甲田まひるplankton【診察室のBGM 147】


この5月にデビューしたジャズピアニスト 甲田まひる 
小さい頃から、
バド・パウエルなどの耳コピをして夢中で弾いて体に音をしみ込ませていったというエピソードを、あちこちで本人が語っていますが、「好きこそ物の上手なれ」とはよく言ったものだなと思います。
アルバム「PLANKTON」は、バドの「Un Poco Loco」から始まりますが、キレキレでノリノリの演奏をしているのがわずか16歳の女性であると聞いたら、誰もが驚くことでしょう。
インスタグラムなど、音楽以外の分野でも注目を集めている彼女の今後の活躍がとても期待されます。

診察室のBGMに採用したのは
セロニアス・モンクのバラード「Ruby, My Dear」
バラードといってもコード進行が目まぐるしく、不協和音も耳につきますし、セロニアス自身の演奏は力強いので、ゆったりとした流れの中にも緊張感のある曲です。
しかし、女性らしい弾き方で、途中でテンポを変えるなどの工夫も凝らした面白い作品に仕上がっています。

コーダジャケット見て気づきましたが、甲田まひるを「Mahiru Coda」としています。
音楽用語の「コーダ ( coda ) 」に引っかけましたか。
コーダはイタリア語で「しっぽ」のことですが、音楽的な意味を改めて調べてみると「一つの楽曲や楽章または楽曲中の大きな段落の終わりに,終結の効果を強めるためにつけ加える部分。結尾部の終結部」となっています。
文章にすると、とても難しくなって何のことだかピンと来ません。
また、「最終楽章 ( コーダ ) 」というレッド・ツェッペリンのアルバムタイトルに添えられた日本語の意味は、ちょっと外れてることになりますね。
コーダの独特な記号は何に由来しているのか、時間があったら調べてみたいと思います。


さて、音楽に関してド素人の私が言うのも何ですけど・・。
ジャズのスタンダードや巨匠の作品を学ぶことは大事だと思いますが、本場米国のジャズは随分変化してきてます。
ちょんまげやチャンバラなど、外国人には既成化した日本のイメージがいまだにありますけど、日本ではジャズに関して、演奏する人も聴く人も年代物をありがたがっていないでしょうか。
特に若いミュージシャンは新しいものをどんどん取り込んでほしいな、と個人的には思っています。