野口内科 BLOG

  鹿児島市武岡に開業して41年の野口内科です。
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 診察室のBGM

DR【診察室のBGM 120】


女性ジャズヴォーカリストの大御所中の大御所、 Dianne Reeves 
彼女のことを改めて説明する必要はないでしょうが、この「診察室のBGM」120回目にして初登場です。
私が20代の頃から聴いているその圧倒的な声量は、癒しを目的としたBGMにはなかなかマッチしないんですよね。

長年所属していたブルーノートレーベルを離れて2013年にリリースされた
「Beautiful Life」の中にちょっと気になる1曲がありました。
ボブ・マリーの名曲「Waiting In Vain」は何とレイラ・ハサウェイとの顔合わせという贅沢さ。
ドラムの刻むリズムがレゲエの味を残していますが、レイラとのハーモニーが優しく融合してとてもリラックスして聴ける仕上がりになっています。
彼女の声を常に聴いていたい私としては、BGMに加えることといたしました。




【診察室のBGM 119】
すみれ

「誰にも似ていない"すみれ色のジャズ"」と評価されているピアニスト 栗林すみれ 
彼女の2作目となる
「Travelin'」を手にして聴いてみると、確かに女性らしいタッチでありながら深みがあって浮き彫り細工のように絵が浮かぶ音がアルバム全体に一貫していて、理屈抜きに聴き入ってしまいます。

9曲中7曲が個性溢れるオリジナル曲ですが、今回紹介するのはアルバムの最後に収録されているジャズスタンダード
「Blame It On My Youth」
超ベテランベーシスト金澤英明との2人の掛け合いが見事です。
あなたに一途になってしまったのは若さのせいだった、といった内容の歌詞のつく曲ですが、その歌詞と違って、若いピアノのひた向きな恋に練れ者のベースがしっかり応えてピアノの魅力を存分に引き出してる‥。
そんな感じの名演奏、下のYouTube映像の出だしに1分20秒ほどに収められています。




青紀【診察室のBGM 118】


このアルバム、痺れました。
アルバム全編を貫く"男前"の歌声の持ち主は、"女性"ジャズヴォーカリストの 
青紀ひかり 
上田正樹や河島英五、憂歌団、桑名正博など、選ばれているのはアルバムのタイトル通り、男性ヴォーカルのしかも大阪色の濃い11曲です。
しっかりジャズとしてアレンジされた男と女の綾なす世界。
時にささやくように時に存在感の確かな太い輪郭で、一度聴いたら忘れない彼女独特の歌声がそれぞれの曲に深みと艶を吹き込んでいます。

やしきたかじん
の代表作である「やっぱ好きやねん」は、彼女のセクシーなブレスの吸気音から始まるのですが、これだけでも参ってしまいます。
よくよく聴いてみると他の曲でもこのブレスをポイントポイントで巧みに織り交ぜていますね。
無意識のうちかも知れませんが、魅力の一つとなっています。

アルバム冒頭を決める鈴木央紹のサックスから若井優成のピアノで終わるメンバーの演奏も見事です。
支えるメンバーは他に天野清継、荻原亮、井上陽介、小松伸之。
「Otokouta」、これは名盤です。



【診察室のBGM 117】
野宮

渋谷系の中心的存在だったピチカートファイヴ
そのヴォーカルを務めた 
野宮真貴 が昨年11月にリリースしたアルバム「世界は愛を求めてる。What The World Needs Now Is Love」
いやはや、恐れ入りました。
渋谷系に影響を与えたという60~80年代の曲をカバーしているのですが、選曲も見事ですし、それらをきっちり野宮真貴流に仕上げて現代に蘇らせています。
日本の曲にはスタンダードがないとよく言われますが、忘れて欲しくない埋もれてはいけない作品はいっぱいありますね。
そして初回限定版はブックレット型式になっていて、お洒落な写真が満載です。

松田聖子が唄った「ガラスの林檎」松本隆細野晴臣コンビの作品で、当時のアイドル路線とは一線を画した曲。
ピアノをバックにした野宮真貴の声は昔と変わらず切なく美しく、途中からストリングスが加わるアレンジはツボを押さえてます。
彼女がピックアップすると、この曲が流行った時以上に輝いて聞こえるのが不思議です。




ペンタ【診察室のBGM 116】


暖かい日が多いので年末の雰囲気を全く感じませんが、診察室のBGMは12月限定のクリスマスソングに替わっており、少々賑やかになっています。

今年紹介するのは、世界中で話題のアカペラ 5人衆 
Pentatonix です。
ハーモニーの美しさはもちろんのこと、ビートボックスのテクニックも見事の一言に尽きますよね。
そんな彼らが昨年リリースした
「That's Christmas to Me」には20曲以上のクリスマスソングが盛り込まれていて、その中に山下達郎の名曲「Christmas Eve」もチョイスされています。
診察室ではドラムを擬した発声がソフトによる打ち込みのようにも聞こえてきます。
iPodに接続したスピーカーの性能によるのかも知れませんが、それだけ凄い正確無比なテクニックなのだと解しています。
そういうことも含めて人の声でこんなことまでできてしまうんだ、とただひたすら舌を巻く彼らのアカペラをYouTube映像でご確認ください。




Malene【診察室のBGM 115】


デンマークの女性ジャズヴォーカリストとして、セシリア・ノービーは90年代から聴いていましたが、気がつけば魅力的なアーチストがたくさん増えてきています。
その中の一人 Malene Mortensen 
デビューからもう10年以上で、ベテランの領域に入ってきましたね。

今年初めに出た新譜「Can't Help It」は清々しい透明感のある表現力が引き立つアルバムです。
誰でも知っているスタンダード曲とは別に、4つのオリジナル曲が含まれていますが、「Beneath The Endless Blue」をもそのうちの一つ。
高めのトーンの彼女の声と必要最小限のリズムを刻むベースとのデュオがしばらくの間続き、ピアノそしてドラムがさり気なく加わっていくという構成で、甘く切なく恋の歌を唄いあげます。
これ以外にも診察室のBGMに使っていますが、力を抜いて堪能できるアルバムも是非聴いてみて下さい。

【診察室のBGM 114】バタフライ


12月に限り診察室のBGMはクリスマスソングに替わります。
この診察室のBGM、二度目の登場となる Halie Loren
2011年のクリスマスソングの紹介の時に取り上げした。( → こちら )

高音部でちょっと裏声になるのがいわゆるこぶしのようなアクセントとなった声。
そして繊細な表現力。
彼女に魅了されているファンは多いことと思います。

今年の初めにリリースされた「Butterfly blue」はオリジナルとともにスタンダード曲もセレクトされていますが、私には馴染みのない選曲となっています。
アルバムの最後を飾る「Peace」はピアニストホレス・シルヴァーの1959年の作品。
くじけそうな気持ちに安らぎを与えるような歌詞とスローなテンポは彼の作品とは思えませんね。
その曲をピアノと控え目に奏でられるギターをバックに彼女なりの解釈で見事に唄いあげています。


それにしてもジャケット写真は何とかなりませんかね。
CDラベルのデザインはとても秀逸なのに‥。

西村【診察室のBGM 113】


デビューしたての頃は関西のローカル番組への露出も多く、その癒される音に惹かれていくつかアルバムを購入していたピアニスト
 西村由紀江 
まだまだ現役で頑張っていて、その活躍はかれこれ30年近くになるのですね。

久しぶりに手にしたアルバム
「My Stories」は、1曲を除いて過去に発表した作品をピアノソロに仕立て直したものです。
音楽療法や空間音楽に着手する研究所の協力を得ているそうで、いずれの曲も診察室のBGMにピッタリに仕上がっているのが嬉しいです。
そしてそれぞれの曲にまつわる彼女のエッセイを載せたビジュアルブックも付いていて、曲の生まれた背景なども伝わってきます。

どの曲を紹介するか迷いましたが、youtubeに
「出会い」を収録する様子があったのでそれを選んでみました。
この曲は2013年にアニメーション作家とコラボした「フレデリック・バック meets 西村由紀江」に収められていたもの。
心地よいピアノの響きは昔と全然変わりませんね。
彼の美しい映像にインスパイアされたことや彼との交流について綴ったエッセイも素晴らしいので、是非手にしていただきたいアルバムです。




Bria【診察室のBGM 112】


今回紹介するは、トランペッターでもありヴォーカリストでもある
 Bria Skonberg 
2012年に出した「So is The Day」と2014年の「Into Your Own」の2枚をセットにして「Introducing」という名称で日本デビュー盤がリリースされています。
ミュートやエフェクターを使ったトランペットにフリューゲルホルン、そして透き通っていながらちょっぴり憂いを帯びたヴォーカルをバラエティに富んだ数々の曲で聴かせてくれる内容です

「Into Your Own」の方にに収録されている
「Julia」は皆さんよくご存知のビートルズの名曲。
残念ながらトランペットは吹いておらず歌唱に専念しています。
元々ジョン・レノンが弾き語りで控えめに歌う珠玉のラブソングですが、その曲の魅力を最大限に引き出している彼女の表現力が見事で、何度も繰り返し聴いてしまいます。
そして彼女の声にからむソプラノサックスがめちゃくちゃ秀逸じゃございませんか。

下のYouTubeにて彼女の表現力と流麗なサックスをご確認下さい。
素晴らしい一曲です。




  → introducing BRIA SKONBERG

ASO【診察室のBGM 111】


診察室のBGMではクラシックも流しています。
でも、今まで当ブログで触れることはありませんでした。
厳密に言うと、このシリーズ第59回で紹介し先月末に鹿児島でライブを行なったジョヴァンニ・アレヴィもクラシックに分類されるのでしょうけど。

さて、5月末に霧島のみやまコンセール
 アリス=紗良・オット を聴きに行きました。
クラシックを論評するほどの分際ではないですが、噂にたがわぬ若き才色兼備のピアニスト、独自の解釈による演奏ははじけてましたね。
そして、何よりリーズナブルな料金で彼女のピアノを聴けたことに感謝します。

本年リリースされた
「The Chopin Project」は、オーラヴル・アルナルズというアイスランドのミュージシャンとタッグを組んで、音そのものに耳を傾けさせることにこだわったアルバムです。
彼女のソロの演奏とオーラヴルがアレンジしたストリングスが交互に並んで収録されているという面白い構成も聴きどころです。
アルバムの最後を飾る
「雨だれ」
ずっと雨が続いている鹿児島ですが、彼女のやさしいタッチの音がしばしの安らぎをもたらしてくれます。

下のYouTube映像のバックに「雨だれ」が流れていますので、是非聴いてみて下さい。




ピアノ【診察室のBGM 110】


あれれ。
学生時代から聴いているのに、診察室のBGMでも流しているのに。
8年以上にわたって連載しているこの診察室のBGMでの紹介が今回初めてとなるアーティスト
 国府弘子 

2008年以来の新作となる
「ピアノ一丁 !」は、その名が示す通り、全ての曲がピアノソロの作品です。
太く力強いジャケットの文字とは裏腹に、診察室のBGMにはもってこいのアレンジでじっくり聴かせてくれるものが多いですね。
ピアノの音一つ一つを愛おしむような演奏は、前作からの間に乳癌を患って療養生活が中心だったことが影響しているのでしょうか。

言わずと知れたビートルズの名曲
「Golden Slumbers」
彼女のこだわりのアレンジと演奏が、この曲の持つ美しさを更に昇華させています。
診察の手が思わず止まってしまうひと時がたまりません。

収録された曲はクラシックから寅さんのテーマまで実に多彩。
姉御の久しぶりのアルバムを皆さんも是非ご堪能下さい。

Carmen【診察室のBGM 109】


いつのことだったか覚えていませんが、ラジオから流れてきた並外れた歌唱力の女性の声に、手を止めてしばし聴き入っていた自分がいました。
その
際立った存在感のある歌声の持ち主 Carmen Lundy 
発表した作品の多くは自ら作ったオリジナルですし、唄うだけではなく、ピアノも弾けばパーカッションも叩く。
画家もやれば女優もやる。
その才能には恐れ入ります。
私の大好きなアーティストの一人です。

あまりの歌唱力で、診察室のBGMとしての使いにくさを感じていましたが、今回思い切って2012年のアルバム
「changes」の最後の曲「Where Love Surrounds Us」を選んでみました。
幻想的なギターの弦の響きだけをバックに、包み込むように不思議な世界に誘う甘く神秘的なヴォーカルがとても素晴らしいです。

貼り付けたYouTube画像の2分34秒付近から少しだけこの曲を聴くことができますので、是非。




羊毛とおはな【診察室のBGM 108】


羊毛とおはな 
のヴォーカル、千葉はなさんの訃報に接したのは10日のこと。
36歳という若さでした。
先月のこの診察室のBGMの107回でも羊毛とおはなに言及したばかりだったし、驚きと落胆を禁じ得ません。

2010年の鹿児島でのライブに赴いた私。
目を閉じて姿勢を崩すことなく、一つ一の曲を一つ一つの歌詞を丁寧に歌う彼女。
キャンドルライトにほんのりと照らされた会場で、優しく柔らかな歌声に包まれた2時間は、今でもしっかり瞼に浮かびます。
87 ( はな ) だった通し番号のチケットに快く花の絵を添えてサインをして頂いたのは、忘れ得ぬ思い出と品物です。( → こちら )

彼らの最後のアルバムとなってしまった
「LIVE IN LIVING '13 」の中に「うたの手紙 ~ありがとう~」という曲があります。
結成10年を記念して、ファンへの感謝を歌という形にしたものです。
乳癌がわかってから作られた曲のようですが、まさかこれが最後のメッセージになるとは誰が思ったでしょうか。
下に貼り付けたミュージッククリップには彼女の描いたイラストを背景にして歌詞が映し出されます。
その言葉に今は何ともやるせない気持ちになってしまいます。
そして、もうこの声が聴けなくなってしまったなんて・・・。

多くの人を癒してくれた一輪の花、千葉はなさん。
本当にありがとう、安らかに。
診察室のBGMでは、ずっとずっとあなたの歌声が流れ続けることでしょう。




Wallflower【診察室のBGM 107】


ここ10年くらいでしょうか、
イーグルス「Desperado」という曲をよく耳にするようになりました。
特に日本のアーティストのカバー増えてきたのが理由でしょう。
ベトナム戦争後の米国社会の喪失感を癒す曲だとされていますが、ラブソングにも解釈されたりしてますよね。

私にとっては、5年前の
羊毛とおはなと今年1月のFried Prideのライブでのパフォーマンスが印象に残っています。
どちらもギター1つに女性ヴォーカルのシンプルな構成で、歌詞の真の意味はどうであれ、心にじんわりと染み込んできて涙がうるうる出てきそうでした。

今回紹介する
 Diana Krall のバージョンも必聴。
彼女のピアノとストリングスのとてもの落ち着いたアレンジで、独特のハスキーでいて輪郭の太い低音が胸をえぐってきます。
さすがはジャズヴォーカル界の大御所です。

この曲が入っているアルバム
「Wallflower」は彼女の病気のため発売が今年にずれ込んでしまいましたが、待った甲斐がありました。
デヴィッド・フォスターがプロデュースしているだけあって、選ばれた曲の魅力も彼女の魅力も最大限に引き出されていてどんな人にも聞きやすいのではないでしょうか。
特に70年代、80年代の曲に親しんだ世代にはお勧めです。
ほとんどが診察室のBGMに使えてしまいますしね。




jaimee【診察室のBGM 106】


診察室で流すBGMという性格上、ヴォーカル入りの曲は優しい声の女性のものが自然と多くなってきます。
しかし今回紹介するのは、白人女性とは思えないような線の太い声で表現力豊かに唄い上げる 
Jaimee Paul 
普段は好んでよく聴いているのですが、今回、思い切って彼女の曲をいくつか選んで流してみることにしました。

2011年にリリースされた
「Melancholy Baby」に収録されている「You've Changed」は、心変わりをしてしまった恋愛相手のことを嘆くという内容の歌詞の曲です。
ビリー・ホリデーエラ・フィッツジェラルドサラ・ヴォーンジョニー・ミッチェル等といった錚々たるアーティストが、本当に同じ曲だろうかと思えるくらいそれぞれ個性的に歌い上げていることで知られています。
ビージー・アデールの優しく麗しいピアノが奏でられると、それに合わせるように抑制を効かせながらも情感をたっぷり込めた彼女のヴォーカルにとても好感が持てます。
途中のピアノソロの後の彼女らしい声量豊かな部分も聴きごたえがあり。
多くのミュージシャンに取り上げられる曲は個々の解釈を聴くのも楽しみですけど、この「You've Changed」もこれまでにない魅力的な表現が存在感を示しています。

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