もう解禁してもいいだろうなという診療現場の昔話を。

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食欲
エピソード その1。

胃潰瘍や十二指腸潰瘍を何度も何度も繰り返していた糖尿病患者さん。
ピロリ菌除菌の治療がようやく保険適用となり、さっそく除菌を実施して成功しました。
潰瘍の再発が全くなくなり、食事がおいしくなったと本人も大喜びでした。
でも、食欲が旺盛となった結果、糖尿病がたちまち悪化。
あえなく、糖尿病の教育入院となりました。

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しわエピソード その2。

慢性疾患で通院していた高齢女性。
眼科医に勧められ、白内障の手術を受けることに。
明るく、いろんな物がよく見えるようになったのですが‥。
見え過ぎて、自分の顔や腕のシワやシミをとても気にするようになりました。
自然と外出を控えるようになり、慢性疾患のコントロールも悪くなってしまいました。

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最初のエピソード、ピロリ菌除菌の威力を実感した症例でもありました。
この経験を踏まえ、除菌が成功した場合には、食事面でのアドバイスも可能な限り行うようになりました。

2例目、いくつになっても女性は女性ですね。
そして、全てがありのままに見えたり聞こえたりするのは、必ずしも幸せなことではないのかも知れません。