種をご希望の方には非常に厳しい事態となっていることをご理解いただきたいと思います。

早めの接種をご希望であれば、鹿児島市新型コロナワクチンコールセンターにて予約をお願いいたします。



《 お願い 
ワクチン接種には肩を出しやすい服装で来院して頂くよう予約時にお伝えしております。
寒さ厳しい季節ではありますが、スムーズな接種が出来るようにご協力をお願いいたします。

鹿児島市では新型コロナワクチンの3回目の予約が1月20日から始まっています。
接種券がお手元に届き次第、予約が可能です。

ワクチン接種新型コロナワクチン、3回目の予約について」でお伝えした通り、ファイザー製ワクチンが十分量確保できないため、様々な点でご迷惑をおかけしております。
しかし、ささやかな
朗報があります。
これまで、ワクチン1瓶で6人分の接種しか公式に認められていませんでしたが、デッドスペースの少ない注射器を当院で自前で用意することを条件に、1瓶で7人接種が可能となりました。

若干ではありますが、
予約枠を拡大することと致しました。
しかし、それでも1・2回目を当院で受けた方をカバーできるだけの数はありませんので、過去に当院での接種歴のない方は予約をご遠慮いただくよう改めてお願いいたします。

寒い時期のワクチン接種となりますが、肩の出しやすい服装での来院をお願いいたします。

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1月21日は、電話及び直接来院による接種予約で外来や駐車場が大変混雑いたしました。
発熱外来は、診察に充てる時間や待機スペースの確保が困難となり、お断りせざるを得なくなりました。
ご迷惑をおかけしました。
今後しばらくの間、発熱外来での対応が出来ないケースもあると思いますのでご了承下さい。

鹿児島市でも新型コロナワクチンの3回目の接種券の送付が始まり、皆様のお手元に順次届くものと思われます。
接種開始は2月1日からです。


   注意点

注射予約開始は1月20日 ( 木曜日 ) から
1月19日までは予約を受け付けることができません。
当院は、木曜日の午後は休診となりますので注意して下さい。

 
当院で1回目・2回目の接種を受けた方が、必ず予約が取れる保証がありません
今回の3回目の予防接種にあたって国が用意したワクチンは、数は十分にあるものの、ファイザー製がおおよそ55%、モデルナ製が45%の比率になっているようです。
当院ではファィザー製しか扱わないため、1回目・2回目を接種した数に見合うワクチンが十分に回って来ないのです。
どうしても当院で予約を取りたい場合は、最大7週間お待ちいただく可能性があります。

このような状況なので、1回目・2回目を当院で受けていない方の予約はご遠慮いただくようお願いいたします。

新型コロナワクチンの3回目の接種事業が医療従事者から始まっていますが、私やスタッフにも接種券が届きました。
私たちが接種可能なのは1月中旬以降となります。

一般の方々にも順次接種券が届くものと思いますが、当院で担当させていただいた方々の接種開始は一番早くて2月中旬になる予定です。


♦♦♦♦♦
 
モデルナさて、今回の3回目の予防接種にあたって国が用意したワクチン、数は十分にあるものの、ファイザー製がおおよそ55%、モデルナ製が45%の比率になっているようです。
これまでは、85%を超える方がファイザー製にて接種を済ませています。
このため、3回目はモデルナ製で受けていただく方が増えるものと予想されています。

両者は保存方法や溶解の必要性の有無、1バイアルあたりに接種可能な人数などが異なります。
二種類のワクチンを同時に扱おうとすると、細心のマネージメントが必要になります。
接種ミスは避けたいので、今のところ当院ではモデルナ製のワクチンを扱う予定にはしておりません
このため、皆さんのご希望通りに当院で接種できるかどうか見通せない状況です。

さらに、オミクロン株が世界的に猛威を振るっている事態を踏まえ、接種間隔を8ヶ月ではなく6ヶ月に前倒しにしようとする動きが出ています。
これが可能となるワクチン確保の見通しが立っているのでしょうか。

年明けから本格化する新型コロナワクチンの3回目の接種ですが、現場の混乱が早くも懸念されます。

今年の11月18日から24日は「世界抗菌薬啓発週間」です。

抗菌薬 ( 抗生物質 ) の不適切な使用により薬に耐性を持つ細菌が増える一方で、新規の抗菌薬開発は進んでおらず、感染症治療を難しくしていることが世界的に問題になっています。

風邪を引いた場合を例にします。
徐々に改善傾向にあるものの、いまだに「風邪をひいたら医療機関で抗菌薬をもらう」という誤った認識の方が多く、「患者が求めるから抗菌薬を処方する」といった医師も多いです。
風邪の原因のほとんどはウイルスですから、抗菌薬を服用する意味はないのです。

正しい知識を持ち、そういう場面を減らしていこうということで、厚生労働省は11月を「薬剤耐性対策推進月間」と定めて啓発を行っています。
今年は、はたらく細胞のキャラクターを使ったポスターですね。( クリックで拡大 )

薬剤耐性


私は風邪に抗菌薬は出しません。
このことは5年前に当ブログで書いています。( → 「風邪に構成物質を処方しなくなって久しくなります」)
風邪は抗菌薬がなくてもちゃんと治りますよ。
 
ちなみに、今月は抗菌薬を処方したのは2例のみ。
いずれも尿路系の感染で 、尿の検査をした上で処方いたししました。

新型コロナウイルスワクチンの3回目の接種の具体的な話も伝わってくるようになりました。

当院スタッフは5月中に2回の接種を終え、おおよそ6ヶ月が経過しています。
接種後約3週間の抗体価を調べてこのブログで報告しています ( → こちら ) が、今回は半年経ってどのように変化したかを調べてみました。

前回同様、富士レビオのSARS-COV 2 IgG S 試薬を用いています。
結果を下の表にまとめてみました。

抗体価02


抗体価の単位は ( AU / mL ) 。
「抗体価 1」は前回の接種3週間後、「抗体価 6」は今回の接種後6ヶ月の数値です。

軒並み数値は下がっており、最初に比べて5.7 ~ 26.4%に落ちています。
他の施設でも半年後には85 ~ 90%低下していたという報告が多いので、我々のデータもほぼ一致しているのではないかと思います。

体の免疫はこの抗体 ( 液性免疫 ) が全てではなく、細胞性免疫という仕組みもあり、両者が働いて感染や重症化を防ぎます。
数値として捉えやすい液性免疫のみを調べているに過ぎず、数値が低下したことを悲観する必要はないと考えます。

ま、3回目の接種もあるということなので、その後の経過もみていこうと思います。

新型コロナウイルスの第五波では、罹患者の急増で入院できずに自宅療養を余儀なくされた方が多数出るなど、医療崩壊が起きたことは記憶に新しいこと。
今はそれがウソのように、新規の発生例が激減していますね。

一息つく暇もなく、医療界はまた新たな問題に直面しています。
それは、ジェネリックを中心とした医薬品の供給不足です。
出荷停止が約3300品目、出荷調整が約9300品目。
とてつもない数字が、先日発表されました。


医薬品事の発端は、水虫治療薬に睡眠導入剤の成分が混入や不正な医薬品検査が発覚し、メーカーの業務停止が続いたこと。
更に地震で工場が損壊して製造がストップするメーカーも。

供給がストップした薬の代替品を求めて他のメーカーへの注文を出しても、すぐには増産ができないので、入手困難な状況に陥っているのです。
これはまさに、第五波で起きた医療崩壊に似た医薬品供給崩壊。
当たり前にできていた処方が不可能になりつつあるのです。
院内処方が主体の当院でも既にいくつかの薬で皆様にご迷惑をおかけしていますが、今後その品目が増える可能性があります。

この深刻な状況に、厚生労働省はまったく他人事のように振る舞っています。
新型コロナでは行政や医療界が協力して立ち向かっているのですから、この大問題も真剣に考えてもらいたいものです。

トウガラシトウガラシを口に入れてもすぐには辛さを感じませんが、なぜでしょう。
これには、今年のノーベル医学生理学賞を受賞したDavid Julius氏が発見した温度を感知するセンサー TRPV1 ( トリップ・ヴィ・ワン ) が絡んでいます。

辛さは舌で味覚として感じるのではありません。
口の粘膜の内側にある TRPV1 は43℃以上の温度を感じるだけでなく、トウガラシの辛味成分 カプサイシン にも反応します。
カプサイシンが粘膜を透過して TRPV1 に届くのに少し時間がかかるので、辛いと感じるまでにタイムラグがあるのです。

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TRPV1 は痛みの刺激センサーでもあります。

私の専門分野の消化器疾患の一つに、非びらん性胃食道逆流症 というものがあります。
心窩部の痛みや胸やけなど、逆流性食道炎と同じような症状があるのにもかかわらず、内視鏡検査で何も異常が見つからない場合に診断されるものです。

この疾患の原因の一つとして、食道と胃のつなぎ目部分の知覚過敏が考えられています。
この知覚過敏に絡んでいるのも酸にもはんのうする TRPV1 とされています。

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TRPTRPV1 を含むTRPチャネルについて簡単に触れておきましょう。
TRP は transient receptor potential の略でトリップと読むのが一般的です。
外部の環境温度を感知するセンサーで哺乳類では9種類が知られており、それぞれ担当する温度領域が異なります。

43度以上を感知する TRPV1 と17度以下を感知する TRPA1 が活性化すると、温度を感じると同時に痛みというシグナルにもなります。
生物が至適温度で生きていく上でとても大切な仕組みです。

TRPチャネルは温度だけでなく、植物由来の成分等でも活性化されることがわかっており、メントールはおおむね25度以下を感知するTRPM8 を活性化しますが、高濃度だと TRPA1 を抑え込んで痛みを感じにくくしてしまいます。
ちなみに、TRPV1 はトウガラシや酸などで、TRPA1 はワサビやシナモンなどでも活性化されます。

体が温まる食材や冷える食材がありますけど、私はTRPチャネルが絡んでいるものと勝手に推測しています。

また、TRPV1 や TRPA1 をコントロールできる薬ができれば、究極の痛み止めになるのではないかと期待されていますが、実用化には至っていないのが現状です。

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今年のノーベル医学生理学賞受賞理由となった研究、結構身近に感じていただけたのではないでしょうか。

さて、トウガラシを食べて辛さに飛び上がり、すぐさま水を飲んでも辛さが続きますよね。
水は口の粘膜を透過しませんから、粘膜の内側に入り込んだカプサイシンはどうすることもできません。
ただ、口の中に残っていてこれから粘膜に入り込んで TRPV1 を刺激するであろう予備軍を洗い流す意味はあると思います。

日々発表される新型コロナウイルスの感染状況が深刻さを増しています。

鹿児島県鹿児島県でも8月17日以降本日まで5日連続して200例を超える新規感染者数が報告されています。
この5日間だけで1171例にも達しています。( 17日から245例・202例・251例・242例・231例 ) 
ワクチン接種が進んでおり、季節外れの大雨が続いて外出機会もそれほど多くないはずなのですが。
コロナ病床もひっ迫しつつあり、軽症者やある程度回復した患者さんを受け入れる宿泊療養施設は既に不足しています。
このため自宅待機を余儀なくされている方が19日の時点で908人に上っています。
この先、不運にも感染した場合、必要な医療が受けられない可能性があります。

鹿児島県には20日から蔓延防止等重点措置が適用されました。
本来、県から要請すべきものですが、政府側のハードルが高いと見送った経緯があります。
そのためか、県の準備不足が否めません。
例えば、時短短縮要請に関する情報発信が乏しいようです。
県のホームページは全く役に立たず、直接問い合わせても担当者によって回答が異なるそうです。

普段でさえ、県の新型コロナの発生状況をホームページ上で更新するのが遅いのですが、昨日は23時を回っても変更なしでした。
一方、鹿児島市は常に16時発表を怠りません。


9月に入ると、学校の行事が多い2学期が始まりますし敬老の日の連休が控えており、感染拡大の要因となりそうです。
この先、不運にも感染した場合に必要な医療が受けられない可能性もあります。

今よりはるかに感染者が少なかった去年と違って、皆さんの新型コロナに対する警戒感が希薄になってきているように思います。
 今一度、感染防御対策を見直して下さい。

何もかも後手後手の鹿児島県を頼っていては自分の身は守れません。 

どうにか開催にこぎ着けた東京オリンピック
7月23日の開会式をテレビで見ましたが、まとまり感に欠ける中、ピクトグラムのパフォーマンスは面白かったですね。

ピクトグラムピクトグラムは、言語に依存せず、視覚に訴えることで内容が直感的に伝わるようにした図柄のことです。
オリンピックとしては1964年の東京大会で初採用され、その利便性が注目され世界中に広まったとされています。

2002年の日韓ワールドカップ開催に合わせてJIS規格が制定され、更に今回の東京オリンピック開催を前に、国際標準化機構で定められているピクトグラムとの整合性をとるために、JIS規格の見直しがなされました。

スマホなどで使われる絵文字は「emoji」として世界に広まっていきました。
世界に誇れる文化であり、今回のオリンピック開会式でピクトグラムに焦点が当てられたことは喜ばしいことです。

選手村のエアコンのリモコンが日本語表記のままで各国の選手が戸惑ったという笑えない話がありますが、ピクトグラムを上手に活用してほしかったと思います。

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ピンク東京五輪は、コンセプトの一つとして「多様性と調和」を掲げています。
にもかかわらず、配慮に欠けているものがあります。
それが色覚の多様性に対するもの。

大会関係者専用の車線にピンク色のラインをペイントしたようですが、赤または緑の光を識別しにくいタイプの色覚の人にはピンクがグレーに見えてしまいます
そのため、アスファルトの上のピンクのラインを引いても認知・判別しづらいのです。


また、サッカー日本代表のユニフォームですが、名前や背番号が読みづらいと思いませんか ?

ユニフォームその最大の原因は、ユニフォームの青地と背番号の赤の明度差があまりないことにあります。
そのため、色覚の問題と関係なく非常に読みづらいのです。
背番号には白いアウトラインを施していて、多少は見えやすくなっているのは、名前のアルファベットと比較してもらえばわかると思います。
しかし、その太さが十分とは言えず、青と赤のセパレーションの意味をあまりなしていません。
テレビ越しに見ると、選手が大映しになる時以外判読困難です。

学会や講演会などのプレゼンテーションで、ブルーをバックに文字を赤色で強調したスライドをちょくちょく見かけますが、チラチラして見にくいだけです。


色の選択方法については、もっと学ぶ必要があると思います。
学校の必修科目に取り入れてもいいのではないでしょうか。
そうすれば、深緑の黒板に赤いチョークを使うなんてことも起こらなくなるでしょう。


当院の待合室のデジタルサイネージで流している情報では、情報量や文字の大きさだけでなく、しっかり色彩計画を立てて見やすさを追求しています。
普段から気をつけていることなので、東京オリンピックでは余計気になってしまうのでした。 

梅雨の後半や台風による大きな被害が毎年のように起っています。
今年は熱海市で土石流が起こりました。

土砂崩れ今回の土石流被害で異例だったのは、安否不明者の氏名を速やかに公表したこと。
個人情報保護が叫ばれるようになってから、死者や安否不明者の公表についての対応が自治体によってバラバラな状態が続いています。
個人的には今回の公表を評価しています。
安否の確認情報によって捜索の迅速化・省力化につながります。
また、親族や知り合いなどの安否を確認しようとする多くの人々の行動の無駄を省き、通信関係の負荷の軽減にもなります。

今回の氏名公表に対する批判はほとんど起きていません。
先月の知事会では災害時の死者や不明者の発表に関するガイドラインを策定していたようですが、適切な個人情報への配慮のあり方を国民全体で考え直したいものです。

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今回の土石流の原因として起点となった場所の盛り土がクローズアップされています。
そして、国土交通相は全国の盛り土の総点検を考えていると発言しました。
全国に5万ヶ所以上あるようですが、果たして現実的な対応でしょうか。

私の住む鹿児島市の武岡地区は、鹿児島に多い丘陵地帯を切り開いて出来た造成地で、あちこちに盛り土があります。
以前谷だった所が次々に埋め立てられていく様を知っている住民も多いです。
また、盛り土の部分を高速道路や新幹線のトンネルが貫いているという、他の場所ではみられない特殊な事情を持っています。

で、一体何の点検をするつもりなのでしょうね・・。
トンネルの安全性を調べてくれたらありがたいですが。

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