このところすっきりしない天気が続いています。
九州北部では豪雨に見舞われ、大変な被害が出ていますね。
ツイッターで自分のメモ代わりに医療情報を発信していますが、その中から月末に。
ピックアップしてお届けしているこのシリーズ。
今月は10題を振り返ります。
最初は細菌に関連する情報を5つ。
① 筋トレやダイエットに効果があるという振動マシンに私は懐疑的だったのですが、腸内細菌叢が変化するなんて考えもしませんでした。
興味ある報告です。
機械振動で全身の筋肉をプルプル刺激すると、腸内細菌が変化して炎症が抑えられるというマウスの実験。‥Whole-body vibration changes the microbiome, lowers inflammation https://t.co/YfFI4XzVFV
— 野口内科_日々の独り言 (@washi_omu) August 6, 2019
② 緑膿菌増殖に鉄が必要なのだそうですが、それを細胞内に運び込むシステムを活用して殺菌するという、従来の抗菌薬とは全く異なる手法。
耐性菌問題を克服する一歩となるでしょうか。
細菌に関する2題。後者は緑膿菌の鉄を取込む仕組みに着目した抗菌薬によらない治療法。実用化を期待したいです。
— 野口内科_日々の独り言 (@washi_omu) August 16, 2019
黄色ブドウ球菌はタバコの煙で“進化”し、薬剤への耐性を強める https://t.co/pCPr3vp28W
抗生物質効かない緑膿菌、新手法で殺菌 名大院など開発 https://t.co/b3VXtSEZI8
③ 口腔がんや食道がんのリスクとして、アルコールの代謝産物のアセトアルデヒドは以前から知られていましたが、常在菌が関与している可能性もあるのですね。
口腔常在菌が飲酒由来アルコールからアセトアルデヒドを産生し、口腔がんリスクを高める可能性。‥口腔内細菌によるアセトアルデヒド産生に関するメカニズムを解明-東北大 https://t.co/8kXNG13T75
— 野口内科_日々の独り言 (@washi_omu) August 19, 2019
④ 便移植で疾患を改善する方法は研究段階ですが、好ましくない腸内細菌を狙い撃ちできるワクチンだと便移植よりは抵抗感なく治療を受けてもらえるのではないでしょうか。
肥満や糖尿病に関連しているという腸内細菌をワクチンで退治。便移植に比べ、受ける方の抵抗感が少ないでしょうね。‥「肥満ワクチン」開発に光 マウスの腸内細菌減らしたらhttps://t.co/ZgkmsJFU5V
— 野口内科_日々の独り言 (@washi_omu) August 24, 2019
⑤ 赤ワインは、レスベラトロールというポリフェノールばかりが注目されていました。
しかし、ネガティブな報告が次々に出ていました。
今回の報告で、腸内細菌の多様性が増大することで健康に寄与している可能性が出てきましたね。
赤ワインのメリットは、以前着目されていたポリフェノールのレスベラトロールではなく、腸内細菌の変化にあったということでしょうか。‥BBC News - Why red wine could be good for your gut - in moderation https://t.co/IgoDH4ROMq
— 野口内科_日々の独り言 (@washi_omu) August 28, 2019
次に、個人的に興味を抱いた報告を5題です。
⑥ 体に負担のかからない検査手法が次々に編み出されています。
体への侵襲が少ない検査の開発が進んでいるようですね。2点紹介。
— 野口内科_日々の独り言 (@washi_omu) August 6, 2019
電磁波で生体内のグルコース濃度を推定、NTTが参考出展 https://t.co/71ShIvsV0I
唾液でインフル無痛検査へ 鹿児島大発ベンチャー https://t.co/JqLX7x8z07
⑦ 不整脈の治療薬のアミオダロンは、角膜に色素沈着をきたす他に甲状腺機能低下症を招く可能性があるのですが、高齢者では徐脈が元で転倒や失神のリスクが高いようです。
アミオダロンで転倒による外傷と失神リスクの上昇。
— 野口内科_日々の独り言 (@washi_omu) August 9, 2019
ヨウ素を含んでいるので甲状腺機能異常を招くこともある。 https://t.co/vXlxWph4oZ
⑧ 進化の過程で遺伝子が変化する。
それはメリットでもあればデメリットとなることもあるわけですね。
シアル酸のタイプを変換する酵素を失って細菌感染に強くなった代わりに動脈硬化を起こしやすくなったという報告。‥失った遺伝子が心臓病の原因に? https://t.co/lZY4sUl56G
— 野口内科_日々の独り言 (@washi_omu) August 20, 2019
⑨ 使用する抗菌薬の種類によって大腸の癌のリスクが異なってくるというのは非常に興味があります。
ペニシリン系の抗菌薬は結腸癌のリスクを増やすが、テトラサイクリン系の抗菌薬は直腸癌リスクを減らす。‥Antibiotics and bowel cancer: Study finds link https://t.co/7MJQeiGLjm
— 野口内科_日々の独り言 (@washi_omu) August 21, 2019
⑩ 65歳以下でBMIや腹囲が上昇するほど大脳皮質が薄くなる傾向にあるようです。
「おなか厚けりゃ、脳薄く」
— 野口内科_日々の独り言 (@washi_omu) August 28, 2019
手みじかに言うとそういう内容の報告です。‥中年期の肥満やメタボが脳の老化を10年以上早める 肥満は脳にも影響 https://t.co/S8OJ3Jedza