野口内科 BLOG

  鹿児島市武岡に開業して41年の野口内科です。
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 診察室のBGM

absinthe【診察室のBGM 161】


Dominic Miller は昨年紹介したばかりでした ( → こちら ) が、今年リリースしたアルバム「Absinthe」も紹介せずにいられません。
テクニックをひけらかすことのない成熟度の高さを感じさせるDominicのギターサウンドはそのままに、今回のアルバムではバンドネオンが加わって、温もりのある肌触りを感じます。
全く正体不明のジャケットを見ながらCDを聴いていると、耽美な音の世界の深みをさまようことができます。

アルバムのタイトルにもなっているオープニング曲「Absinthe」
アルコール度数が高く、禁断の酒と言われたアブサンというリキュールの名を取った作品で、Dominicのサウンドにまさに酔いしれてしまいます。
しかし、下のYouTubeの映像を見ると実に楽しそうに演奏していますね。

学生時代にカクテル作りにハマっていた時期のある私にとって、アブサンの宝石のような薄萌葱色を見ているだけでも至福のひとときだったのですが、聴覚を刺激するアブサンに出会えて骨抜きになってしまいました。



Marquis-Hill【診察室のBGM 160】


米国で権威のある音楽雑誌「ダウンビート」で、2016年に挾間美帆等とともに「ジャズの未来を担う25人」に選出されたトランペッター Marquis Hill 

昨年秋の
アルバム「Modern Flows Vol. 2」で日本デビューとなりましたが、既にマーカス・ミラーの世界ツアーにも参加するなど実力はお墨付きです。
派手に吹きまくるのではなく、渋くダークな音色で表現力豊かにトランペットを響かせます。
曲は、サックスとの掛け合いが多く、それにヴィブラフォンが印象的に絡み、時にラップを含むヴォーカルが入るという変化に富んだ内容です。

今回紹介するのは男女のヴォーカルが交互に掛けあう「Kiss And Tell」
ゆったりと響くヴィブラフォンと小刻みにリズムを刻むシンバルで始まる印象的なイントロに続いて、女性と男性のヴォーカルが代わる代わる登場します。
その合間を、シンプルなメロディーであくまで脇役に徹するトランペットが、枯れて味わい深く鳴りわたります。
単純化された構成だからこそ、技量の素晴らしさが伝わってくる一曲ではないかと思います。


田中菜緒子【診察室のBGM 159】


前回は、中洲ジャズに出演予定の米澤美玖について触れました。
今回紹介する
 田中菜緒子 は、今年で3回目を迎える鹿児島ジャズフェスティバルに出演する予定のジャズピアニストです。

2017年にリリースされたアルバム
「I Fall In Love Too Easily」は、ジャズスタンダードばかり10曲を収録。

彼女は、大学まではクラシックをやっていたようですが、卒業後にジャズに転向。
今回のアルバムのライナーノーツの中で本人が次のようなことを書いています。

『スタンダードを演奏することはとても大事なことだと思っている。基本を重んじ、自分のカラーを出す。私はそんなスタイルが好きだ。』

曲の解釈は多様だけれども、基本的に譜面通りに演奏するクラシックとは違った魅力をジャズに見出したのでしょうね。

曲をカバーする際の姿勢について、とても感銘を受けた言葉があります。
Fried PrideShihoがツイッター上でつぶやいた言葉です。

『カバーする際「その人」の真似をするなんてもってのほか。まず唄い回しも全部捨てること。なんなら譜割りも変える。…というのが私のカバーにおいての絶対条件。エッセンスを元歌から頂くのはアリ。だって同じように歌うなら「その人」より圧倒的にうまくなければ「その人」の方がいいに決まっている。』




アルバムタイトル曲の「I Fall In Love Too Easily」。は、纐纈歩美を紹介した際にも取り上げた曲ですが、
映画「錨をあげて」の中でフランク・シナトラが唄うちょっと物憂げなバラード。
私のiPodの中には、青紀ひかりKaren SouzaJessica Williamsのバージョンも入っています。( なぜか女性ばかり )
それぞれのアーティストによる曲の解釈、それを聴き比べるのも面白いものです。
また、その場限りのパフォーマンスを享受できるライブを堪能するのも幸せこの上ないですね。


米澤美玖【診察室のBGM 158】


女性のプロサックスプレイヤーが本当に増えてきましたけど、ほとんどがアルトサックス。
それゆえ、テナーサックスをバリバリに奏でる少数派に出会うと、思わず聴き入ってしまいます。

北海道出身と言うと真っ先に寺久保エレナを思い浮かべますが、私のアルトと同じメーカーであるキャノンボールのテナーを操っていることもあって贔屓にしているのが道産子の
 米澤美玖 
小さな体で、キャノンボール特有の明るくファットなサウンドを響かせてくれます。

今年リリースされたアルバム
「Dawning Blue」は、皆さんのよく知るバラード曲が7曲収録されています。
その中で私のお気に入りは、ポール・マッカートニー「My Love」
ビートルズ解散後に結成したウイングスの2枚目のアルバムに収録されていて、当時の妻であるリンダへの愛を唄ったバラードです。
多くのアーティストにカバーされていますよね。
私のiPhoneの中にも、Keiko Lee樹里からんのヴォーカル物が入っていてそれぞれが素晴らしいです。
彼女の演奏も、セクシーにキャノンボールの魅力をたっぷり活かして聴かせてくれています。

さて、彼女の生演奏はいまだに聴けていません。
9月の中洲ジャズには来るようなので、それに私のスケジュールが合うと嬉しいのですが。

PianoOdyssey【診察室のBGM 157】


昨年は、映画「ボヘミアンラプソディ」の怒濤の快進撃に合わせてクイーンの曲がリバイバルヒットしました。
私も映画を見に行きましたが、ラストのライブエイドの再現場面には鳥肌が立ちました。

さて、そのクイーンと同時代にプログレッシブロックの代表格として活躍した
イエスのキーボード奏者であった Rick Wakeman が、昨年リリースしたアルバム「Piano Odyssey」の中に、何と「Bohemian Rhapsody」が収められています。

彼については11年前に当ブログ「診察室のBGM 21」で紹介していますが、身に付けたクラシックの技術を下敷きにした流麗な指捌きには定評がありますよね。
今回のアルバムでは、クイーン以外にイエス時代の曲や、ビートルズ、デビッド・ボウイ、サイモン&ガーファンクルの作品が取り上げられていて、それぞれ見事なアレンジで聴かせてくれます。
そして、リストの「愛の夢」に自分の曲を重ねたり、ヘンデルとドヴォルザークの曲をくっつけたりなどの面白い試みも。

で、「Bohemian Rhapsody」ですが、オーケストラにクワイアを加えて、格調高く聴き応えのある作品に仕上げています。
そして、後半からは何と
ブライアン・メイのアコースティックギターが加わります。
ピアノやオーケストラに重なる弦の響きは、オリジナルのギターソロとは全く違う場面に登場しますが、それもまた聴き所になっています。

あまりに見事な出来栄えなので、他の数曲と合わせて診察室のBGMに加えています。


秋田慎治【診察室のBGM 156】


先月、ギラ・ジルカ矢幅歩のヴォーカルユニット、SOLO-DUOのライブに行きました。
その時のツアーメンバーとして参加していたピアニストが
 秋田慎治 

以前、BS朝日の「Groovin' Jazz Night」という音楽番組で司会をやっていた時から彼のピアノを聴いてきましたが、実際に生の演奏に触れるのは今回が2度目のこと。
SOLO-DUOの美しいハーモニーはもちろん、他のメンバーの演奏も素晴らしいものでした。
それに加え、彼の相変わらずの卓越したテクニックも堪能でき、満足のいく一夜でした。

彼が2016年にリリースしたアルバム
「time - 10」の中に、ギラ・ジルカに作詞を依頼したバラードがあります。
TOKUがヴォーカルで参加している「Silence」という曲がそれです。
「女々しい男の歌にして下さい」と作詞を依頼したそうですが、歌詞が掲載されておらず、私の耳では全て聞き取れないのはちょっと残念です。
でも、憂いを帯びたピアノと深みのあるヴォーカルだけのデュオ、男の色気を感じる作品になっています。

インストゥルメンタルや女性ヴォーカルの多い当院の診察室のBGM、たまには変化球もいいですよね。

Kaneko-Miyuji【診察室のBGM 155】


前回に引き続き、クラシックの紹介となります。

昨年のゴールデンウィークにハンガリーに行きました。
当ブログでも記事をいくつか書いていますが、単なる観光にせず、3つのテーマを持って各所を巡りました。
「建物」「ハンガリー動乱」については既に書きましたが、もう一つ残ったテーマ、それは「音楽」です。

一番楽しみにしていたのがリスト音楽院の内部ガイドツアー。
ピアノの魔術師
リスト・フェレンツが創立した音楽教育機関で、校舎そのものが芸術の塊です。
英語による案内なのですが、内部の贅沢な装飾には目を奪われるばかりでしたし、実際のレッスン風景やマスタークラスの学生さんによるミニコンサートまで聴くことができ、充実したひとときを過ごせました。

ということで、今回はお母様がハンガリー人だという
 金子三勇士 の奏でる「愛の夢 第3番 S.541」
誰もが知っている甘美なメロディー。
このリストの代表作は彼が2016年にリリースされた
「La Campanella」に収録されています。
今年は日本とハンガリーの国交樹立150年に当たり、それを記念して近々リストの曲を収録したアルバムを出すようなので、これも楽しみです。

彼もリスト音楽院を出ているようですが、今年の夏に40回目を迎える霧島音楽祭にまた来てくれるハンガリーの歌姫ロスト・アンドレアもリスト音楽院の出身ですね。


ハンガリーに関する主な記事
ガイドブックに載っていないブダペストの観光スポット 聖ラースロー教会
ガイドブックに載っていないブダペストの観光スポット サボー・エルヴィン図書館
ハンガリー動乱の跡をたどる
手洗いの疫学とゼンメルワイスの闘い

classique【診察室のBGM 154】


今回は久しぶりにクラシックの紹介。

昨年7月にリリースされた
 宮本笑里 「Classique」
意外にも全曲クラシックのアルバムは初めてなんですね。
あまりにも有名なラフマニノフ「Vocalise Op. 34-14」
クラシックはあまり詳しくないのですが、ヴァイオリンとピアノだけの構成ながら聞きごたえのある仕上がりになっています。

さて、宮本笑里の演奏を初めて聴いたのは、Vanilla MoodというカルテットでNHKのお昼の番組に出演していた時。
後でオーボエ奏者の
宮本文昭の娘さんと知って驚いたものでした。
私がよく聴くアーチストには、父娘で音楽家というパターンが多い気がします。
当ブログで取り上げたものしとては、土岐英史と土岐麻子、平原まことと平原綾香、トミー・スナイダーとSHANTIなど。
平原綾香はサックスを演奏することもありますが、それぞれ異なるジャンルで活躍しているのは面白いですね。


なお、平原まこととラフマニノフについては
→「adagio ~ 交響曲第2番第3楽章

土岐英史と土岐麻子については
→ 「Smoke Gets In Your Eyes
→ 「You Make Me Fell Brand New
→ 「Christmas In The City

SHANTIについては
→ 「そして僕は途方に暮れる
→ 「Fields of Gold

nuage【診察室のBGM 153】


診察室のBGMは、年末のクリスマスソングから通常モードに切り替わっています。

私が
 木住野佳子 のピアノを聴くようになったのは、セカンドアルバム「Photograph」から
1996年のリリースですから、20年以上も彼女のピアノに浸り続けていることになります。
昔はジャズにはあまり興味がなかったのですが、彼女のアルバムに収録されている曲や、彼女の以前出演していたテレビ大阪の「名曲物語」という番組を通して、ジャズのスタンダードを学ばせてもらったようなものです。

昨年11月に通算20枚目となる
「Nuage」が発売されました。
いつものようにオリジナル曲とスタンダードを織り交ぜた構成になっています。
彼女ならではの優しい鍵盤タッチの安心感は相変わらずですね。

アルバムの中に
「New Cinema Paradise ~ Love Theme」がありました。
エンニオ・モリコーネの傑作の一つですよね。
これが初収録とは意外な気もしますが、彼女の奏でるピアノと少しばかり憂いを湛えた美しいメロディの相性は抜群。
7分30秒の演奏の前半分はピアノソロで、途中からドラムとベースがさりげなく加わっていく構成。
何度聴いても飽きないのは、曲の持つ魅力なのか、それとも演奏の素晴らしさなのか。
いやその両方でしょうね。


ちなみに木住野佳子を紹介するのは3回目です。
1回目 → 「Silent Night」
2回目 → 「Hikari」

エンニオ・モリコーネの作品はこちらでも取り上げています。→ 「Nella Fantasia」

【診察室のBGM 152】Little-Christmas


毎年12月の診察室のBGMは、普段の癒しの曲とは打って変わってクリスマスソングに衣替えするのが恒例です。

今回紹介するのは、
SING LIKE TALKINGでデビュー30周年となった 佐藤竹善 
11月にクリスマスアルバム
「Little Christmas」をリリースし、初っぱなに指宿白水館でライブを行いましたね。
別のスケジュールと重なってしまい、行けなかったのがとても残念です。
アルバムジャケットは、鳥獣戯画をモチーフにしていて楽しい雰囲気が伝わってきます。

収録された一曲
「Christmas Time Is Here」村上"ポンタ"秀一率いるPONTA BOXとの共演。
1965年に作られたスヌーピーの初めての映画「スヌーピーのメリークリスマス」の中で使われた曲で、いろんなアーティストに採り上げられ、定番となっています。
この映画自体も、米国ではこの時期に必ず放映されるとか。
佐藤竹善のヴォーカルもバックの演奏も奇をてらうことなく安心して聴ける仕上がりになっています。

ちなみに、指宿白水館では今週第31期竜王戦第6局が行われます。
昨年は、同じ場所で羽生永世七冠の誕生となりました。
今年は、通算100期のタイトル獲得をかけた戦いとなりますね。




Tony-Bennett-Diana-Krall【診察室のBGM 151】


今年92歳となった Tony Bennett とあと数日で54歳となる Diana Krall が共演したアルバム「Love Is Here To Stay」は、ジョージ・ガーシュウィンの生誕120年を記念し、ガーシュウィン兄弟の作品を選りすぐったもので、二人のデュエットが堪能できるという贅沢が詰まっています。
歴史に名を刻むであろうこのアルバム、ジャケットを見ただけで購入即決でした。

5年前の東京JAZZにTonyが出演した際の番組を見て、その健在ぶりには舌を巻いたものでしたが、そこから更に年を重ねても、これだけ歌えてしまう神業には本当に恐れ入ります。
ちょうど30年前の11月にオープンしたブルーノート東京のオープニングを飾ったのも彼でしたね。
上手に枯れた彼の声に、Dianaの深みのあるヴォーカルが重なって見事なムードを紡ぎ出しています。

「I've Got A Crush On You」は、「Treasure Girl」と「Strike Up The Band」という2つのブロードウェイミュージカルで使われたとか。
Tonyが生まれて間もない頃に作られた曲で、「あなたに首ったけ」という邦題が付けられています。
甘い歌詞とメロディーはガーシュウィン兄弟の傑作の一つですよね。



余談ですが、Dianaの夫である
エルヴィス・コステロは、カップヌードルの生みの親である安藤百福に敬意を表して、10年前に「Momofuku」というタイトルアルバムを出しています。
今、安藤百福とその妻を題材にした朝の連続テレビ小説「まんぷく」をやっていますので、ご参考までに。
エルヴィスは闘病中のようですが、早く良くなってほしいものです。




Ariel-pocock【診察室のBGM 150】


昨年に発売され、ちょっと気になっていたアルバムを最近購入しました。
ジャズピアニスト & ヴォーカリスト
 Ariel Pocock のセカンドアルバム「Living In Twilight」です。

アルバムの全13曲中、9曲目から12曲目までの4曲はヴォーカル無しといういう構成。
ヴォーカルは幼さが残り深みがちょっと欠ける印象のですが、それはそれで許せてしまう不可思議な魅力があります。
対して、ピアノはなかなかの腕前で、オープニングの「The Very Thought Of You」や定番中の定番である「When You Wish Upon A Star」などは、今までに聴いたことのないような面白い解釈がなされていて唸ってしまいました。
2曲収録されているオリジナル曲はラテンの雰囲気も醸し出していて、
最後まで肩肘張らずに聴けるなかなかのアルバムです。

アルバムの最後に置かれているのは、自身のピアノだけでしっとりと唄い上げる
「Go Leave」
元気な曲が多い中で、しっとりと聴かせるピアノとヴォーカル。
診察室のBGMとして流しています。


Ellen-Doty【診察室のBGM 149】


9月8日、9日は第二回鹿児島ジャズフェスティバルが開催されました。
このブログで過去に紹介した、
纐纈歩美松本茜ギラ・ジルカ和田明等が出演。
このうち2名からサインをいただき、ほくほく顔の私です。
あいにくの天気でしたが、昨年に引き続き素晴らしい演奏の数々。
来年以降も更に盛り上がることを期待したいです。

世界の大物が集う東京JAZZは、鹿児島ジャズフェスティバルの1週間前に開催されましたが、その出演者の一人がカナダの女性ヴォーカリスト 
Ellen Doty 
今、世界中が注目のアーティストですね。

デビュー2枚目となる最新アルバム「Come Fall」
彼女の作り出す一つ一つの曲も良し。
耳に心地良くほっと一息つける温かなヴォーカルも良し。
ピアノとドラムだけの、極力装飾を削ぎ落とした演奏も良し。
診察室のBGMに使うのにあつらえ向きの曲ばかりです。


アルバムの中には男性とデュエットしたものが2つありますが、その中の1曲
「Dreams You Don't Remember」
物腰柔らかな彼女の声に、
Scott Mackayという男性の芯の太いヴォーカルが絡んで巧みな味付けになっている、軽やかな三拍子の曲です。

何度繰り返し聴いていても飽きの来ないこのアルバム、日本版は間もなく発売です。
是非手に取ってみて下さい。


The-Glory-of-Gershwin【診察室のBGM 148】


この7月にめでたく還暦を迎えた Kate Bush 
ある日、普段滅多に聴かない宮崎のラジオ局にチューニングした時、いきなり流れてきたのが彼女のデビュー曲
「嵐が丘 ( Wuthering Heights ) 」でした。
あの時の卒倒せんばかりの衝撃は今でも忘れられませんが、彼女のそのデビューは19歳の時でしたから、もう40年以上前のことですね。

歌声にたちまち虜となって、ファンクラブに入りました。
会員番号は50番台だったと記憶していますが、ファンクラブ発足時の会長は、後に漫画家として一世を風靡した
中尊寺ゆつこさんでした。
( ただ、あんまり会報が届かないので1年で退会しましたけど )
独自の音楽観とパフォーマンスは、世界中の多くの人々に影響を与えたと思います。


さて、今回紹介するのはケイト・ブッシュのオリジナル作品ではありません。
1994年に発売されたアルバム
「The Glory of Gershwin」は、ビートルズのプロデューサーとして名を馳せたジョージ・マーティンが手がけたガーシュウィンの名曲を唄うオムニバス。
集まったのは、
エルトン・ジョンスティングロバート・パーマーなどの錚々たるメンバーです。

このアルバムの中でケイト・ブッシュは
「The Man I Love」を披露しています。
この曲は、1924年にミュージカル用に作られた、やや気難しいメロディに切ない歌詞が乗せられたもので、数多くのミュージシャンがカヴァーしていますよね。
下のYouTubeの15分30秒くらいから18分くらいにかけてケイトが唄う姿を見ることができます。
映像的に、これだけ静的なケイト・ブッシュもなかなか見ることができないのではないでしょうか。


甲田まひるplankton【診察室のBGM 147】


この5月にデビューしたジャズピアニスト 甲田まひる 
小さい頃から、
バド・パウエルなどの耳コピをして夢中で弾いて体に音をしみ込ませていったというエピソードを、あちこちで本人が語っていますが、「好きこそ物の上手なれ」とはよく言ったものだなと思います。
アルバム「PLANKTON」は、バドの「Un Poco Loco」から始まりますが、キレキレでノリノリの演奏をしているのがわずか16歳の女性であると聞いたら、誰もが驚くことでしょう。
インスタグラムなど、音楽以外の分野でも注目を集めている彼女の今後の活躍がとても期待されます。

診察室のBGMに採用したのは
セロニアス・モンクのバラード「Ruby, My Dear」
バラードといってもコード進行が目まぐるしく、不協和音も耳につきますし、セロニアス自身の演奏は力強いので、ゆったりとした流れの中にも緊張感のある曲です。
しかし、女性らしい弾き方で、途中でテンポを変えるなどの工夫も凝らした面白い作品に仕上がっています。

コーダジャケット見て気づきましたが、甲田まひるを「Mahiru Coda」としています。
音楽用語の「コーダ ( coda ) 」に引っかけましたか。
コーダはイタリア語で「しっぽ」のことですが、音楽的な意味を改めて調べてみると「一つの楽曲や楽章または楽曲中の大きな段落の終わりに,終結の効果を強めるためにつけ加える部分。結尾部の終結部」となっています。
文章にすると、とても難しくなって何のことだかピンと来ません。
また、「最終楽章 ( コーダ ) 」というレッド・ツェッペリンのアルバムタイトルに添えられた日本語の意味は、ちょっと外れてることになりますね。
コーダの独特な記号は何に由来しているのか、時間があったら調べてみたいと思います。


さて、音楽に関してド素人の私が言うのも何ですけど・・。
ジャズのスタンダードや巨匠の作品を学ぶことは大事だと思いますが、本場米国のジャズは随分変化してきてます。
ちょんまげやチャンバラなど、外国人には既成化した日本のイメージがいまだにありますけど、日本ではジャズに関して、演奏する人も聴く人も年代物をありがたがっていないでしょうか。
特に若いミュージシャンは新しいものをどんどん取り込んでほしいな、と個人的には思っています。

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