野口内科 BLOG

  鹿児島市武岡にある野口内科です。
  医療に関することはもちろん、近隣の話題や音楽・本のことなどについて綴ってまいります。
    診療時間 午前  9:00〜13:00
         午後 14:30〜18:30
    休診   日曜・祝日・木曜午後
    電話   099−281−7515
    住所   鹿児島市武岡二丁目28−4
         ▶▶ アクセスMAP
         ▶▶ バス路線図

インフルエンザの予防接種は10月より開始する予定ですが、既に流行の兆しが見えます。十分に気をつけてください。

 薬・注射の話

音今日、ツイッター上で話題になっていたのが、咳止めの副作用。
服用すると音が半音低く聞こえるというものです。( 参考 → 咳止め薬で「音が半音下がって聞こえる」副作用? )

これはベンプロペリン ( 商品名 フラベリック ) という咳止めによって起きる副作用ですが、絶対音感がないとなかなか気づきにくいものですよね。
この薬に限らず、てんかんや三叉神経痛などに使うカルバマゼピン ( 商品名 テグレトール ) や感冒薬のPL顆粒などに含まれる塩酸プロメタジンという成分によっても引き起こされることが報告されています。

私は音楽やってる人の咳止めとして半夏厚朴湯をお勧めすることがあります。
聴覚への影響はありませんし、何といっても声が出しやすくなるというメリットがありますので。


咳止めといえば、この6月にコデインという成分について、厚生労働省が12歳未満への使用を段階的に制限することを決めました。
2018年度末までは注意喚起を促し、2019年度から全面的に禁忌とするようです。
重篤な呼吸抑制を起こし死亡する例が相次いだ欧米では2013年頃より規制が少しずつ始まっていましたが、今年の4月に米国で12歳未満への使用を禁忌としたことを受けての日本での措置です。
米国では肥満や重度の睡眠時無呼吸症候群を有する12~18 歳への使用についても警告が付いています。

専門的になりますが、CYP2D6 の ultrarapid metabolizer ( UM ) においてはコデインの代謝産物の血中濃度が急速に上昇し、中毒を起こすのです。
このCYP2D6のUMの方は日本では0.8%程度と少ないのですが、白人で10%、エチオピア人に至っては29%も存在すると言われています。
なので日本では欧米ほどの発症頻度ではないと思いますが、0.8%と言えども無視できる数字ではありません。

長期に服用しても副作用のそれほど起きない高血圧やコレステロールの薬を服用するのには抵抗感を示すのに、副作用のやたらと多い風邪薬には安易に手を出す傾向の強い日本人。
風邪薬に含まれる成分って本当に恐いものが多いので、気をつけて下さいね。

なお、CYP2D6については、以前当ブログで解説していますので参考にして下さい。( → CYP2D6からPL顆粒を考える その2 )
Clip to Evernote

名称未設定-1先日、観光客の無理な要求に疲弊している竹富島の診療所の記事を読んで、嘆かわしく思いました。( → 軽症なのに「救急ヘリを」竹富診療所、観光客対応に疲弊 )

旅行の際には、少々の体の不調に対応できるだけの薬を持って行くべきだと思いますが、私が特にお勧めする漢方薬を紹介しておきます。

① 五苓散
酔い止め・航空中耳炎・嘔吐・下痢・頭痛・二日酔い など応用範囲の広い薬です。
航空中耳炎とは、飛行機に搭乗中の圧変動に伴う耳痛や詰まった感じなどの障害のことです。

② 葛根湯
風邪の初期症状・肩こりなどに。
重い荷物などを持っての移動も多くなると思いますが、葛根湯が効くのは風邪だけではないのです。

③ 芍薬甘草湯
腹痛・筋肉痛などに。
横紋筋、平滑筋のどちらの痛みにも効いてくれます。

この3つの漢方薬だけでかなりカバーできます。
いずれも一般の薬局でも入手可能かと思います。
お盆休みの旅のお供に是非。

Clip to Evernote

胃薬先日、胃薬のテプレノンにうつ症状の改善効果が認められたという報告がありました。( → こちら )
テプレノンには、ヒートショックプロテイン ( HSP ) という物質を誘導することが20年以上前から知られており、私も研究室にいる頃に自分の実験系で使ったことがあります。
HSPは熱や細菌感染などでストレスに晒された細胞に発現し、細胞を保護する役割があります。
今回の報告によると、うつ病のマウスの海馬でHSPが減ることに着目してテプレノンを投与したら、うつ症状が改善したそうです。
HSPにはアルツハイマー型認知症への効果も期待されていて、現在治験が行なわれていると思います。( まだ継続しているかどうかは把握していません )

( なお、家の中の急激な温度差で血圧の大きな変動をきたすことを「ヒートショック」と言いますが、あれは医学用語ではないのでご注意を。恐らく建築関係の業界から出てきた言葉。HSPと混同しかねないので本当は使ってほしくないのですが。)


特定の病気に対して使われている既存の薬に、全く別の病気に対しての有効性が見出されるケースがあります。
古くはインフルエンザ薬として開発されたアマンタジンがパーキンソン病にも有効であると分かり、日本ではもっぱらパーキンソン病治療薬として使われてきたのは有名な話。
胃薬関係では、レバミピドがドライアイの治療薬として既に点眼薬が発売されています。
ラフチジンには、ある種の痛みを緩和させる可能性があり、抗癌剤の副作用による舌痛症に対しての治験が現在進行中です。

Clip to Evernote

じゃある方に麦門冬湯 ( ばくもんどうとう ) を処方したら、「私は小麦アレルギーなのだが大丈夫か」と聞かれました。
「麦」という字が含まれるので気になったのでしょうけど、初めて受けた質問でした。
麦門冬は、植栽などにあちこちで活用されているジャノヒゲ ( リュウノヒゲ )  の根っこ。
主として咳を鎮める作用があります。
知っていたので即座に問題ないと回答できまましたけど、漢方に限らず処方薬の知識はしっかり持っていたいなと改めて感じました。

麦門冬湯は痰が切れにくい咳を目安に処方することが多いのですが、実は唾液や涙の分泌促進作用もあります。
ドライマウスやドライアイに悩む方にも概ね好評です。

なお、甘麦大棗湯 ( かんばくたいそうとう ) には小麦がたっぷり含まれるので、アレルギーのある方には処方できません。
また、半夏白朮天麻湯 ( はんげびゃくじゅつてんまとう ) には麦芽が含まれていますので、場合によっては注意が必要かと思われます。

Clip to Evernote

いたい先日、東京マラソンを前にして発信された「安易な服用は危険 レース時の痛み止め」という記事を見つけました。
ロキソニンなどの鎮痛薬 ( 非ステロイド系抗炎症薬 : NSAIDs ) と芍薬甘草湯は、マラソンランナーの間では半ば必需品とみなされている医薬品のようですね。

◆ 腎臓とNSAIDs

NSAIDs はプロスタグランジンという物質の合成を阻害します。
元々、子宮を収縮させる物質として前立腺 ( prostate gland ) から同定されたのでプロスタグランジン ( prostaglandin ) と呼ばれますが、最も豊富に存在する臓器は腎臓。
腎臓においては血流量を維持して水や電解質を調節するのに欠かせない成分なのです。
マラソンのように長い間負荷のかかる運動では、この水や電解質バランスの調節はとても重要な意味を持っています。
また、十分に鍛練していない人で上昇しやすいとされる尿酸や、赤血球・筋組織のダメージも腎臓に負担をかける要因となります。

( 追記 ) 最近の研究で、マラソンレース後に82%の人が一時的に急性腎障害を起こしているという報告がありました。( → こちら )
ただでさえ腎臓に負担がかかっているのに、NSAIDsを服用してプロスタグランジンの合成を抑え、腎臓が本来の働きを発揮できないまま走りつづければどうなるか、語るまでもないでしょう。

◆ 芍薬甘草湯の使い方

芍薬甘草湯は、古くから競輪選手など自転車の世界ではこむら返りの予防として知られた存在でしたが、ランナーにも知られるものになってきたようですね。
事前に服用することで競技中の筋肉の攣りを予防するだけでなく、翌日以降の筋肉の痛み ( 遅発性筋痛 ) も軽減してくれます。
こむら返りが起こってから服用する際には、倍量飲むと一層効果が高まります。
注意したいのは、市販の芍薬甘草湯は医療用に比べて有効成分が半分のものが多いこと。
その点はしっかり確認しておいて下さい。
理論上はカリウム低下を招く恐れがありますので、スポーツドリンクを併せて飲むのがいいのかも知れません。
また、筋肉を弛緩させてパフォーマンスを低下させてしまうのではないかという懸念はありますが、この点はよくわかりません。( ならば、成績が生活に直結する競輪選手は使わないと思うのですが )

◆ 遅発性筋痛に効きそうなある薬

遅発性筋痛に関しては、「ある胃薬」が効く可能性があります。
適応外の使い方になるので薬の名前は伏せておきますが、この論文にヒントが隠されています。( → こちら )
この薬は腎機能への影響がないので、競技中に生じる痛みにも効くならば理想的なのですが、それは試してみないとわかりませんのであしからず。


東京マラソンの翌週、3月5日は鹿児島マラソンがあります。
出場される皆さん、がんばって下さいね。
Clip to Evernote

すっきり新しい薬に対しては慎重なスタンスをとることが多いのですが、久しぶりに早く使ってみたいなと思う新薬が来月発売されます。
一般名がリナクロチドという便通の改善が期待できるものです。

一般の方が手にしやすい便秘薬としてセンナ系のものがありますが、これはあくまで頓用に留めるべき。
私はまず酸化マグネシウムを使い、これに漢方薬や坐薬、液体のピコスルファートを加えていく方法をとっています。
ルビプロストンという薬も時々処方しますが、便秘薬としては薬価が高すぎるのが難点です。

ほとんど問題ないとはいえ、これらの薬には副作用が付きまといますが、リナクロチドには副作用がほとんどないようです。
14個のアミノ酸ががっちりと組み合った構造をしていて、体内に吸収されない上、最終分解産物も小ペプチドやアミノ酸なのでかなり安心です。

最初は過敏性腸症候群 ( IBS-C ) という疾患にのみ使えるのですが、半年程すると一般的な便秘にも使えるようになると聞いています。
ここにメーカーの戦略が見て取れる気がします。
現在、IBS-C に適応のある薬剤が全くないので、画期的な新薬というイメージを持たせることができます。
私自身、IBS-C に対しては漢方薬と酸化マグネシウムを組み合わせて治療することが多いのですが、単剤で治療出来ればそれに越したことはありません。
また、一般的な便秘に対しての適応を最初から取ると薬価を低く抑えられてしまう懸念があるはずです。
実際に決まった薬価は92.4円で、これを1日に2錠使うので1日薬価としては184.8円になります。
1日300円を超えるルビプロストンに比べると高くはないけど、安くもないといった感じですね。
でも、裏技が使えそうな気もします。
この薬は食後に服用すると下痢の副作用が多くみられるため、食前に服用することになっています。
ということは、1日1錠だけを食後に飲むのもありなんじゃないかと思うわけですが。

当ブログでは、これまで便秘薬などについていくつか書いてきましたのでご参考までに。

 ■ ニガリダイエットの正体
 ■ 男女の違い その2
 ■ 過敏性腸症候群の治療薬
 ■ 酸化マグネシウム錠剤の比較
Clip to Evernote

日本漢字能力検定協会による年末恒例の「今年の漢字」。
今回は「」でしたね。
一方、ある医療系のサイトで「医師が選ぶ今年の漢字」という募集があって、そこで選ばれたのは「」でした。( → こちら )

へろろ今年ほど薬剤の価格に注目が集まった年はないと思います。
米国ではダラプリムという薬の価格が一気に55倍も値上げされ、大統領選でも議論されました。
日本ではニボルマブ ( オプジーボ ) などの高薬価の薬剤がクローズアップされ、原則 2年に一度だった薬価改定を毎年にする方針を政府が推し進めようとしています。

我々が処方する薬の値段は、新薬として登場以降は基本的にどんどん切り下げられていきます。
卸が医療機関に納入する金額を定期的に調査して2年ごとに改定していくのですが、そこで奇妙な現象が起きてきます。
一つの薬を複数のメーカーが異なる名称で販売する日本独特の商習慣である「一物二名称」。
例えば糖尿病治療薬であるシタグリプチンには「ジャヌビア」「グラクティブ」がありますが、現在前者の50mgの薬価が136.50円に対して後者は138.20円です。
前者の実勢納入価が安かったということですね。
また、降圧薬であるアジルサルタン ( アジルバ ) 20mgの薬価は139.8円。
このアジルサルタンにアムロジピンという成分を加えた「ザクラス配合錠」という合剤があります。
アムロジピンの用量が2.5mgと5mgの2種類の品揃えなのですが、その合剤の薬価はいずれも131.6円なのです。
加えられているアムロジピンの量が異なるのに薬価は同じで、しかも単剤のアジルサルタンより安くなっているというややこしい状況を呈しています。

古くからある薬でも、ウルソデオキシコール酸やスクラルファートのように評価が衰えないものもあります。
機械的に薬価を下げていくばかりではなく、医療の現場で高く評価されている薬剤については相応の値付けをする仕組みがあってしかるべきだと思うのですが。
Clip to Evernote

ワクチンテレビの影響は大きいものです。
インフルエンザの流行が早いとの報道に、ワクチン接種を希望される方が急に増えています。
また、午前中の接種が効果的との情報も流れたようで、実際に午前中に来られる方が例年になく多いですね。

午前中の予防接種に関する研究報告が、今年相次ぎました。
まず、インフルエンザワクチンを65歳以上の高齢者を午前と午後に注射するグループに分けて打ったところ、午前のグループで抗体の上昇が大きかった、というイギリスからの報告。( → こちら )
そして、大阪大学からマウスを使った研究報告。
マウスは夜行性なので、交感神経の活動の高まる夜間にワクチンを打った方が免疫応答が強かったというものです。( → こちら )

このように複数の報告があると、午前中に予防接種を受けたくなりますよね。
でも注意点もありそうです。
例えば、前者では65歳未満でも同様の結果が得られるのかどうか‥。
後者では、生活スタイルの違うマウスでの結果から本当にヒトでは日中が効果的と言えるのか、ワクチンの種類は問わないのか‥。
私は普段から論文の報告を額面通りに受け止めないようにしていますので、そういう疑問をはさみたくなります。
そう言いながら、午前中にワクチン接種を受けた私でした。

インフルエンザワクチンの接種はお早めに。

「ヨードそのものを靜脈内に應用し完全に殺菌的特性を發揮する製劑」・・・!!

調べ物をしていて、たまたまたどり着いたサイトに面白いものがありました。
戦前の医薬品の広告を写真で紹介しているブログです。( → こちら 写真の原典も)
昭和2年 (1927年) の雑誌に掲載されていた広告なのですが、見ているだけでワクワクします。
最近まで売られていた咳止め、フスタギンの名前も見受けられますが、気になるのは結核や淋病、腸チフス・赤痢に対する薬が売られているということです。
抗生物質であるペニシリンが発見されたのが翌年の1928年で、それが実用化されたのは1942年のことですから、どういう知見を元にして商品となっていたのか興味を持ちました。

Specijodこの中で冒頭に宣伝文句を挙げた「殺菌力強大なる特殊ヨード剤」という注射薬スペチヨードが、塩野義製薬の前身である塩野義商店から発売されていたようなので、塩野義製薬に問合せしてみました。
そこで得られた回答は、社史に昭和2年に発売されているという記載があるのみで詳細はわかりません、というものでした。
どのくらい効果があったのか、いつまで売られていたものなのか、知りたいところではありましたが‥。

右の写真はクリックすると拡大するのでご覧下さい。
ヨードチンキは「沃度丁幾」と漢字表記していたことは勉強になりましたが、「殺菌消毒力顯著にして静脈内注射をなし得」「多量に靜脈内に注射するも副作用無し」「應用廣く効力確實なり」という特徴、本当なのでしょうか。
ヨードアレルギーはなかったのでしょうか。
興味が尽きません。

薬の歴史、調べてみると本当に面白いですよ。
機会がありましたらまたブログに書いてみますね。
Clip to Evernote

薬私が風邪に抗菌薬 ( 抗生物質) を処方しなくなって久しくなります。
医者になりたての頃、先輩医師から「ウイルス感染でも二次感染を予防する意味がある」と教えられ、それを信じて抵抗感なく処方していた時代もありました。
でもそれは「もしものため」という、医学的には全く根拠に乏しいものでした。

世界的に抗菌薬の不必要な処方が問題となっています。
我が国でも伊勢志摩サミットに先んじて、2020年までに風邪への抗生物質処方を規制するなどして使用量を現在の3分の2に減らそう、という行動計画を公表しました。
先月には、東日本大震災の際に避難所で被災者に処方された抗菌薬の9割は不必要なものであったことが報告されています。

つい最近「フロモックス錠100mgが効かないのはなぜ ?」という記事がネット上に登場しました。
フロモックスに限らずメイアクトやセフゾンなど第三世代経口セフェムと呼ばれる抗菌薬が、ほとんど体内に吸収されない薬剤であることが書かれています。
最後には「フロモックスばかり出す医者は要注意」という項目があり、念のためという安易な発想でしかも感染部位には届くことのない薬を処方する医師をやんわりと咎めています。

「患者への抗菌薬は医者にとっての抗不安薬」などと揶揄されることもあります。
そういう長年の慣習からか、風邪に抗菌薬を処方しないと「私の風邪は抗菌薬ですぐ治るのに」と一部の患者さんから怒られる場合もあります。
しかし、私はウイルス感染には抗菌薬を出しませんし、仮に細菌感染であっても人間の体はそんなに柔なものじゃなく大抵自然に治ってしまうことを知っています。
細菌感染がわかって抗菌薬が必要な場合でも、第三世代経口セフェムの名を処方箋に書くことはありません。
随分前から抗菌薬は適正に使っているつもりなので、20年度までに更に3分の2に減らすのはちょっと無理な話ですが‥。
Clip to Evernote

痛い九州南部の梅雨入りが本日発表されました。
明日以降しばらく雨は降らない予報なのですが、発表のタイミングというのは難しいのでしょうね。

さて、梅雨時に頭痛がひどくなるという方がいらっしゃいます。
市販の頭痛薬で済ましてしまう方も多いと思いますが、中には「アリルイソプロピルアセチル尿素」という注意すべき成分が含まれている物もあります。
新セデス錠・ロキソニンSプレミアム錠・イブクイック頭痛薬DX・ノーシンピュア・バファリンプラスS等がそうですが、我々の処方するSG顆粒にも含まれています。
実はこの成分、習慣性があることや副作用の観点から海外では使われていないのです。
繰返し使っていると依存性を生じ、乱用してしまう危険性を孕んでいますので、安易な使用は是非とも避けたいところです。
( 日本の製薬会社はこの成分の依存性を利用して薬をたくさん消費してもらおうと企んでいるのでは、と勘ぐりたくなるんですけどね。)

頭痛には様々な種類があり、それを見極めて乱用に繋がらないように薬を適切に選んでいく必要があります。
ちなみに、梅雨など天候がからむ頭痛には五苓散という漢方薬が効果を発揮することが多いです。
慢性的な頭痛にお悩みの方は一度ご相談くださいね。

注射今シーズンのインフルエンザワクチンはA型 2種類、B型 2種類に対応した 4価のワクチンとなります。
これまではA型 2種類、B型は 1種類の 3価でした。

これに伴いワクチンの価格が上がりますが、
その値上がり幅に医師の間で多くの疑問の声が上がっています。
だって1.5倍になるのですよ。
全国的にほぼ同じ卸値が提示されているようなのですが「卸連合 ( 日本医薬品卸業連合会のこと? ) で決まったから値引きは難しい」といったような内容の説明も受けました。
事実かどうかはわかりませんが、別の情報として「厚生労働省の主導のゆるやかな価格カルテルで、高齢者は実質公費負担となっているため、今回の 4価ワクチンの導入を機に上限・下限設定がなされた」という話も伝わってきています。
2013年に埼玉県の某医師会が接種料金のカルテルを結んでいたとして公取委が処分を行ないました。( → こちら )
最終的な料金に関して医師会は処分を受けてしまうのに、その一歩手前の卸値ではお役所主導 (??) って、これが事実ならばおかしくありませんか、皆さん。


さて、別の話題になりますが、先月末の毎日新聞のサイトに「インフルワクチン : 乳児・中学生に効果なし」という記事が掲載されました。
元の論文を読めばわかることです ( → こちら ) が、まったく見当違いの報道内容にはあきれてしまいました。
論文の中では乳児と中学生に関して対象者が少なく統計学的な検証ができなかったことや、研究対象となったシーズンはワクチンの接種時期とB型インフルエンザの流行時期に開きがあったことなどが考察されているのです。

ただ、この論文でちょっと気になる点があります。
38℃以上の発熱で外来受診した 6ヶ月から15歳で、インフルエンザ迅速診断キットの陽性例と陰性例の間で比較検討しているのです。
そもそもワクチンが効いていて病院を訪れなかったであろう人のことは全く考慮されていないのです。
本来ならば、ワクチン接種の有無でグループ分けをして、それぞれのグルーブのインフルエンザ発症率を比較するのが一番すっきりとした方法です。
 
今回の記事に限らず、報道やネットのサイトに掲げられた情報などをすぐに盲信することは危険です。
元をたどっていくと全く異なった姿が見えてくることもあります。 

昨日のクローズアップ現代で残薬問題が取り上げられていました。
私にとって目新しいものはそう多くはありませんでしたが、ポリファーマシーや薬剤性認知症のことにも焦点が当てられていて、現状に驚かれた方も多いのではないでしょうか。

薬2薬の副作用を別の薬で抑え込んでしまおうとすると簡単に増えてしまいますし、多科受診でそれぞれの医師が他の処方との兼ね合いを全く考えずに (というか薬の相互作用にあまり知識がないままに) 処方を出すなどで一人の患者さんにびっくりするくらい多くの薬が出ていることもあります。

私は数年前から通院中の患者さんの不必要な薬を減らす努力をしています。
減らすと喜ぶ方が多いのですが、逆にとても抵抗される方がいらっしゃいます。
必要性の低さをじっくり説明するのですが、怒って別の病院に替わってしまう人さえいます。
私は余計な薬を出すつもりはありませんので、どうぞご理解をお願いしますね。

また、飲み残してしまった薬については遠慮なく伝えていただければありがたいです。
うっかり飲み忘れ以外に、1日2食しか食べないから昼の分は全然手を付けていないなど残薬がライフスタイルに起因することもあります。
飲み方を工夫するなどで解決できることも多いので、上手に解決していきましょうね。

残薬やポリファーマシーって本当に頭を悩ます問題です。


参考) STOPP Criteria  → 日本語訳はこちら 

こいのぼり休むパターンは人それぞれだと思いますが、明日からゴールデンウィークの4連休。
鹿児島はあいにくの天気となりそうですね。

当院も暦通り、3日から6日まで4日続けて休診となります。
ご了承下さい。

なお、本日2日は通常通り18時30分まで外来を行なっておりますので、どうぞご利用下さい。
Clip to Evernote

注射器昨年10月から始まった高齢者を対象とした高齢者の肺炎球菌ワクチンの定期接種。

本年 4月からは対象となる方が新しくなっています。
平成27年度 ( 本年4月から来年3月末日 ) までに
65歳・70歳・75歳・80歳・85歳・90歳・95歳・100歳となられた ( る ) 方です。

鹿児島市では3000円の助成が行われ、残額を窓口で支払っていただくことになります。
価格は各医療機関でまちまちです。
当院は適切な価格設定をしたつもりなのですが、他の医療機関に比べて安いという話も聞きます。
詳しくは電話にてお問い合わせ下さい。

当ブログでは肺炎球菌ワクチンに関してこれまでも情報をお伝えしてきましたが、詳しくはこちらの過去記事などをご参照下さい。( → こちら )

注射昨年10月から高齢者の肺炎球菌ワクチンが定期接種化されました。

平成26年度 ( 昨年4月から本年3月末日 ) までに
65歳・70歳・75歳・80歳・85歳・90歳・95歳・100歳となられた ( る ) 方が対象で、今月末までに受けていただく必要があります。

4月からは平成27年度に当該年齢になられる方、と対象者が変わってきます。
駆け込みで受けに来られる方もちらほらおられますが、希望される方は今月中に来院して下さいね。

胃今週、相次いで酸分泌抑制薬 (プロトンポンプ阻害薬 : PPI ) が新規に発売されます。

このPPIというジャンルの薬、消化器医以外の医師には敬遠されがちなんですね。
いくつかの要因があると思います。

まず、強い薬、というイメージがあるようです。
従来のH2ブロッカーという薬との比較でそのように感じるのでしょうが、強力というよりより確実、というふうに解釈してもらいたいものです。

また、適応となる疾患名が複雑すぎる点もあると思います。
「胃・十二指腸潰瘍」「逆流性食道炎」はまだわかります。
「ヘリコバクターピロリの除菌」となると消化器医以外には関係ない、となるでしょう。
「非びらん性胃食道逆流症」て何? とイメージが湧きませんよね。
「非ステロイド性抗炎症薬投与時における胃潰瘍または十二指腸潰瘍の再発抑制」「低用量アスピリン投与時における胃潰瘍または十二指腸潰瘍の再発抑制」となるともう面倒臭いとなってしまいます。
PPIの種類によって適応や用量が微妙に違っていて、消化器医でも間違ってしまうことがあります。

近年、特に高齢者においてたくさんの薬を併用していることが問題となってきています。
そこで、不必要な処方を減らすべく提唱されている STOPP Criteria という基準がよく使われるようになってきました。( → 日本語訳はこちら )
使用すべきでないケースが列挙されている中において、薬が併用されていないことを咎めている項目があります。
心血管イベントの中の2つ、
 ⑨ アスピリンとワーファリン併用患者にH2拮抗薬 ( シメチジンは除く ) もPPIも併用していない
 ⑪ 胃十二指腸潰瘍既往のある患者にH2拮抗薬かPPIを処方せずにアスピリンを投与
です。
消化管系の副作用を極力避けるために、酸分泌抑制薬の処方が必須なのです。
しかし、循環器医や脳外科医が適応病名を付けるのを煩わしく思って、酸分泌抑制薬を投与してくれないことが多いのが現状です。

改善する一つの方法として私からの提案があります。
PPI の適応を全部まとめて「酸分泌関連疾患」とシンプルにしてはどうでしょうか。
これならば、厄介に思う医師は少なくなるはずなんですが。


先日、紙バカジャンク市というイベントに出掛けました。
その名の通り、紙にまつわる様々な商品や雑貨を売っていたのですが、そこでなぜか古い市販薬が売られていました。
興味津々で消化器に関連した二つを買ってきました。

一つは下の写真の「はらトンプク胃腸散」で、もう一つは「赤玉はら薬」という薬。

前者は、次硝酸ビスマス・次没食子酸ビスマス・蓚酸セリウム・フラスキン・パーポン・炭酸カルシウムという構成です。
蓚酸セリウムには制吐作用があるようで、フラスキンは抗菌性製剤というところまで分かりましたが、パーポンについては不明です。

後者の成分はロートエキス・センソ・センブリ・ゲンノショウコ・オウバク・五倍子、と生薬主体。
センソってガマの油のことなんですね。
今でも売られている胃薬の中に「赤玉」という名の入ったものがいくつかあるのも興味を引きます。

どちらの効能にも「胃腸カタル」とあるのですが、現代医学では全く使わない用語で、一体どんな症状を指すのか消化器をやっている私にもよく分かりません。
我々の処方する漢方薬にも胃腸カタルに適応のあるものがいくつかありますけれども。

中身が入っていますが、期限はとっくに切れているはずです。
飲んだらおなかをこわしそうなので、そのまま資料として大事にしていきたいと思います。

はらとんぷく

Clip to Evernote

薬を飲む薬を飲むとき、私を含めほとんどの方はちょっと上を向くようにしますよね。
ところが、です。
先日ドイツから薬を簡便に服用する方法についてちょっと驚くような内容の研究報告がありました。
そこには二つの方法が紹介されています。

一つの方法は水を入れたペットボトルの口をくわえたまま水を飲み込み錠剤を流し込むという方法。
これだとペットボトルを用意する必要がありますし、お行儀が悪いように見られそうですね。

そしてもう一つ紹介されていた方法ですが、これはお勧めです。
うつむいて飲み込むのです。
報告を読んだときに、これはのどに引っかかって大変なことになるのではないかと思いました。
ところが、試してみると意外や意外、普段の方法より苦痛なく速やかにのどを通っていくではないですか。
しかも少量の水で飲み込めてしまうのです。
自分が鵜飼いの鵜になったのではないかと思えてきます。
( 実際のところ鵜は首をゆすって飲み込んでますが )

どういうメカニズムなのか調べてみようと思っていますが、とにかく楽な薬の服用法です。
皆さんも是非試してみて下さいね。
これまでの飲み方には戻れなくなりますよ。

10月から高齢者の肺炎球菌ワクチン及び水痘ワクチンの定期接種が10月からスタートしました。
ここでちょっと混乱が起こっています。

電話まず、肺炎球菌ワクチンについて。
鹿児島市においては対象者に通知が既に郵送されていますが、この中にどこの医療機関で対応しているかの一覧表が含まれていないのです。
当院で受けていただくことは可能なのですが、確認の電話が1日からひっきりなしにかかってきて業務に支障をきたしています。
行政がたった一枚の用紙の準備を怠った結果、対象者も医療機関も余計な作業に追われる始末です。
来年度以降はこういうことが発生しないよう改善を望みます。

水痘ワクチンについては、対象者のいる家庭に郵送したフローチャートに重大なミスがあったようです。
『水ぼうそうにかかったことがありますか。』の質問に対して「はい」ならワクチン接種の必要がないのですが、「いいえ」で『接種の必要はありません』にたどり着いてしまうという、全くお粗末なチャートです。
これを信じてワクチン接種をされない方が続出するという事態になったら大変です。
正しいフローチャートは鹿児島市のホームページに掲載されていますので、しっかり確認して下さい。( → こちら )

↑このページのトップヘ