野口内科 BLOG

  鹿児島市武岡に開業して41年の野口内科です。
  医療・健康に関する情報はもちろん、近隣の話題、音楽・本のことなどを綴ってまいります。

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 最近のニュースから

動脈硬化コレステロールの1日摂取量の上限は300mg、というのは私が医師になってからの常識でした。
しかし、昨日この値を撤廃するというニュースが米国からありました。( → こちら )
コレステロールを上げてしまう原因は、遺伝的な側面と飽和脂肪酸の過剰摂取が主要な原因ということが解ってきたからです。

コレステロールに関する知見は目まぐるしく変わってきたように思います。
医師になりたての頃は、コレステロール含有量の多い食品を並べた資料を患者さんに渡して、卵やイカは食べ過ぎないように、なんて指導をしてました。
しかし、卵を食べてもコレステロールは上がらないと言われ始めた頃から、私はそういう指導はすっかりやめました。
今でも検診で栄養士さんから旧態依然の指導を受けたという話を聞いて残念に思うことがあります。
現在私は、飽和脂肪酸の豊富な食事の摂りすぎを戒めることに主眼に置いています。
飽和脂肪酸の含有量についてはこのリンクを参考にして下さい。( → こちら )

また、米国では脂質異常の患者はとにかくスタチンを飲め、糖尿病患者もスタチンを飲め、という話になってきています。
心筋梗塞の発症率が日本に比べてケタ違いの欧米は、スタチンの用量もケタ違い。
直ちに日本に当てはまるとは思いませんが、コレステロールをどのようにコントロールすべきか、今後も様々な変遷を経ていくのではないでしょうか。

コウモリ先月27日に、羽田空港に降り立った男性にエボラ出血熱の疑いがあるということでひと騒ぎありました。
それを受けて31日に国交相が「搭乗便名、乗客数とともに、患者 ( 感染の疑いのある人 ) の年代、性別、滞在国等を公表することで調整している」と明らかにしました。
このことについて医療関係者からは批判が相次いでいます。

まず、疑いの段階で情報を流して無用な混乱をもたらしたこと。
騒ぎになるのは厄介だからと、自己申告する人が減ってしまうのではないかと危惧されているのです。
また、エボラ出血熱はたとえ陽性であっても症状のない段階では感染は拡がらないことが知られているので、疑いの段階で情報を流すことに何の意味があるのかということです。
27日に疑いの段階で不完全な情報を流したことが、不安を煽った元なのです。
国交相の今回の方針はさらに混乱に拍車をかけるだけだと思います。

2003年のことでしたが、SARSを発症した台湾人医師が、直前に日本を旅行していたということが分かりました。
その後、その医師と同じ宿泊施設に泊まった人が熱を出し、夜間に兵庫県の某病院に入院。
翌朝、その情報が拡がるや、入院していた患者が一斉に逃げ出したという話が伝わっています。
結局、SARSとは無関係だったのですけれどもね。
人々が皆、情報を正しく理解しそれに基づいて正しい行動がとれるとは限りません。
行政もマスコミも、中途半端な情報を流すことが使命ではなく、正しく理解させることに重点を置くべきだと思います。

あと、気になるのはエボラ出血熱のことを「エボラ熱」と勝手に省略して報道している例が目に余ることです。
ワクチンの「副反応」のことを「副作用」と記すことに対し、正しい用語を使うように要望したことがあります。
そしたら、「副作用」の方が一般の方に理解しやすい、という答えが返ってきました。
マスコミの身勝手な判断の一端が伺えました。
正しい日本語、正しい用語を使っていくことも報道の使命だと思います。

今月5日の新聞に、人間ドックでの血圧やコレステロールなどの基準値を緩和する、という記事が載っていました。
今週の外来では、多くの患者さんからこの話が出ましたが、この基準値には大きな問題があると思います。

何が問題かというと「健康な人」の定義です。
過去に大きな病気をしたことがない▽喫煙習慣がない▽高血圧や糖尿病の薬を服用していない、などを条件に、"スーパーノーマルな人" としているのです。
しかし、この三番目の条件が本当に健康な人の定義として妥当なのか疑問を呈さざるを得ません。
なぜなら、病気を持っているのに通院するのが面倒くさい、薬を飲むのが嫌だ、といって治療していない人がかなり含まれているのではないかと思われるからです。
こういった人達を含んだ基準値では今までより上がってしまうのは当然のことと思います。

bdy14040500370000-n1血圧、コレステロール、血糖等が高いのを放置すると脳血管疾患や心疾患につながりますが、どのくらいの数値を目標にするとこういう疾患が防げるのかは、各専門分野で研究がなされてガイドラインなどで示されています。
長年の臨床で積み重なってきたものを全く無視したような人間ドックの基準値算出法は各方面から反論必至でしょう。

ま、血糖の平均値であるHbA1cの基準が5.5%というのは国民の半分くらいが引っかかるのではというくらい厳しい値でしたが、その他の基準はあまり緩め過ぎると、病気を持っているのに未治療の人を見つけるという人間ドックの目的の一つが霞んでしまいます。

今回の発表はあくまで中間報告だそうです。
この基準値を作るのに人間ドック学会だけでなく、危機的な収支にある健康保健組合連合会が加わっていることを頭の隅に入れて、近いうちに発表される最終報告を待ちましょう。

歩きスマホ2012年の子どもの誤飲事故の調査結果が先月末に発表されました。
減少傾向ながらたばこが34年連続で誤飲の原因の一位だったそうです。
また、東京消防庁の調べで2013年に都内で歩きスマホが原因で36人が救急搬送されたと2月末に発表されています。
前者は1歳前後の乳幼児に多く、後者は40代が多いということです。

タバコの誤飲については、日本中毒情報センターへの相談電話があまりにも多く、テープ対応で無料の「たばこ専用電話」が設けられているほど。
何十年もの間トップであり続けているのは、家庭内での喫煙者に注意を促すだけで済まされているからではないでしょうか。
抜本的な対策が講じられなければこの先も首位であり続けるでしょう。

歩きスマホについては論外。
先日、NTTドコモが澁谷スクランブル交差点で全員が歩きスマホだったらどうなるかというシミュレーションCGを発表しましたね。



いずれにしても、ただでさえ忙しい医療機関への余計な負担となることをお忘れなく。

吐き気吐き気や嘔吐に対してよく処方される、ドンペリドン ( domperidone ; 商品名ナウゼリン ) という薬があります。
近年、特に高齢者において心電図上みられるQT延長という変化から心室性不整脈や心停止を起こすことが相次いで報告されていて、そういった論文を基に推計するとフランスで年間25人から120人がドンペリドン内服で突然死していると考えられるので販売を中止すべきだ、ということが「Prescrire」誌に掲載されたのです。( → こちら )

以前から指摘されていたようなのですが、厳しい注意喚起をしている国もあれば薬局で医師の処方箋なしに購入できる国もあり、対応はバラバラです。
古くからメトクロプラミド ( metoclopramide ; 商品名プリンペラン ) と並んで制吐剤の代名詞的に使われてきましたが、肝心の制吐作用があまり強くないという話もあります。
私はこういった点を踏まえた上で、やむを得ず使う場合は頓服かごく短期間に留めているのですが、漫然と1日3回長期間服用しているケースなどに出会い、びっくりすることもあります。

ドン・ペリニョン ( Don Pérignon ) で悪酔いしてドンペリドン、といった冗談も通用しなくなるかも知れません。
( 私なら二日酔いには五苓散を服用しますが  → こちら )

今後、日本も含めて使用可能な国がどういう対応に出るか注視していきたいと思います。

なお、ドンペリドンもメトクロプラミドも薬剤性パーキンソニズムを起こすことが知られています。

動作が遅くなる・声が小さくなる・表情が乏しくなる・歩き方がふらふらして歩幅が狭くなる・手が震えるなどの症状が出るようであれば、中止して医療機関を受診して下さい。

ピロリピロリ菌除菌の適用が拡大されたのが1年前の2月22日のことでした。( → 「ピロリ菌除菌の適用範囲が広がったけれども」)
今年は間もなく除菌の新しいパック製剤が発売となります。

これまで各社の薬を組み合わせて除菌することは可能だったのですが、間違いなく服用してもらうために一次除菌に関しては一社が独占して発売していたパック製剤に頼っていたのが現状です。
選択肢が増えるのは嬉しいことですね。
薬も小さく除菌率も若干良くなるであろうことに期待しています。
ただ、先行品と同様にクラリスロマイシンの用量が異なる2種類を出してくるのはどうなんでしょう。
というのも、クラリスロマイシンが400mgでも800mgでも除菌率に有意差が出ていないからです。

さて、先日のことですが、他院で除菌をしたけれども不成功だったので当院で二次除菌をして欲しいという方がいらっしゃいました。
話を聞いていて、おやっと思ったのですが、内服中はアルコールは飲むなと指導されたらしいのです。
これは二次除菌に使うメトロニダゾールについての注意事項ですから、いきなり二次除菌の薬を服用した可能性が否定できません。
二次除菌に使う薬の組み合わせの方が除菌率が高いという点に着目しているのでしょうが、安易な使用は二次除菌率の低下を招きかねません。
ルールを逸脱しないようにお願いしたいものです。

2月からピロリ菌が陽性の胃炎での除菌ができるようになったことは何度もお伝えしております。
ただ、除菌には内視鏡検査が必須なんですよね。

心窩部本日から発売される機能性ディスペプシアに対する薬も内視鏡検査が必須であるという制約がついているようですね。
現首相がかつて潰瘍性大腸炎で政権を降りて入院した時に、主治医団が「機能性胃腸症」という病名でごまかしていました。
これは機能性胃腸症を患っている人に、とても深刻な病気であるかのような印象を植え付ける結果になったのではと、今でも批判的に思っています。

さて、Functional dyspepsia という英語をかつて機能性胃腸症と訳していたのですが、胃・十二指腸領域の症状に限定した疾患定義に変わったため「機能性ディスペプシア」という名称になりました。
十二指腸は腸ではないのかな、と思いつつ、この疾患名は一般の人には病態をイメージしづらいだろうなと思う今日この頃です。

機能性ディスペプシアについては、当ブログの「心窩部にまつわる話題」にて取り上げています。
古い記事ですが、是非参考にして下さい。

ピロリピロリ菌が感染していても、潰瘍など特定の疾患がなければ除菌ができないという制限がありましたが、22日から胃炎であっても除菌可能となりました。
当たり前のことがようやく堂々とできるようになったわけです。( → 胃炎でもピロリ除菌、間もなく )

注意点があります。
除菌するにあたっての条件として「ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎に用いる際には、ヘリコバクター・ピロリが陽性であること及び内視鏡検査によりヘリコバクター・ピロリ感染胃炎であることを確認すること」という文言があるのです。
つまり、内視鏡検査が必須となります。
最近はネットでピロリ菌診断キットが手に入るようですが、 これで陽性に出たから除菌してくれと来院されてもダメということです。
検査は苦痛の少ない経鼻内視鏡、それも鼻に優しい富士フイルム製をお勧めします。
当院はもちろん
富士フイルム製
ブログでも何度も取り上げているのはご承知かと思います。

除菌の対象となる人が格段に増えるのに、問題がいくつか残されています。
まず、保険で認められているのが一次と二次の除菌法しかないこと。
二次除菌までに除菌がうまくいかなかった場合どうするのか。
また、ペニシリン等に対するアレルギーで、認められている除菌手段が使えない場合はどうするのか。
これらが解決できていません。

そして、除菌判定です。
ガイドラインでは「除菌終了後、4週間以降経過」してから判定を受けるよう推奨していますが、これが曲者。
除菌が不成功でも、数が減っていたり coccoid form と言って菌が丸まって休眠状態になったりすることで、検査に引っかからずに消えましたよと判定されてしまうケースがあるのです。
数が増えたり菌が再活動したりしする頃に判定を受けると白黒はっきりするわけですが、これが4週では短いだろうというのが大方の消化器医の意見。
私は最低12週開けて判定しております。
別施設で 8週ほど開けて判定したケースで、陰性と出たのに後になってやっぱりこれは除菌できていないぞという症例をちらほらみます。
このガイドライン、見直した方がいいと思います。
ましてや自分で手に入れた診断キットで自己判定なんて絶対にしないで下さいね。 

腹痛今年に入ってピロリ菌を数年前に除菌したにも関わらず、胃潰瘍が再発した例が続きました。
いずれも近親者に不幸が続いたり、緊急入院になったりということが契機になっています。
消化性潰瘍発生の最も大きな要因はピロリ菌であることは間違いありませんが、ストレスもやはり無視できないなと思った次第。

報道によると、来月にはピロリ菌陽性の胃炎についても除菌の保険適用がなされるようです。
除菌療法が広く普及すれば、将来日本人の胃がんが激減するのは間違いありません。 
ピロリ菌の存在を明らかにした論文が出て今年でちょうど30年。
次の30年で胃の疾患の様相も大きく変わることでしょう。

実際に保険適用が認められたら、また改めて話題に取り上げてみたいと思います。

元気な胃先月末にピロリ菌の除菌療法について、胃炎の段階でも保険適用がなされるように製薬メーカー各社が申請を出したというニュースがありました。
これは嬉しいニュースです。
今のところピロリ菌の感染が確認できても、胃や十二指腸潰瘍がある場合、胃MALTリンパ腫、特発性血小板減少性紫斑病、早期胃癌内視鏡治療後胃でないと保険が使えないのです。( → 参考 )

日本人の胃癌の9割はピロリ菌が原因とされています。
つまり、ピロリ菌が日本人の胃からいなくなれば胃癌の発症は今より10分の1に減ることになります。
内視鏡検査が日常的に行われている現在、 我々は早い段階で癌を見つけて可能ならば内視鏡治療を行なって胃を切除しなくてすむように努力しています。
でも将来、こんな努力もしなくてもいい時代が来るのかも知れません。
もしかしたら胃の内視鏡検査自体もあまり行われなくなるかも。

とにかくピロリ菌感染胃炎段階での治療が実現することを望みます。


話は変わりますが、業界用語で「保険適応」と「保険適用」という言葉が混在しています。
昔は前者がよく使われており私も何の疑問もはさまずに使っていましたが、日本語として正しい後者を最近よく見かけるようになってきました。
お役所のほうでしっかりと用語の統一を図ってもらいたいなと思います。

ついでに言っておくと「癌」と「がん」は実は使い分けがあるようで、特に年配の先生方はしっかり区別されています。
しかし最近は「ガン」と表記するケースもあり、知らない方も多いようです。
どういう使い分けかは自分で調べてみましょう。

なでしこジャパンの澤穂稀選手の体調不良の原因が良性発作性頭位めまいであることが報道されていました。

BPPV-2典型的な症状は朝起きたときに回転性のめまいが30秒前後続き、その後も特定の体位で同様の症状が出現するというもの。
この疾患の原因なんですが、イラストをご覧ください。
耳の奥にある三半規管の中はリンパ液で満たされていますが、頭を動かすと液体がずれるというのはわかりますね。
三半規管の一方の根元は膨らんでいてそこにうちわの様な形をした神経があります。
これがリンパ液の動きをキャッチして脳に情報を送ります。
この三半規管の中に普段は前庭部にある耳石が迷い込んだり、このうちわにくっついたりして正しい情報が送れなくなるのが原因とされています。

私の外来でも月に1~2例は必ずお目にかかる決して珍しい疾患ではありません。
あまりに多く遭遇するので内科医ながら眼振検査と治療法を体得し、なおかつ患者さん用にパンフレットを準備しているくらい。
生涯有病率は2.4%とされています。
問診と簡単な眼振検査で診断が可能で、それに引き続き Epley法や Lempert法と呼ばれる頭と体をくるくる動かしていく理学療法を実施します。
この方法で細い
三半規管から耳石が逃げてくれれば症状は消失します。

頭部に強い衝撃を受けるのもこの疾患を引き起こす原因の一つとも言われていますので、ヘディングなどが影響したのかも知れませんね。
以上、内科医の即席解説でした。

さて、彼女の所属する INAC神戸は今週末から鹿児島でキャンプを行ないます。
元気な姿でグラウンドを駆け回っていることを期待して私も練習の様子を見に行こうかな。 

WHO鳥インフルエンザに関する研究論文の掲載が米政府の横槍で見送られた事に関して18日にWHOで緊急会議が行なわれ、全文を掲載するように勧告がなされました。
鳥インフルエンザがヒトへ感染しやすくなる遺伝子の変異を見いだした論文なのですが、これは今懸念されている致死性の高い鳥インフルエンザの脅威に抗する手がかりとなるものでしょう。
一方で米政府の言うようにテロへの悪用の不安もあります。

問題なのはネイチャーやサイエンスといった超一流の科学誌が、 掲載前に米政府にお伺いを立てていること。
ということは鳥インフルエンザについての論文提出がなされたら報告するような仕組みを事前に作っていたとしか考えられません。
学術誌側が政治圧力に屈しているのも残念ですが、自由を謳歌しているはずの米国がテロの恐怖におびえながら研究や論文発表の自由を制限していることは皮肉としか言いようがありません。 

科学の発展が我々に恩恵をもたらすことは紛れもないことである反面、使う人間のよこしまな考えから不幸が生み出されることもまた事実なんですけどね。

HbA1cヘモグロビンA1c ( HbA1c ) という検査項目は、糖尿病の治療を受けられたりあるいは定期的に検診を受けたりされている方はご存知の検査項目だと思います。

この数値、これまで糖尿病診断の補助的位置づけだったものが2010年の診断基準改定時に診断基準の1項目として格上げされました。
その際に従来日常的に行われている日本独自の測定法による値 ( JSD値 ) から欧米で行われている測定法による値 ( NGSP値 ) に変更されることも宣言されていました。それがいよいよこの4月から実施されることになりました。
JSD値にブラス0.4することでNGSP値になるのですが、見かけの数字が上がることで糖尿病治療中の患者さんに混乱が起こるのではないかと懸念しています。
実はJSD値の方がより正確な数字を反映していると言われていて、今回の改定でわざわざ不正確な方に移行するわけです。

日本人はこういう基準を相手方に合わせることにあまり抵抗がない民族です。
数字を区切るカンマの位置は欧米の数字の読み方には合理的ですが、日本人は不便さを甘受して使っているのがいい例です。
本来なら正確さを誇る日本の測定法を世界に広めてスタンダードを勝ち得るべきだと私は考えます。
だいたい日本で使っている限り臨床医も患者さんも全く困ることはないのに、一時的ではあろうけれど現場が混乱することを実行に移す意味は一体どこにあるのでしょうか。
あるとすれば、海外雑誌に論文を出す時に数値が異なるためほんの一部の日本の研究者が頭を悩ます点だけだと思います。

日本人よ、世界のスタンダードを確立する努力をせよ。
普段から思っていることですが、今回の改定のニュースに改めて思いを強くする私でした。

心臓ネズミの心拍は速く寿命が短い。
対してゾウは心拍が遅く寿命が長い。
哺乳類では生涯の心拍数は皆一緒、といった内容の文章を昔読んだ記憶があります。
だったら心拍数の多い人は短命なのではないかと密かに思いながら臨床にあたっていた時期もありますが、この点に着目したのでしょうか、面白いスタディがJAMA ( Journal of the American Medical Association ) に報告されました。
安静時の心拍数が高くなると総死亡リスクや虚血性心疾患により死亡リスクが高くなるというものです。( JAMA. 2011;306(23):2579-2587.)
心拍数が70以下だった人が10年程に間に85以上に増加した人は変化のなかった人に比べ心疾患による死亡リスクが90%も高かったとのこと。
心拍数の変化の一因として肥満などが考えられているようです。 あくまでノルウェーにおける研究ですから、ただちに日本人に当てはまるとは限りません。
脈拍は誰でも自身で調べられる簡単な指標ですけど、うまく手首の脈を探り当てることが出来ない方がたまにいらっしゃいます。
親指一本を手首にあてる方にそういうケースが多いのですが、人差指・中指・薬指の三本を使うことをお勧めします。
いずれかの指で脈を感知できると思います。


話は変わりますが、血圧の治療薬「アルマール」が糖尿病治療薬の「アマリール」とよく取り違えられる事故が多いことから名称を変更するという発表がありました。
どんな名称になるかは承認が取れ次第発表するらしいですが、アルマールの方が歴史が古いのでこれまで使ってこられた患者さん等が混乱しないような配慮がなされた名称だといいですね。

2011021621190622223.gif先日、日本で初めての心臓移植を行なった和田寿郎氏が死去したことが報道されました。
この「和田移植」に対しては様々な論議があるのですが、吉村昭の「神々の沈黙」は世界初の心臓移植にこの和田移植を絡めて淡々と綴られた小説です。
独特の綿密な取材に基づき事実を伝える文章は、感情を抑えているものの行間からは読む人の心に突き刺さるような強いメッセージを感じることができます。
興味のある方はご一読を。

なお、拒絶反応を抑える技術が進んだ現在でも移植した心臓は長くても20年ほどしか持たないということは皆さんに知っておいて欲しいことです。


さて、同じ日にこんな記事も目にしました。

サプリで肝障害、挙式中止…エステを賠償提訴

サプリメントって決して安心できるものではないことを肝に銘じてくださいね。


   □参考 「内視鏡を題材にした小説 」・「検証! がんと健康食品

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