◆ 診療所ライブラリー 152 ◆


うつ病記医療情報は日々新しくなっていくので、発売からある程度の年数が経過したものは当院のライブラリから除外するように心がけています。
今回紹介するのは2007年に発行されたものですが、内容に古さを感じさせません。

著者がうつ病になる経過や闘病生活の様子を、自分自身の心の整理のつもりで綴ったという漫画。
絵本を出版した経験もあるというだけあって、山あり谷ありの顛末をほのぼのとした作風の絵で描いています。
しかし、体の不調の原因がうつ病にあると診断が下るまでの様子、休職中の家族との関わり、復職後の周囲の接し方、再び休職した時の経済的な問題など、当事者ではなくてはわからない状況や心の葛藤などがしっかり語られています。
普段いろんなストレスを背負っている人はもちろん、我々医療関係者にとっても、うつ病という疾患を逃さないためのヒントがちりばめられた参考書のように思います。

最近、有給休暇が10日間追加されるごとにうつ病発症のオッズが3割ほど低下するという調査報告がありました。( → こちら )
今回の著者のうつ病の発症には、多忙を極めた仕事に原因があります。
労働力不足が問題化していますが、ゆとりのある働き方も考えてうつ病発症の回避も努力しないと、案外大きな経済的損失につながるのではないでしょうか。