◆ 診療所ライブラリー 120 ◆


ACE今回紹介する「実はすごい! ACE阻害薬」は、一般の方向けでなく高血圧の治療にあたっている医師に是非読んでもらいたい本です。

多くの医師が降圧薬を最初に選択する場合、カルシウム拮抗薬ARB ( Angiotensin II Receptor Blocker ) と呼ばれるジャンルの中からチョイスすることがほとんど。
ARBは複数の合剤もあって便利な面もあるのですが、私はARBを第一選択薬として使うことはありません。
欧米でACE ( Angiotensin Converting Enzyme ) 阻害薬が使用される機会が多いのはなぜだろうと思って調べているうちに、その実力に捨てがたいものがあることを再認識したためです。
ARBがACE阻害薬よりも勝っている面をほとんど見いだせないことは、この本を読んでいただければ十分理解していただけると思います。

私が好んで使うACE阻害薬は海外と同じ用量で使えるペリンドプリルイミダプリル
特に前者ではT/P比が0.87~1で24時間安定した降圧効果があること、様々な臨床試験で優れたデータが出ていること、脳への移行性があってアルツハイマー病の認知機能低下抑制効果も期待できることなどが使う決め手となっいます。
たくさんのメリットが報告されているのに、何で循環器の先生が積極的に使わないのだろう、と不思議に思えてなりません。
( ※ T/P比 : 降圧効果最小時の降圧度 ( Trough値 ) を降圧効果最大時の降圧度 ( Peak値 ) で除した値 )

専門用語の多くて一般の方には分かりにくい文章になってしまい、申し訳ありません。
ただ、私が患者さんに薬を処方するときの気構えをちょっと理解していただければありがたく思います。

  → 実はすごい!ACE阻害薬