野口内科 BLOG

  鹿児島市武岡に開業して41年の野口内科です。
  医療・健康に関する情報はもちろん、近隣の話題、音楽・本のことなどを綴ってまいります。

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 ただ今流行中

日本でも新型コロナウイルスに感染する人が増えていて、新規の感染者が1日に200人を超える状態に突入しました。

ウイルス今週初めにも緊急事態宣言、ないしは東京都のロックダウンが実施されるのではないかと予想していました。
でも、まだ持ちこたえているとの判断で、さまざまな分野への自粛要請に踏み留めています。
なぜ自粛要請という形なのかと言うと、そこには金銭的補償が発生しないからです。
命令となれば、賠償責任等の問題が出てくるのです。

正直、そんなことを言っている場合ではないと思います。
4月1日に日本医師会が「医療危機的状況宣言」と言うのを出したのも、もたもたしている政治に決断をを促すためではないでしょうか。


♦♦♦♦♦

Hungaryさて、各国でもさまざまな新型コロナウイルス感染対策がなされていますが、私が最も注目しているのが中欧ハンガリーの対応です。
以下にその概略を記します。

▶▶▶
3月11日
ハンガリー国内での感染者が13名の段階で非常事態宣言。

この時は、感染多発国からの外国人の入国禁止、集会の制限程度ですが、これを受けて大学は校舎への立ち入りを禁止に。


▶▶▶ 3月16日
感染者39名の段階で罰則規定を盛り込んだ追加措置発表、17日より実施。

国境を閉鎖し、ハンガリー人を除き全外国人の入国禁止
飲食店を含む店舗の営業時間制限 ( 6時~15時、例外あり )
集会・イベントの禁止
70歳以上は外出しないよう勧告
スポーツイベントは無観客試合以外の制限
劇場、映画館、博物館、美術館、図書館等の閉鎖
16日から初等・中等教育の生徒は登校禁止とし、オンラインでの授業に。



▶▶▶ 3月27日
感染者が300名を超え、罰則規定を盛り込んだ時限的 ( 3月28日からの14日間 ) な外出制限令発表。

正当な理由がある場合のみ外出OK ( 細かな規定あり )
人との距離を1.5m以上保つ
デリバリー・テイクアウト以外、飲食店の営業禁止
買い物は、9時~12時は65歳以上の人、65歳未満の人はそれ以外の時間帯で


日本と違って7つの国と国境を接するという事情もあるでしょうが、感染者が少ない段階から様々な手を打っています。

3月11日の措置は、イタリアの動きを受けてのものと考えます。
3月8日にイタリア北部の封鎖を発表すると、国民は南部へ逃げ出す動きが出ました。
このため9日には封鎖をイタリア全土に拡大、すると外国人が自国へ戻る動きが強まりました。
イタリアからウイルスを持ち込まれたら大変ですからね。

また、最初は子供への感染が少ないため初等・中等教育の休校を見送っていましたが、16日には方針変更。
しかし、休んでるだけの日本と違ってオンラインにて授業は続けています


3月27日の外出制限令で注目すべきは、買い物の時間を年齢で分けていることです。
ご存知だとは思いますが、新型コロナウイルスに感染すると高齢者ほど重症化しやすいと言われているので理にかなった措置だと思います。

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オルバン首相ただ、3月30日になって、広範な緊急措置を命令できる権限を政府に無期限に与える法案がハンガリー国会で可決されました。
新型コロナウイルスに対応するための措置だとされていますが、強権政治で批判の多い同国のオルバン首相の独裁政治に繋がりかねないという側面もあるため、EU各国や米国からも批判が上がっています。




一連の措置で、ハンガリーの新型コロナウイルス感染者の推移がどうなるか、そして周辺国との友好関係がどうなるのか、今後も目を離せません。

3月15日の南日本新聞に非常に興味深い記事が載っていました。


1918年から翌年にかけて世界で大流行したスペイン風邪についてです。
当時の地元の新聞から、スペイン風邪についての記事を拾い上げているのですが・・・、

10月24日付の師範学校付属小学校の臨時休校を伝えるニュースを皮切りに、記事が爆発的に増えていくようです。
11月3日には鹿児島市だけで患者が5000人、12月1日は薩摩郡内だけで1万7300人、18日には県内の死者が4000人、感染者が30万人と伝えているそうです。
感染者が多くて、鉄道の減便、郵便配達や店の営業の困難等が起き、医師や看護師も多くが倒れたとあります。

参考までに、当時の鹿児島市には、まだ伊敷の一部や吉野、桜島、谷山地区などは含まれていません。


pandemicスペイン風邪では、世界中で3割の人が感染し、5000万人から1億人が亡くなったとされています。
当時の社会は大変な混乱に陥ったことでしょう。
今回の新型コロナでは、過去の経験を元にして感染拡大を防ぐ様々な措置が取られていますが、記事からは当時の病院自体がまともに機能していなかったことが伺えますよね。
テレビはおろかラジオすらない時代、貴重な情報源である新聞を元にして、人々がどのような行動を取ったのか、もっと知りたいところです。


新型コロナウイルスの感染蔓延で、日々のトップニュースはそればかり。
新聞以外にも様々な所から情報を手に入れることができる現代ですが、溢れ返る情報に躍らされている一面もあります。
例えば、トイレットペーパーの騒動しかり。
2020年3月19日現在、鹿児島では一人も発症者が確認されていませんが、あたふたしている人がいかに多いことか。

新型コロナウイルスに感染しないに越したことはありませんが、情報を正しく取捨選択して、いかに賢く行動できるかも今試されています。

新聞もテレビもネット上でも、新型コロナウイルスの情報がトップに来るので、患者さんとの話題もそのことばかりになってしまっています。

手洗いさて、鹿児島市では3月2日から、小中高校の休校措置とられています。
実は、当院の近辺ではその直前にA型インフルエンザの患者さんがちらほらといらっしゃいました。
たまたま学校が休みに入りましたし、皆さんが今感染症に非常に敏感になっていることもあって、インフルエンザが拡がる気配は見受けられません。
不幸中の幸いですね。

鹿児島では、今のところ新型コロナウイルス感染症の方は一例も報告がありません。
インフルエンザも含めた感染症の予防の基本は手洗いです。
こまめに手を洗って下さいね。


インフルエンザ世間は新型コロナウイルスの話題で持ち切りです。
マスクや携帯できる消毒剤などの品切れが続出しているようです。

一方で、インフルエンザ。
あまりに身近な感染症なのであまり怖さを抱かないかも知れません。
でも、日本では年間に1000万人単位で罹患し、1万人程度がインフルエンザが原因で亡くなっていると言われています。
ちなみに2017/18年のシーズンでは2249万人がインフルエンザで医療機関を受診したと推計されています。

そのインフルエンザですが、昨年10月初めに流行り出して今年はどうなることかと思いました。
しかし、今シーズンは暖冬傾向にあるせいでしょうか、あまり流行していません。
鹿児島県のインフルエンザ定点医療機関を受診した患者数の推移を12月後半からみてみると

 2019年第51週 ( 12/16~12/22 )  23.64
 2019年第52週 ( 12/23~12/29 )  25.95
 2020年第01週 ( 12/30~01/05 )  18.15
 2020年第02週 ( 01/06~01/12 )  23.72
 2020年第03週 ( 01/13~01/19 )  22.13
 2020年第04週 ( 01/20~01/26 )  23.68

と、概ね横ばい傾向にあります。

また、全国的には既にピークアウトしたのではないかという観測も出ています。
( ピークは感じてませんが。)
ただし、B型の割合が増えてきており安心はできません。( グラフは日経メディカルオンラインから )

インフルエンザ動向

少なくとも新型コロナウイルスによる死亡例は日本ではまだなく、九州では発症例もありません。
しかし、インフルエンザなど身近な感染症を防ぐ意味でも、手洗いやうがいなどの感染予防の基本を徹底して下さいね。


インフルエンザ新年が明けて、外来ではA型インフルエンザの方が急増しています。
年末年始の民族大移動が感染を拡散させるのだろうと思います。


治療薬としてはこれまで

◎ タミフル ( 内服薬 )
◎ リレンザイナビル ( 吸入薬 )
◎ ラピアクタ ( 点滴 )

の4種類がありましたが、昨年の流行の終わる頃に「ゾフルーザ」という、これまでとは作用機序が異なる新薬が発売されました。
たった1回服用するだけで済むということでテレビや新聞などで盛んに報道されており、この薬を指名する方もいらっしゃいます。


しかし、注意点もあります。
まず、A型インフルエンザウイルスの遺伝子変異が他の薬と比較して高頻度 ( 23.3% ) にみられること。
変異することで薬の効きが悪くなるようで、WHOはゾフルーザが発売されている日本・米国と未発売のオーストラリアを比較して、この変化を監視しています。
日本小児科学会では推奨を見送りましたし、現段階では採用しないとする医療機関もあります。

また、薬価の問題もあります。
通常、3割負担でおおよそ1400円強しますが、体重が80kg以上の方は倍量服用する必要があり、当然負担も倍になります。
これに対して、昨年9月に発売されたタミフルのジェネリックである「オセルタミビル」は3割負担で400円ほど。
タミフルのジェネリックなら、窓口での支払いが1000円ほど安くすむのです。

そして、1例だけゾフルーザを内服後に嘔吐してしまった方がいらっしゃいました。
保険診療上、もう一度処方することができないのです。
一発勝負の怖さですね。


以上のような情報を提示し、さらにどれを選んでも症状が軽くなるまでの時間にほとんど差がないことを説明した上で、どの薬を選択するかは、患者さんと相談して決めています。

ま、罹らないに越したことはないので、基本的なうがいや手洗いを徹底して予防に努めて下さいね。


今年の春先は麻疹が流行しました。( → 強力な麻疹 ( はしか ) の感染力 )
今は、関東や東海地方を中心に風疹の流行が続いています。
今月14日までに1289人の発症が確認され、去年の13倍以上になるに至り、米国疾病管理予防センターは、予防接種や過去の感染歴がない妊婦は日本に渡航しないよう22日に勧告を出しました。
恥ずかしい限りですね。

25日になって、とうとう鹿児島県においても風疹患者が1名確認されたと発表がありました。
薩摩川内市の40代の男性だということです。
流行地域への渡航があったのかどうかなど詳しい情報が知りたいところです。

ちなみに、薩摩川内市は2013年の流行時にも鹿児島県内で最も多くの患者が確認された地域です。
当時のブログに先天性風疹症候群のことなどに簡単に触れていますので、参照してみて下さい。

風疹の予防接種の重要性
風疹、鹿児島は要注意です

妊婦また、NHKでは以前から「ストップ風疹」というプロジェクトを続けています。
今回も非常にわかりやすい1分の動画を公開していますので、是非ご覧になって下さい。( → 「ストップ風疹」感染拡大を防ぐには(ショート動画))
この動画については、ツイッター上で「どうぞ、ご自由に使って下さい」とありましたので、今月から始めたばかりのデジタルサイネージにおいても活用させてもらっています。( 10月からデジタルサイネージ、開始してます )

流行が拡大する前に、妊娠を希望される女性やその周囲の方々は、抗体検査やワクチン接種を積極的に行って下さいね。

先月、沖縄で発症が確認された麻疹 ( はしか ) の感染拡大が続き、18日現在沖縄県内だけで63人を数えています。
きっかけとなったのは台湾からの旅行者の持ち込みでした。
麻疹という疾患の恐ろしさはあちこちで解説されていますのでその点は省略して、今回はその感染力の強さに的を絞って書いてみます。


はし麻疹の潜伏期間と発症のプロセスをみてみましょう。
まず潜伏期間は10~12日間あります。
潜伏期間を経て発熱などの症状が出てきますが、カタル期と言ってこの時期ではなかなか麻疹と診断できません。
2~4日のカタル期を経て一旦熱が下がり、再び熱が出ると同時に特徴的な皮疹が出ます ( 発疹期 ) 。
典型的な症状が出て麻疹と診断されるのに時間がかかるのもさることながら、カタル期の前日くらいから周囲への感染が始まるとされている点も非常に厄介な点です。
潜伏期間の間に、人はタンポポの種のようにあちこちに散らばっていきますし・・。

そして、感染力の強さ。
感染力の強さを表すのに「基本再生産数」という数値が使われます。
これは『ある感染者がその感染症に免疫を全く持たない集団に入ったとき、感染性期間に直接感染させる平均の人数
』を示すものです。
皆さんがよく遭遇するインフルエンザではこの数値、2~3 であるのに対し、麻疹は 16~21
身近にインフルエンザ患者さんがいるだけでも大騒ぎしますが、麻疹はとてつもなく強力な感染力を持っているのだとご理解いただけるでしょう。


日本も10年ほど前までは「麻疹輸出国」という恥ずかしいレッテルを貼られていました。
1回では十分に抗体が得られない場合もあるため、2006年からMRワクチンの2回接種が始まりました。
その効果が出て、2010年5月以降、国内発症は認められていません。

しかし、最近は海外からの持ち込みが問題となっています。

1回のみの接種だったのは1990年4月2日以前に生まれた方。
40歳以上の方はワクチン接種の機会がなくても、自然感染でほとんどの人が抗体を持っているようです。( → 参考 )
この狭間に該当する方は、予防接種を検討してみて下さいね。

花粉ずっと寒い日が続いており、例年なら2月の初めから飛散するスギ花粉も鳴りを潜めていました。
しかし、ここ数日は気温も緩み今日は日差しが暖かく感じられました。
まだ花粉は多くないようですが、そろそろ対策が必要でしょうね。
鹿児島では2015年以来、花粉が少ない傾向が続いています。
今年は昨年よりもやや少ない予報ですので、花粉症の方にはありがたい話ですね。

私も花粉症持ちなので、これまで試行錯誤してきた薬の使い方のノウハウを蓄積しております。
お困りの方は是非ご相談下さい。
また、花粉症の時期は経鼻内視鏡をやめておけ、と説明する医師がいるようです。
しかし、前処置に使用する血管収縮剤が、花粉症にはプラスに働き鼻の通りが良くなります。
ただ花粉症の症状がある期間は若干出血しやすい傾向にはある印象です。

花粉症の情報はこちらから。( → こちら )
21日以降は急に増える予報です。

節分今日2月3日は節分。
恵方巻きにかぶりつく人も多いと思います。
この風習は私が神戸に住んでいる頃に関西地方で広まったもので昔から親しんでいます。
鹿児島に戻ってきた現在でも、近所にあるお寿司屋の恵方巻きが格別においしいので毎年ありがたくいただいております。

立春をはさむこの時期は一年で最も寒い時期にあたります。
鹿児島は明日から3日間雪の予報が出ているように、例年にない厳しい寒波に覆われるみたいですね。

この寒さの影響なのか、ワクチン供給不足が影響したのか、インフルエンザの流行が続いています。
1月15日から21日の週で定点医療機関からの報告数で鹿児島が86.53人と全国トップに立ちました。
次の週では62.66人で全国6位へと若干落ち着いてきましたが、まだまだ侮れない数値です。

例年以上にインフルエンザの患者さんに対応していますが、私はここ17、8年インフルエンザに罹ったことがありません。( 他の一般的な風邪などはもらってしまうのはよくあるのですけどね )
これは毎年ワクチン接種をしているからだと考えています。
効果の持続するのが5ヶ月くらいと言われているワクチンも、毎年打っていると年間を通して免疫が維持されているという報告もあります。

インフルエンザは罹って辛いばかりでなく、少し症状がよくなっても蔓延させないように一定期間学校や職場を休まなくてはならず、社会的な損失も無視できません。
今シーズン、インフルエンザで痛い目に遭った方は、来期以降の継続したワクチン接種をお勧めします。

年が明けてからの外来は、例年になく患者さんが多く猫の手も借りたい状態が続いています。
ブログのネタになる医療情報の収集もままなりません。

はな17日に鹿児島県内全域にインフルエンザ警報が出ましたが、インフルエンザはもちろん多く、例年よりもB型が目立っています。
これとは別に、軽いのどの痛みから始まり次いで鼻水がタラタラと流れ出といった症状の方が相次いでいます。
発熱はほとんどないものの、頭重感や倦怠感も伴うので皆さんつらそうです。

今週は比較的暖いいい天気が続いていますが、来週はまた厳しい寒さが予想されています。
引き続き体調管理には万全を期して下さい。

flu8日の南日本新聞に掲載されていた折れ線グラフをご覧下さい。
インフルエンザの患者さんの数を昨年と比較したものです。

昨年は正月明けから患者さんが急激に増えて大わらでしたが、減っていくのもあっという間だった印象です。
今年は暖冬で、インフルエンザが流行るのだろうかとさえ思っていました。
インフルエンザの患者さんが目立ってきたのは1月末頃からで、今に至るまで衰える気配がありません。
2月初旬に武岡台小学校で学級閉鎖があったのですが、1ヶ月遅れて今度は武岡小学校で学級閉鎖。
そして、A型とB型がほぼ同じくらいの割合で混在しているのが今年の特徴かと思います。

13日、当院は鹿児島市の内科休日当番になっていますが、インフルエンザの患者さんが大挙押し寄せてこないことを願うばかりです。
うがい・手洗い・マスクなど基本的な予防策は怠らないようにして下さいね。

久しぶりに晴れ間もあった日曜日、かごしま健康の森に行ってきました。
アジサイの花がとてもきれいでした。
観察池に向かう途中に「マムシに注意」の看板があったのですが、今の時期もう一つ注意したいのが「マダニ」です。

ご存知のように重症熱性血小板減少症候群 ( SFTS ) と呼ばれる致死率の高い疾患がこのマダニの保有するウイルスが原因とされています。
鹿児島県では通算11例の発症が確認されていて、そのうち4例が死亡となっています。
野生のシカやイノシシなどの動物の抗体保有率が調べられていますが、平均で3割、場所によっては9割が陽性と、思った以上にウイルスが広まっているようですね。

草むらマダニはちょっとした植え込みや草むらなどに入ったとき、知らない間に衣服に付着。
すぐに吸血行動に移ることはなく、衣服から体表に移動し、脇や内股などの柔らかい部分を狙って刺すようです。
長袖の衣服や帽子などを着用し、露出部分を減らすことも予防策として挙げられていますが、ちょっとでも怪しい場所に足を踏み入れた後には、何も付いてなくても衣服をパンパンと叩く習慣を付けておくことも大事です。

感染症は100%防ぎきることは難しいですが、簡単な心がけでその確立は随分違ってくると思います。

ラクダ2連日のように報道されているので、韓国のMERS ( 中東呼吸器症候群 ) 問題はご承知のことと思います。
それに関連してとりとめのないことを綴ってみます。

9日に鹿児島でMERS対応意見交換会が開かれました。
その翌日、会合に参加した県医師会のお偉いさんとたまたま話す機会があったので、韓国で行われている休校措置は過剰ではないか、と聞いてみました。
それに対して、必要なことだ、という返事。
2009年に新型インフルエンザが流行した時、最初の感染が確認された関西地方では一斉に休校措置がとられたことをご記憶かと思います。
インフルエンザは感染力がとても強いので、有効な手段だったと考えられます。
実際、患者数が一時的に小康状態を保ち、その間に行政や医療機関の体制を整えることができたことは世界的に注目となりました。
でも、今回の韓国の件についてWHOは休校措置の解除を促していますし、厚労省が10日に発表した国内での発生時対応の中でも触れられていません。
MERSの感染力はインフルエンザほど強くはないからでしょう。
ちぐはぐな対応で大きな混乱を招かないように、やるべき対応について今一度確認しておく必要がありそうです。

また、先月、WHOは新興感染症名を定める上に地名や人名・動物名を含めないようにとの指針を出しました。
今回のMERSも該当しますよね。
昔は疾患や細菌などに見出した人物名がつくことが、半ば名誉だったのでしょう。
一体どんな病気なのかをすぐにイメージできない疾患名とその病態を結びつけて覚えるのは学生時代大変でした。
病気の性質をよく表現する名称がつくのなら大歓迎ですが、MERSにはどんな名前が相応しいでしょうか。

年末までほとんど診ることのなかった今シーズンのインフルエンザ。
1月2日の休日当番ではたんさんのインフルエンザの患者さんを診ましたが、8割近くが鹿児島県外からの帰省の方でした。
そこから爆発的に増えてきましたね。

咽頭患者さんが数があまりに多いので、インフルエンザに特徴的とされる「インフルエンザ濾胞」( → 詳しくはこちら ) を観察する絶好の機会と捉えています。
これは咽頭部のイクラ状の小隆起を指し、比較的早期から認められると報告されています。
インフルエンザの症状は、発熱・頭痛・鼻水・咽頭痛・咳・倦怠感・関節痛などの訴えが多いものの絶対的なものはありません。
また、インフルエンザの診断キットも測定するタイミングなどの問題を抱えています。

インフルエンザが流行する以前の昨秋あたりから咽頭部をチェックさせてもらっていますが、インフルエンザ以外の疾患でもこのイクラ状の隆起が認められます。
ウイルスの種類によって性状に違いがあるのでしょうが、もうひとつ捉えきれていません。
濾胞があるからといってインフルエンザと断定するにはまだ困難な気がしますが、少なくとも抗菌剤を必要とする細菌感染でないことは間違いなさそうです。

発熱先月末、30日に鹿児島市内の小学校でインフルエンザによる学級閉鎖が報道されていました。

沖縄県では2005年以降、冬季ほどではないものの夏季にインフルエンザが流行する傾向が続いていますが、これは通年で流行する東南アジアからの旅行者の増加があるのではないかと言われています。
鹿児島でも2012年に夏季に小流行が認められています。
季節を問わず、インフルエンザに注意しなければならない時代になってきたようですね。

また世界に目を向けると中東呼吸器症候群 ( MERS ) が中東以外で報告されるようになったり、西アフリカを中心にエボラ出血熱が猛威を振るっていたりします。
いずれも治療法は確立されていません。
間もなく始まるサッカーW杯でブラジルへ渡航する人には黄熱、A型肝炎、B型肝炎などに対するワクチン接種が勧められています。
狂犬病や髄膜炎、腸チフス、パラチフス、デング熱等にも注意が促されていますね。

清潔な環境で過ごせる日本で過ごしていると甘くみがちですが、我々と感染症との戦いは終わっているわけではありません。


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