野口内科 BLOG

  鹿児島市武岡に開業して42年の野口内科です。
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 診察室のBGM

Carmen【診察室のBGM 109】


いつのことだったか覚えていませんが、ラジオから流れてきた並外れた歌唱力の女性の声に、手を止めてしばし聴き入っていた自分がいました。
その
際立った存在感のある歌声の持ち主 Carmen Lundy 
発表した作品の多くは自ら作ったオリジナルですし、唄うだけではなく、ピアノも弾けばパーカッションも叩く。
画家もやれば女優もやる。
その才能には恐れ入ります。
私の大好きなアーティストの一人です。

あまりの歌唱力で、診察室のBGMとしての使いにくさを感じていましたが、今回思い切って2012年のアルバム
「changes」の最後の曲「Where Love Surrounds Us」を選んでみました。
幻想的なギターの弦の響きだけをバックに、包み込むように不思議な世界に誘う甘く神秘的なヴォーカルがとても素晴らしいです。

貼り付けたYouTube画像の2分34秒付近から少しだけこの曲を聴くことができますので、是非。




羊毛とおはな【診察室のBGM 108】


羊毛とおはな 
のヴォーカル、千葉はなさんの訃報に接したのは10日のこと。
36歳という若さでした。
先月のこの診察室のBGMの107回でも羊毛とおはなに言及したばかりだったし、驚きと落胆を禁じ得ません。

2010年の鹿児島でのライブに赴いた私。
目を閉じて姿勢を崩すことなく、一つ一の曲を一つ一つの歌詞を丁寧に歌う彼女。
キャンドルライトにほんのりと照らされた会場で、優しく柔らかな歌声に包まれた2時間は、今でもしっかり瞼に浮かびます。
87 ( はな ) だった通し番号のチケットに快く花の絵を添えてサインをして頂いたのは、忘れ得ぬ思い出と品物です。( → こちら )

彼らの最後のアルバムとなってしまった
「LIVE IN LIVING '13 」の中に「うたの手紙 ~ありがとう~」という曲があります。
結成10年を記念して、ファンへの感謝を歌という形にしたものです。
乳癌がわかってから作られた曲のようですが、まさかこれが最後のメッセージになるとは誰が思ったでしょうか。
下に貼り付けたミュージッククリップには彼女の描いたイラストを背景にして歌詞が映し出されます。
その言葉に今は何ともやるせない気持ちになってしまいます。
そして、もうこの声が聴けなくなってしまったなんて・・・。

多くの人を癒してくれた一輪の花、千葉はなさん。
本当にありがとう、安らかに。
診察室のBGMでは、ずっとずっとあなたの歌声が流れ続けることでしょう。




Wallflower【診察室のBGM 107】


ここ10年くらいでしょうか、
イーグルス「Desperado」という曲をよく耳にするようになりました。
特に日本のアーティストのカバー増えてきたのが理由でしょう。
ベトナム戦争後の米国社会の喪失感を癒す曲だとされていますが、ラブソングにも解釈されたりしてますよね。

私にとっては、5年前の
羊毛とおはなと今年1月のFried Prideのライブでのパフォーマンスが印象に残っています。
どちらもギター1つに女性ヴォーカルのシンプルな構成で、歌詞の真の意味はどうであれ、心にじんわりと染み込んできて涙がうるうる出てきそうでした。

今回紹介する
 Diana Krall のバージョンも必聴。
彼女のピアノとストリングスのとてもの落ち着いたアレンジで、独特のハスキーでいて輪郭の太い低音が胸をえぐってきます。
さすがはジャズヴォーカル界の大御所です。

この曲が入っているアルバム
「Wallflower」は彼女の病気のため発売が今年にずれ込んでしまいましたが、待った甲斐がありました。
デヴィッド・フォスターがプロデュースしているだけあって、選ばれた曲の魅力も彼女の魅力も最大限に引き出されていてどんな人にも聞きやすいのではないでしょうか。
特に70年代、80年代の曲に親しんだ世代にはお勧めです。
ほとんどが診察室のBGMに使えてしまいますしね。




jaimee【診察室のBGM 106】


診察室で流すBGMという性格上、ヴォーカル入りの曲は優しい声の女性のものが自然と多くなってきます。
しかし今回紹介するのは、白人女性とは思えないような線の太い声で表現力豊かに唄い上げる 
Jaimee Paul 
普段は好んでよく聴いているのですが、今回、思い切って彼女の曲をいくつか選んで流してみることにしました。

2011年にリリースされた
「Melancholy Baby」に収録されている「You've Changed」は、心変わりをしてしまった恋愛相手のことを嘆くという内容の歌詞の曲です。
ビリー・ホリデーエラ・フィッツジェラルドサラ・ヴォーンジョニー・ミッチェル等といった錚々たるアーティストが、本当に同じ曲だろうかと思えるくらいそれぞれ個性的に歌い上げていることで知られています。
ビージー・アデールの優しく麗しいピアノが奏でられると、それに合わせるように抑制を効かせながらも情感をたっぷり込めた彼女のヴォーカルにとても好感が持てます。
途中のピアノソロの後の彼女らしい声量豊かな部分も聴きごたえがあり。
多くのミュージシャンに取り上げられる曲は個々の解釈を聴くのも楽しみですけど、この「You've Changed」もこれまでにない魅力的な表現が存在感を示しています。

shanti【診察室のBGM 105】


朝の連続テレビ小説「マッサン」のオープニングでは麦畑のCGが使われています。
それを見ていると大麦が風になびく美しい光景を男女の恋愛に例えた
Sting「Fields of Gold」という曲を思い出します。
発売された93年頃は、医者としての駆け出しで音楽をゆっくり聞いている暇もなく、あまり気に留めることがなかったのですが、多くのアーティストにカヴァーされるに至ってその魅力を再認識させられた曲です。

SHANTI を取り上げるのは、診察室のBGM 70回以来二度目となりますが、昨年11月にリリースされた「SHANTI'S LULLABY」のオープニングを飾るのがこの「Fields of Gold」です。
アルペジオを刻むギターをバックに彼女独特のヴィヴラートのかかった温もりを感じる歌声がハミングで始まりますが、もうそれだけで魔法にかかったように痺れてしまいます。
時折絡むシンセサイザーが、黄金に輝く大麦畑をゆったりとわたっていく風を見事に表現しています。

冒頭の曲だけで参ってしまうのですが、最後まで彼女の優しく包み込むようなヴォーカルが生きた選曲と、塩谷哲鳥越啓介仙道さおりなど私の大好きな好きなミュージシャンが名を連ねたこのアルバム、彼女の最高傑作ではないでしょうか。

土岐麻子【診察室のBGM 104】


毎年、12月の診察室のBGMは賑やかなクリスマスソングに衣替えします。
どうしても重複する曲も多いのですが、色々なアーティストのバージョンで楽しんでいただけるのではないでしょうか。

先月リリースされたばかりの 
土岐麻子 のアルバム「Standards ~ in a sentimental mood」はその名の示す通り、ジャズスタンダード集。
これが涙が出てくるくらいの出色の出来栄えなんです。
父親であるサックス奏者
土岐英史のプロデュースで、彼のサックスも存分に味わえるのは、二人のファンである私にとっては至福の極みです。

ブロッサム・ディアリーの甘ったるい声が印象的な「Cristmas in the CIty」の元歌では、途中で作者であるジェイ・レンハートの線の太い歌声も聴くことができますが、そんなクリスマスソングで何と細野晴臣とのデュエットを実現させています。
もちろん父親の美しいソプラノサックスも楽しめるという贅沢な一曲。
スピーカーからこの曲が流れてくる順番がとても待ち遠しく感じます。

下にはブロッサムの曲を貼っておきましたが、どこかで必ず一度は耳にしたことのあるメロディーだと思います。




久石【診察室のBGM 103】


私が最初に乗り始めたのはファミリアフルタイム4WD GT-Xという車です。
そのTVCMで使われていたかっこいい曲が 
久石譲 のとの出会いでした。
彼のCMソングを集めた1986年のアルバム
「Curved Music」は個性的で耳に残る曲ばかりで、サントリーのウイスキーのCMで使われたものなども含まれていますが、今でも私のお気に入りです。

その後の活躍ぶりは説明するまでもないと思います。
2010年に発売された
「Melodyphony」はアンケートで上位となった彼の名曲をセレクトしてロンドン交響楽団の演奏で収録されたもの。
お馴染みの曲が違ったアレンジで味わえる1枚です。

アルバムの中の一曲
「Oriental Wind」は、緑茶飲料伊右衛門で使われていましたので知らない人はいないでしょうね。
彼のピアノソロから入り次第に厚みを増していく圧巻の5分間が楽しめます。

下には私にとっては懐かしいファミリアのCMを貼り付けてみました。



兵藤【診察室のBGM 102】


当「診察室のBGM」第49回で紹介した
妹尾美里と並んで、その情景豊かなオリジナル曲に評価の高いジャズピアニスト 兵藤佐和子 

最近、ピアノソロの新譜も出したばかりですが、今回紹介する曲は昨年リリースされたアルバム
「Naturally」に収録されているものです。
このアルバムに収められている12曲は小気味よいスイング感たっぷりのトリオものもあれば、バリ島で過ごしたことでインスピレーションを得たという4部構成のイージーリスニング的なものまで、管楽器なども絡んで実に多彩な内容になっています。
どの曲にも共通して言えるのは鍵盤から響く一つ一つの音の粒がとても美しく女性的であること。
初めて聴くのに、いつも聴いているお気に入りのメロディーのように耳に自然に馴染んでいる不思議な魅力があります。

アルバムの中の一曲
「After a year」は、ゆっくりと時を刻むきらびやかなピアノソロに始まり、三拍子にかわってからチェロが加わり、センスの光るベースの即興、そして再びチェロが前面に出てくるという流れ。
6分近い曲なのに長さを感じさせずリラックスして聴けて、診察室のBGMにはもってこいですね。

Ted【診察室のBGM 101】


何気にインターネットラジオを聴いていて、これBGMに使えるな、とアーティストのこともよく知らないままにCDを注文することがたまにあります。
今回紹介する Ted Brancato のアルバム「The Next Step」もそんな中の1枚。
情報が少なくて詳しいことほとんど分からないのですが、30年を越えるキャリアがあるキーボード奏者である彼
の、全曲オリジナルで構成された初アルバムになるそうです。

あまり購買意欲をそそらないジャケットを開封してびっくりしたのは、参加アーティストに
ロン・カーターの名前があること。
今回紹介する
「I Hear You」では美しいメロディを奏でるピアノと控え目でありながら確かな存在感を示すベースの絶妙かつ完璧な相互作用が本当に見事です。
この曲に出会っただけでも本当に満足です。

このアルバムからは他にも何曲か診察室のBGMに使っていますが、こういう出会いがあるからインターネットラジオはやめられません。

Simone【診察室のBGM 100】


診療所ライブラリー」に引き続き、この「診察室のBGM」も100回を迎えました。
iPod の容量の関係上、これまでに紹介した曲でも既に1/4程は使っていないものもあるのがちょっと残念な点ですが、これからも診察室のリラクゼーションに適う曲を貪欲に探し求めていきたいと思います。

今回はオーストリア出身の女性ヴォーカリスト 
Simone Kopmajer 
今年新譜やベスト盤も出ていますが、2年前のアルバム
「Nothing's gonna change」
誰でも知っている80年代を中心としたポップスをジャズ風のアレンジでカバーしていて、粒の揃った聴き応え十分な内容です。

トップを飾りアルバムタイトルにもなっている
「Nothing's Gonna Change My Love For You」
George Bensonがギターを持たずにヴォーカルにのみ挑戦した際の代表曲で、後に多くのアーティストに取り上げられたバラード。
一度は耳にしたことがあると思います。
麗しいピアノをバックに甘い歌詞を艶やかに唄い上げる彼女の声に骨抜きになってしまいます。
YouTubeで見つけましたのでどうぞお聴きください。

この他にもアルバムから何曲かセレクトして診察室で流しています。



Unknown【診察室のBGM 99】


Hanah Spring のアルバム「Handmade Soul」がリリースされた年初、ラジオで盛んに彼女の曲を耳にしました。
Misiaのバックコーラスも務めるという明るく抜けるソウルフルな彼女の声にすっかり魅了されて iTunes でアルバムを購入した次第。
いろんな魅力が詰まっているので診察室でも聴きたいのですが、リラクゼーションの目的には適いません。

しかし、iTunesのみでボーナストラックとして入っている
「Bridge Over Troubled Water」は例外です。
「明日に架ける橋」という日本語タイトルが付いている
サイモン & ガーファンクルの代表作は解説の必要もないでしょう。
様々なアーティストがカバーしていますが、アコースティクギターをバックに朗々と魅惑的に唄い上げる彼女のバージョンが一番ではないでしょうか。

400曲ほどしか入らない1GBの iPodがまだまだ壊れず健在で、毎回10曲ほどずつ入れ替えているのですが、この前思い切って100曲近く入れ替えました。
ちょっぴり新鮮味が出たかな、と思っています。

with-love【診察室のBGM 98】


今回は 4月に発売されたばかりのベテランピアニスト
 Jessica Williams の新譜「With Love」を紹介します。
1曲のオリジナルを除き、映画やミュージカルで使われ今やジャズのスタンダードとなった曲を
全てソロで演奏しています。
腰椎手術を受けた後の初仕事になるようですが、いまだにペダルを踏むのに支障が残っているとか。
にも関わらず完成度の非常に高いアルバムに仕上がっています。


収録された曲の中で最も長い9分を超える「My Foolish Heart」

ビル・エヴァンスが真っ先に想起される曲ですが、彼女の演奏も体のハンディを感じさせない名演奏です。
恋に揺れ動く心の様を、女性の視点でまるで絵画や小説のように描く指先のマジック。
長年の蓄積に加え、苦難を乗り越えたことがプラスに働いてなせる表現力ではないかと勝手に思っています。

リラクゼーションを目的とした診察室のBGMに全曲使えてしまうのがとても嬉しい一枚。
そういうアルバムをお探しの方にもお勧めです。

hope【診察室のBGM 97】


前回の溝口肇に引き続き、このシリーズの原則を外して再び採り上げるアーチスト。
今回は 
木住野佳子 。( きしのよしこ、と読みます )
診察室でBGMを流し始めたときから数多くの曲を使わせてもらってきましたが、2006年に
診察室のBGM 5」でクリスマスソングを紹介したっきりでした。

昨年末に発売となったアルバム「Hope」は東日本大震災をきっかけとして作られたオリジナル曲が多くを占めています。
その中の一曲
「Hikari」は彼女とすぐわかるとても優しくメロウなキータッチのスローバラード。
その美しい演奏をブラシを使ったドラムが終始やんわりと包みこんでいます。
CD内のライナーノーツには「深く深呼吸してから、ピアノの音を出しました。なかなかうまく言葉にはできませんが、そういう想いの曲です。」と書いてありますが、そういう想いが伝わってくる彼女ならではの音が確かにそこにあります。

cello【診察室のBGM 96】


このシリーズでは原則として同じアーティストを取り扱わないようにしてきましたが、7年半にも及ぶ連載でさすがに限界を感じてきました。
やはりいいものは採り上げなければなりません。

BGMとして一番多くの曲を使わせてもらっているのが、
溝口肇
私が学生の頃からからずっと聴き続けていますが、「診察室のBGM 3」でお気に入りの曲を紹介したのは2006年のことでした。
昨年末に発売となったアルバム「Cello Bouquet」はすべてチェロの五重奏で、多くの人になじみの曲を収録しています。
中規模のホールでの一発録りなんだそうですが、複数のチェロの紡ぎ出す音色に浸るひとときは非常に贅沢です。

その中の一曲
「Englishman in New York」は、言わずと知れたスティングの大ヒット曲。
意味深い歌詞と
ブランフォード・マルサリスの美しいソプラノサックスが楽しめる原曲も大好きですが、今回の収録曲には恐れ入りました。
溝口肇の主旋律に続き見事なアレンジで次々に絡まるチェロの一つ一つが、心地よくホール全体に響いているのが手に取るようにわかるのが味わいを深くしています。
特にピチカート部分のふくよかな余韻が何ともたまりませんね。

このアルバムからは全部で 5曲選んで診察室で流しています。

pure-acc【診察室のBGM 95】


アルバムに添えられた彼自身の言葉が面白いです。
アコーディオンのイメージを変えるために決めた「三つの禁じ手」。
それは、他人の伴奏はしない・人のカバーはしない・ソロ演奏をしない、なんだそうですが、その理由は是非アルバムを手にして読んでください。

今回、ソロでなおかつカバーを5曲も選んだのは、自身で道を切り開いてアコーディオンをメジャーな楽器として根付かせたという自負でしょう。
35枚目にして初のソロアルバムとなったのは、coba の新譜「pure accordion」
その出来栄えの素晴らしさには舌を巻きます。
その中の一曲、日本を代表する
「上を向いて歩こう」
アレンジも見事なのですが、そのアコーディオンの音色の美しいこと。
瑞々しい一つ一つの音に感動せずにはいられません。

4月の鹿児島でのライブを楽しみにしながら、診察室のBGMとして何曲かをセレクトして聴き入っています。


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