野口内科 BLOG

  鹿児島市武岡に開業して42年の野口内科です。
  医療・健康に関する情報はもちろん、近隣の話題、音楽・本のことなどを綴ってまいります。

    診療時間 午前  9:00〜13:00
         午後 14:30〜18:30
    休診   日曜・祝日・木曜午後
    電話   099−281−7515
    住所   鹿児島市武岡二丁目28−4
         ▶▶▶ アクセスMAP
         ▶▶▶ バス路線図

8月14日・15日はお盆休みをいただきます。ご了承下さい。



 薬・注射の話

いたい先日、東京マラソンを前にして発信された「安易な服用は危険 レース時の痛み止め」という記事を見つけました。
ロキソニンなどの鎮痛薬 ( 非ステロイド系抗炎症薬 : NSAIDs ) と芍薬甘草湯は、マラソンランナーの間では半ば必需品とみなされている医薬品のようですね。

でもロキソニンなどの鎮痛薬は絶対に服用しないで下さい

◆ 腎臓とNSAIDs

NSAIDs はプロスタグランジンという物質の合成を阻害します。
元々、子宮を収縮させる物質として前立腺 ( prostate gland ) から同定されたのでプロスタグランジン ( prostaglandin ) と呼ばれます。
しかし、この物質が最も豊富に存在する臓器、それは腎臓です。
腎臓においては血流量を維持して水や電解質を調節するのに欠かせない成分なのです。
マラソンのように長い間負荷のかかる運動では、この水や電解質バランスの調節はとても重要な意味を持っています。
NSAIDs を服用すると腎臓の輸入細動脈という血管が収縮してしまい、腎臓の血流量が落ちてしまいます。
そうすると、ただでさえ脱水状態に陥りやすいマラソン中に、水・電解質の調節がますます困難になってしまうわけです。

また、走ることによる赤血球・筋組織のダメージや、十分に鍛練していない人でレース中に上昇しやすいとされる尿酸なども、腎臓に負担をかける案外怖い要因なんです。
そして、NSAIDs 服用でレース後に消化管出血や血尿、心血管系の問題を生じやすいという報告もあります。
腎臓に負担を強いるマラソンで、それに追い撃ちをかけるロキソニンなどの鎮痛薬はご法度であることがご理解いただけたのではないでしょうか。


( 追記 ) 最近の研究で、マラソンレース後に82%の人が一時的に急性腎障害を起こしているという報告がありました。( → こちら )
レース中に腎臓に大きな負担がかかっているのに、NSAIDsを服用してプロスタグランジンの合成を抑え、腎臓が本来の働きを発揮できないまま走りつづければどうなるか、語るまでもないでしょう。

◆ 芍薬甘草湯の使い方

芍薬甘草湯は、古くから競輪選手など自転車の世界ではこむら返りの予防として知られた存在でしたが、ランナーにも知られるものになってきたようですね。
事前に服用することで競技中の筋肉の攣りを予防するだけでなく、翌日以降の筋肉の痛み ( 遅発性筋痛 ) も軽減してくれます。
こむら返りが起こってから服用する際には、倍量飲むと一層効果が高まります。

注意したいのは、市販の芍薬甘草湯は医療用に比べて有効成分が半分のものが多いこと。
その点はしっかり確認しておいて下さい。
理論上はカリウム低下を招く恐れがありますので、スポーツドリンクを併せて飲むのがいいのかも知れません。
また、筋肉を弛緩させてパフォーマンスを低下させてしまうのではないかという懸念はありますが、この点についてはよくわかりません。( 低下させるのが事実ならば、成績が生活に直結する競輪選手は使わないと思うのですが )

◆ 遅発性筋痛に効きそうなある薬

遅発性筋痛に関しては、「ある胃薬」が効く可能性があります。
適応外の使い方になるので薬の名前は伏せておきますが、この論文にヒントが隠されています。( → こちら )
この薬は腎機能への影響がないので、競技中に生じる痛みにも効くならば理想的なのですが、それは試してみないとわかりませんのであしからず。


東京マラソンの翌週、3月5日は鹿児島マラソンがあります。
出場される皆さん、がんばって下さいね。

すっきり新しい薬に対しては慎重なスタンスをとることが多いのですが、久しぶりに早く使ってみたいなと思う新薬が来月発売されます。
一般名がリナクロチドという便通の改善が期待できるものです。

一般の方が手にしやすい便秘薬としてセンナ系のものがありますが、これはあくまで頓用に留めるべき。
私はまず酸化マグネシウムを使い、これに漢方薬や坐薬、液体のピコスルファートを加えていく方法をとっています。
ルビプロストンという薬も時々処方しますが、便秘薬としては薬価が高すぎるのが難点です。

ほとんど問題ないとはいえ、これらの薬には副作用が付きまといますが、リナクロチドには副作用がほとんどないようです。
14個のアミノ酸ががっちりと組み合った構造をしていて、体内に吸収されない上、最終分解産物も小ペプチドやアミノ酸なのでかなり安心です。

最初は過敏性腸症候群 ( IBS-C ) という疾患にのみ使えるのですが、半年程すると一般的な便秘にも使えるようになると聞いています。
ここにメーカーの戦略が見て取れる気がします。
現在、IBS-C に適応のある薬剤が全くないので、画期的な新薬というイメージを持たせることができます。
私自身、IBS-C に対しては漢方薬と酸化マグネシウムを組み合わせを基本として治療していくのですが、単剤で治療出来ればそれに越したことはありません。
また、一般的な便秘に対しての適応を最初から取ると薬価を低く抑えられてしまう懸念があるはずです。
実際に決まった薬価は92.4円で、これを1日に2錠使うので1日薬価としては184.8円になります。
1日300円を超えるルビプロストンに比べると高くはないけど、安くもないといった感じですね。
でも、裏技が使えそうな気もします。
この薬は食後に服用すると下痢の副作用が多くみられるため、食前に服用するようになっています。
ということは、1日1錠だけを食後に飲むのもありなんじゃないかと思うわけですが。

当ブログでは、これまで便秘薬などについていくつか書いてきましたのでご参考までに。

 ■ ニガリダイエットの正体
 ■ 男女の違い その2
 ■ 過敏性腸症候群の治療薬
 ■ 酸化マグネシウム錠剤の比較

日本漢字能力検定協会による年末恒例の「今年の漢字」。
今回は「」でしたね。
一方、ある医療系のサイトで「医師が選ぶ今年の漢字」という募集があって、そこで選ばれたのは「」でした。( → こちら )

へろろ今年ほど薬剤の価格に注目が集まった年はないと思います。
米国ではダラプリムという薬の価格が一気に55倍も値上げされ、大統領選でも議論されました。
日本ではニボルマブ ( オプジーボ ) などの高薬価の薬剤がクローズアップされ、原則 2年に一度だった薬価改定を毎年にする方針を政府が推し進めようとしています。

我々が処方する薬の値段は、新薬として登場以降は基本的にどんどん切り下げられていきます。
卸が医療機関に納入する金額を定期的に調査して2年ごとに改定していくのですが、そこで奇妙な現象が起きてきます。
一つの薬を複数のメーカーが異なる名称で販売する日本独特の商習慣である「一物二名称」。
例えば糖尿病治療薬であるシタグリプチンには「ジャヌビア」「グラクティブ」がありますが、現在前者の50mgの薬価が136.50円に対して後者は138.20円です。
前者の実勢納入価が安かったということですね。
また、降圧薬であるアジルサルタン ( アジルバ ) 20mgの薬価は139.8円。
このアジルサルタンにアムロジピンという成分を加えた「ザクラス配合錠」という合剤があります。
アムロジピンの用量が2.5mgと5mgの2種類の品揃えなのですが、その合剤の薬価はいずれも131.6円なのです。
加えられているアムロジピンの量が異なるのに薬価は同じで、しかも単剤のアジルサルタンより安くなっているというややこしい状況を呈しています。

古くからある薬でも、ウルソデオキシコール酸スクラルファートのように評価が衰えないものもあります。
機械的に薬価を下げていくばかりではなく、医療の現場で高く評価されている薬剤については相応の値付けをする仕組みがあってしかるべきだと思うのですが。

ワクチンテレビの影響は大きいものです。
インフルエンザの流行が早いとの報道に、ワクチン接種を希望される方が急に増えています。
また、午前中の接種が効果的との情報も流れたようで、実際に午前中に来られる方が例年になく多いですね。

♦♦♦♦♦
 
午前中の予防接種に関する研究報告が、今年相次ぎました。

まず、インフルエンザワクチンを65歳以上の高齢者を午前と午後に注射するグループに分けて打ったところ、午前のグループで抗体の上昇が大きかった、というイギリスからの報告。( → こちら )
そして、大阪大学からマウスを使った研究報告。
マウスは夜行性なので、交感神経の活動の高まる夜間にワクチンを打った方が免疫応答が強かったというものです。( → こちら )

このように複数の報告があると、午前中に予防接種を受けたくなりますよね。
でも注意点もありそうです。
例えば、前者では65歳未満でも同様の結果が得られるのかどうか‥。
後者では、生活スタイルの違うマウスでの結果から本当にヒトでは日中が効果的と言えるのか、ワクチンの種類は問わないのか‥。
私は普段から論文の報告を額面通りに受け止めないようにしていますので、そういう疑問をはさみたくなります。
そう言いながら、午前中にワクチン接種を受けた私でした。

インフルエンザワクチンの接種はお早めに。

「ヨードそのものを靜脈内に應用し完全に殺菌的特性を發揮する製劑」・・・!!

調べ物をしていて、たまたまたどり着いたサイトに面白いものがありました。
戦前の医薬品の広告を写真で紹介しているブログです。( → こちら 写真の原典も)
昭和2年 (1927年) の雑誌に掲載されていた広告なのですが、見ているだけでワクワクします。
最近まで売られていた咳止め、フスタギンの名前も見受けられますが、気になるのは結核や淋病、腸チフス・赤痢に対する薬が売られているということです。
抗生物質であるペニシリンが発見されたのが翌年の1928年で、それが実用化されたのは1942年のことですから、どういう知見を元にして商品となっていたのか興味を持ちました。

Specijodこの中で冒頭に宣伝文句を挙げた「殺菌力強大なる特殊ヨード剤」という注射薬スペチヨードが、塩野義製薬の前身である塩野義商店から発売されていたようなので、塩野義製薬に問合せしてみました。
そこで得られた回答は、社史に昭和2年に発売されているという記載があるのみで詳細はわかりません、というものでした。
どのくらい効果があったのか、いつまで売られていたものなのか、知りたいところではありましたが‥。

右の写真はクリックすると拡大するのでご覧下さい。
ヨードチンキは「沃度丁幾」と漢字表記していたことは勉強になりましたが、「殺菌消毒力顯著にして静脈内注射をなし得」「多量に靜脈内に注射するも副作用無し」「應用廣く効力確實なり」という特徴、本当なのでしょうか。
ヨードアレルギーはなかったのでしょうか。
興味が尽きません。

薬の歴史、調べてみると本当に面白いですよ。
機会がありましたらまたブログに書いてみますね。

薬私が風邪に抗菌薬 ( 抗生物質) を処方しなくなって久しくなります。
医者になりたての頃、先輩医師から「ウイルス感染でも二次感染を予防する意味がある」と教えられ、それを信じて抵抗感なく処方していた時代もありました。
でもそれは「もしものため」という、医学的には全く根拠に乏しいものでした。

世界的に抗菌薬の不必要な処方が問題となっています。
我が国でも伊勢志摩サミットに先んじて、2020年までに風邪への抗生物質処方を規制するなどして使用量を現在の3分の2に減らそう、という行動計画を公表しました。
先月には、東日本大震災の際に避難所で被災者に処方された抗菌薬の9割は不必要なものであったことが報告されています。

つい最近「フロモックス錠100mgが効かないのはなぜ ?」という記事がネット上に登場しました。
フロモックスに限らずメイアクトやセフゾンなど第三世代経口セフェムと呼ばれる抗菌薬が、ほとんど体内に吸収されない薬剤であることが書かれています。
最後には「フロモックスばかり出す医者は要注意」という項目があり、念のためという安易な発想でしかも感染部位には届くことのない薬を処方する医師をやんわりと咎めています。

「患者への抗菌薬は医者にとっての抗不安薬」などと揶揄されることもあります。
そういう長年の慣習からか、風邪に抗菌薬を処方しないと「私の風邪は抗菌薬ですぐ治るのに」と一部の患者さんから怒られる場合もあります。
しかし、私はウイルス感染には抗菌薬を出しませんし、仮に細菌感染であっても人間の体はそんなに柔なものじゃなく大抵自然に治ってしまうことを知っています。
細菌感染がわかって抗菌薬が必要な場合でも、第三世代経口セフェムの名を処方箋に書くことはありません。
随分前から抗菌薬は適正に使っているつもりなので、20年度までに更に3分の2に減らすのはちょっと無理な話ですが‥。

痛い九州南部の梅雨入りが本日発表されました。
明日以降しばらく雨は降らない予報なのですが、発表のタイミングというのは難しいのでしょうね。

さて、梅雨時に頭痛がひどくなるという方がいらっしゃいます。
この場合、市販の頭痛薬で済ましてしまう方も多いと思いますが、注意を要する成分があります。
それは「アリルイソプロピルアセチル尿素」というという物質です。

新セデス錠・ロキソニンSプレミアム錠・イブクイック頭痛薬DX・ノーシンピュア・バファリンプラスS等、ちょっとグレードが上だぞ、と思わせるようなネーミングの商品ににこの成分が含まれています。
ちなみに、我々の処方するSG顆粒にも含まれています。

アリルイソプロピルアセチル尿素には痛み止めとしての働きはなく、鎮静や催眠作用があるのですが、鎮痛の補助作用があるとか。
しかし、この成分、習慣性があることや副作用の観点から海外では使われていないのです。
繰返し使っていると依存性を生じ、乱用してしまう危険性を孕んでおり、頭痛薬が手放せなくなってしまう状態になる可能性があります。
もちろん、乱用していなくても眠気を誘う成分ですから、運転などには注意が必要となってきます。
安易な使用は是非とも避けたいところです。
( この成分を配合している他社の痛み止めは効くぞ、という噂が立つと売上げに響くので、こぞってラインナップしているのだと思いますが、日本の製薬会社はこの成分の依存性を利用して薬をたくさん消費してもらおうと企んでいるのでは、と勘ぐりたくもなってきます。)


頭痛には様々な種類があり、それを見極めて乱用に繋がらないように薬を適切に選んでいく必要があります。
ちなみに、梅雨など天候がからむ頭痛には五苓散という漢方薬が効果を発揮することが多いです。
慢性的な頭痛にお悩みの方は一度ご相談くださいね。

注射今シーズンのインフルエンザワクチンはA型 2種類、B型 2種類に対応した 4価のワクチンとなります。
これまではA型 2種類、B型は 1種類の 3価でした。

これに伴いワクチンの価格が上がりますが、
その値上がり幅に医師の間で多くの疑問の声が上がっています。
だって1.5倍になるのですよ。
全国的にほぼ同じ卸値が提示されているようなのですが「卸連合 ( 日本医薬品卸業連合会のこと? ) で決まったから値引きは難しい」といったような内容の説明も受けました。
事実かどうかはわかりませんが、別の情報として「厚生労働省の主導のゆるやかな価格カルテルで、高齢者は実質公費負担となっているため、今回の 4価ワクチンの導入を機に上限・下限設定がなされた」という話も伝わってきています。
2013年に埼玉県の某医師会が接種料金のカルテルを結んでいたとして公取委が処分を行ないました。( → こちら )
最終的な料金に関して医師会は処分を受けてしまうのに、その一歩手前の卸値ではお役所主導 (??) って、これが事実ならばおかしくありませんか、皆さん。


さて、別の話題になりますが、先月末の毎日新聞のサイトに「インフルワクチン : 乳児・中学生に効果なし」という記事が掲載されました。
元の論文を読めばわかることです ( → こちら ) が、まったく見当違いの報道内容にはあきれてしまいました。
論文の中では乳児と中学生に関して対象者が少なく統計学的な検証ができなかったことや、研究対象となったシーズンはワクチンの接種時期とB型インフルエンザの流行時期に開きがあったことなどが考察されているのです。

ただ、この論文でちょっと気になる点があります。
38℃以上の発熱で外来受診した 6ヶ月から15歳で、インフルエンザ迅速診断キットの陽性例と陰性例の間で比較検討しているのです。
そもそもワクチンが効いていて病院を訪れなかったであろう人のことは全く考慮されていないのです。
本来ならば、ワクチン接種の有無でグループ分けをして、それぞれのグルーブのインフルエンザ発症率を比較するのが一番すっきりとした方法です。
 
今回の記事に限らず、報道やネットのサイトに掲げられた情報などをすぐに盲信することは危険です。
元をたどっていくと全く異なった姿が見えてくることもあります。 

昨日のクローズアップ現代で残薬問題が取り上げられていました。
私にとって目新しいものはそう多くはありませんでしたが、ポリファーマシーや薬剤性認知症のことにも焦点が当てられていて、現状に驚かれた方も多いのではないでしょうか。

薬2薬の副作用を別の薬で抑え込んでしまおうとすると簡単に増えてしまいますし、多科受診でそれぞれの医師が他の処方との兼ね合いを全く考えずに (というか薬の相互作用にあまり知識がないままに) 処方を出すなどで一人の患者さんにびっくりするくらい多くの薬が出ていることもあります。

私は数年前から通院中の患者さんの不必要な薬を減らす努力をしています。
減らすと喜ぶ方が多いのですが、逆にとても抵抗される方がいらっしゃいます。
必要性の低さをじっくり説明するのですが、怒って別の病院に替わってしまう人さえいます。
私は余計な薬を出すつもりはありませんので、どうぞご理解をお願いしますね。

また、飲み残してしまった薬については遠慮なく伝えていただければありがたいです。
うっかり飲み忘れ以外に、1日2食しか食べないから昼の分は全然手を付けていないなど残薬がライフスタイルに起因することもあります。
飲み方を工夫するなどで解決できることも多いので、上手に解決していきましょうね。

残薬やポリファーマシーって本当に頭を悩ます問題です。


参考) STOPP Criteria  → 日本語訳はこちら 

こいのぼり休むパターンは人それぞれだと思いますが、明日からゴールデンウィークの4連休。
鹿児島はあいにくの天気となりそうですね。

当院も暦通り、3日から6日まで4日続けて休診となります。
ご了承下さい。

なお、本日2日は通常通り18時30分まで外来を行なっておりますので、どうぞご利用下さい。

注射器昨年10月から始まった高齢者を対象とした高齢者の肺炎球菌ワクチンの定期接種。

本年 4月からは対象となる方が新しくなっています。
平成27年度 ( 本年4月から来年3月末日 ) までに
65歳・70歳・75歳・80歳・85歳・90歳・95歳・100歳となられた ( る ) 方です。

鹿児島市では3000円の助成が行われ、残額を窓口で支払っていただくことになります。
価格は各医療機関でまちまちです。
当院は適切な価格設定をしたつもりなのですが、他の医療機関に比べて安いという話も聞きます。
詳しくは電話にてお問い合わせ下さい。

当ブログでは肺炎球菌ワクチンに関してこれまでも情報をお伝えしてきましたが、詳しくはこちらの過去記事などをご参照下さい。( → こちら )

注射昨年10月から高齢者の肺炎球菌ワクチンが定期接種化されました。

平成26年度 ( 昨年4月から本年3月末日 ) までに
65歳・70歳・75歳・80歳・85歳・90歳・95歳・100歳となられた ( る ) 方が対象で、今月末までに受けていただく必要があります。

4月からは平成27年度に当該年齢になられる方、と対象者が変わってきます。
駆け込みで受けに来られる方もちらほらおられますが、希望される方は今月中に来院して下さいね。

胃今週、相次いで酸分泌抑制薬 (プロトンポンプ阻害薬 : PPI ) が新規に発売されます。

このPPIというジャンルの薬、消化器医以外の医師には敬遠されがちなんですね。
いくつかの要因があると思います。

まず、強い薬、というイメージがあるようです。
従来のH2ブロッカーという薬との比較でそのように感じるのでしょうが、強力というよりより確実、というふうに解釈してもらいたいものです。

また、適応となる疾患名が複雑すぎる点もあると思います。
「胃・十二指腸潰瘍」「逆流性食道炎」はまだわかります。
「ヘリコバクターピロリの除菌」となると消化器医以外には関係ない、となるでしょう。
「非びらん性胃食道逆流症」て何? とイメージが湧きませんよね。
「非ステロイド性抗炎症薬投与時における胃潰瘍または十二指腸潰瘍の再発抑制」「低用量アスピリン投与時における胃潰瘍または十二指腸潰瘍の再発抑制」となるともう面倒臭いとなってしまいます。
PPIの種類によって適応や用量が微妙に違っていて、消化器医でも間違ってしまうことがあります。

近年、特に高齢者においてたくさんの薬を併用していることが問題となってきています。
そこで、不必要な処方を減らすべく提唱されている STOPP Criteria という基準がよく使われるようになってきました。( → 日本語訳はこちら )
使用すべきでないケースが列挙されている中において、薬が併用されていないことを咎めている項目があります。
心血管イベントの中の2つ、
 ⑨ アスピリンとワーファリン併用患者にH2拮抗薬 ( シメチジンは除く ) もPPIも併用していない
 ⑪ 胃十二指腸潰瘍既往のある患者にH2拮抗薬かPPIを処方せずにアスピリンを投与
です。
消化管系の副作用を極力避けるために、酸分泌抑制薬の処方が必須なのです。
しかし、循環器医や脳外科医が適応病名を付けるのを煩わしく思って、酸分泌抑制薬を投与してくれないことが多いのが現状です。

改善する一つの方法として私からの提案があります。
PPI の適応を全部まとめて「酸分泌関連疾患」とシンプルにしてはどうでしょうか。
これならば、厄介に思う医師は少なくなるはずなんですが。


先日、紙バカジャンク市というイベントに出掛けました。
その名の通り、紙にまつわる様々な商品や雑貨を売っていたのですが、そこでなぜか古い市販薬が売られていました。
興味津々で消化器に関連した二つを買ってきました。

一つは下の写真の「はらトンプク胃腸散」で、もう一つは「赤玉はら薬」という薬。

前者は、次硝酸ビスマス・次没食子酸ビスマス・蓚酸セリウム・フラスキン・パーポン・炭酸カルシウムという構成です。
ビスマスは胃薬として使われますが、日本では一般的ではありません。
蓚酸セリウムには制吐作用があるようで、フラスキンは抗菌性製剤というところまで分かりましたが、パーポンについては不明です。

後者の成分は、ロートエキス・センソ・センブリ・ゲンノショウコ・オウバク・五倍子、と生薬主体。
センソってガマの油のことなんですね。
今でも売られている胃薬の中に「赤玉」という名の入ったものがいくつかあるります。
胃薬の代名詞的な意味合いがあるのでしょうか。
興味を引きます。

どちらの効能にも「胃腸カタル」とあるのですが、現代医学では全く使わない用語で、一体どんな症状を指すのか消化器をやっている私にもよく分かりません。
調べてみたら、我々の処方する漢方薬にも胃腸カタルに適応のあるものがいくつかありますけれども。

中身が入っていますが、期限はとっくに切れているはずです。
飲んだらおなかをこわしそうなので、そのまま資料として大事にしていきたいと思います。

はらとんぷく

薬を飲む薬を飲むとき、私を含めほとんどの方はちょっと上を向くようにしますよね。
ところが、です。
先日ドイツから薬を簡便に服用する方法についてちょっと驚くような内容の研究報告がありました。
そこには二つの方法が紹介されています。

一つの方法は水を入れたペットボトルの口をくわえたまま水を飲み込み錠剤を流し込むという方法。
これだとペットボトルを用意する必要がありますし、お行儀が悪いように見られそうですね。

そしてもう一つ紹介されていた方法ですが、これはお勧めです。
うつむいて飲み込むのです。
報告を読んだときに、これはのどに引っかかって大変なことになるのではないかと思いました。
ところが、試してみると意外や意外、普段の方法より苦痛なく速やかにのどを通っていくではないですか。
しかも少量の水で飲み込めてしまうのです。
自分が鵜飼いの鵜になったのではないかと思えてきます。
( 実際のところ鵜は首をゆすって飲み込んでますが )

どういうメカニズムなのか調べてみようと思っていますが、とにかく楽な薬の服用法です。
皆さんも是非試してみて下さいね。
これまでの飲み方には戻れなくなりますよ。

↑このページのトップヘ