野口内科 BLOG

  野口内科は鹿児島市武岡に開業して46年を迎えました。
  当ブログでは、当院からのお知らせ、医療・健康に関する情報の他に、近隣の話題、音楽・本のこと等を綴ってまいります。

    診療時間 午前  9:00〜13:00
         午後 14:30〜18:00 (金曜は〜18:30)
    休診   日曜・祝日・木曜午後
    電話   099−281−7515
    住所   鹿児島市武岡二丁目28−4
    院長   野口 仁

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メタボ

〖 今月のつぶやきから 6 〗


illust3190最近、Twitter の方では医療に関係する記念日などをつぶやくようにしました。
今月は「むちうち治療の日」「緑内障を考える日」「世界献血者デー」「らい予防法による被害者の名誉回復及び追悼の日」「国際麻薬乱用・不正取引防止デー」などがありました。

今月はまた、食に関する話題が多く、それらに対してたくさんのリツイートをいただきました。
下のつぶやきを日頃の食生活の参考にしてみて下さいね。
医食同源という4文字には深い意味が込められているのだと改めて考えさせられます。









〖 今月のつぶやきから 4 〗


食事今月はリツイートされたつぶやきが20以上にも及びました。
たくさんの方々に Twitter をチェックしていただき本当に有難うございます。
ということで今回は先月のようにリツイートされたものを全てご紹介するのは大変なのでいくつかピックアップしてみたいと思います。


これには一つ訂正があります。
「劣勢」ではなく「劣性」です。
Twitter は誤字に気付いてもあとから修正が利かないのが欠点ですね。
このつぶやきはワルファリンという血液をさらさらにする薬の欠点を補って登場した新薬に対してのものなんですが、効果は変わらないけど薬価が50倍も違うのに閉口してつぶやいたもの。
特許切れの医薬品には次々ジェネリックが出て先発メーカーが苦戦することも理由の一つかも知れませんが、新しいジャンルの薬にはとんでもない値付けがなされることがあります。( 参考 )
これで本当に医療費が抑制されているんだかどうなんだか・・・。

それより、どんどん悪化する日本の食事情を改善することに力を入れる方がよっぽど医療費の抑制になると思うのですが。
皆さんも普段の食事をはじめとした生活習慣には十分気を使って下さいね。



〖 医療情報 Pick Up おさらい 31 〗


ブログの左側のカラムのお知らせ欄でニュース速報風にお届けしています「医療情報 Pick Up」。
今月お届けした情報は以下の 3点でした。

・ 高齢者において/ビタミンD不足で/メタボリック症候群/リスク上昇 ( at The Endocrine Society's 92nd Annual Meeting )
・ 思春期の女性で/睡眠時間が短いと/コレステロール上昇の/危険因子に ( Sleep 2010; 33: 956-961 )
・ ブロッコリーの芽に/含まれる/スルフォラファンに/乳癌幹細胞抑制効果 ( Clin Cancer Res. 2010; 16: 2580-2590 )


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2010073011274316163.gifつい先日、介護施設入所の高齢女性の8割はビタミンD不足であるという報道がありました。
ビタミンDとカルシウムとの併用で2型糖尿病のリスクが低くなるという厚生労働省の発表も以前ありましたね。( → こちら )
ブロッコリーに関しては以前にもネタを取り上げています。
いろいろな癌に対してのデータが出ているようで、今回はさらに乳癌に関しての研究成果が発表されたわけです。

食べ物によって人生が左右されるようです。
皆様の今日の食卓には何が並んでいるでしょうか。



         □ 関連記事  医療情報Pick Up  30

2010053022543219259.gif〖 医療情報 Pick Up おさらい 29 〗


今月お届けすることができた「医療情報 Pick Up」の情報は以下の2点。

・添加甘味料の/摂取が多いと/悪玉コレステロールが/高くなる傾向あり ( JAMA. 2010 Apr 21;303(15):1490-7. )

・前夜の睡眠が/不足すると/インスリン抵抗性が/上昇 ( J Clin Endocrinol Metab 6月号掲載予定 )


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いずれもメタボに関わってきそうな研究結果です。

メタボ検診が始まって 3年目に入りましたが、腹囲を中心に問題点が指摘されています。
肥満は悪、という考えがあるのでしょうか、この腹囲が基準を超えているかが診断に絶対必要なのです。
たとえ血糖値や血圧、脂質全てに異常があっても腹囲だけ基準値以下ならメタボリック症候群としてのお咎めなし。
しかしその必須である腹囲の基準値に対しては異論の声が高まっています。
肥満に介入するより禁煙指導のほうがよほど効果的とする声もあり、将来はいろんな部分に改定がなされるでしょうね。



         □ 関連記事  医療情報Pick Up  28

2009082916443924928.gif〖 医療情報 Pick Up おさらい 20 〗


今月、左側のお知らせ欄の「医療情報 Pick Up」で紹介したのは以下の 3点です。


・中年期に/独り身になった人は/アルツハイマー病の/発症リスクが 3倍 ( BMJ. 2009 Jul 2;339:b2462. doi: 10.1136/bmj.b2462. )

・TVやコンピュータの/画面に向かう時間が/多い小児ほど/血圧が高い ( Arch Pediatr Adolesc Med. 2009;163(8):724-730. )

・うつ病患者は/減量すると/うつ症状も有意に改善 ( presented at the Annual Meeting of the Society for the Study of Ingestive Behavior )


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今回の情報から推定すると、友達と遊ばず、TVゲームばかりしている子どもはそのうち高血圧となり、ろくに運動しないでいるうちに太ってきてうつ症状も出てくるし、やがてアルツハイマー病にもなる、と言えなくもありません。

小さい頃から適度に外で遊んで人との触れあいを絶やさないことがメタボリックシンドロームを始めとした色々な病気を防ぐのだとしたら、これほど単純明快な健康法はないのですが、少子化の上、子供たちだけで遊ぶのもままならないのが現代社会。
ますます病気を生んでいきそうです。

GWに旅行したチュニジアでは、道中の小さな村にも子供たちがいっぱいいて楽しそうに遊んでいました。
これが人間のコミュニティの本来の姿だよな・・・、彼らの愛らしい笑顔をうらやましく思いました。



         □ 関連記事  医療情報Pick Up  19

a65bdad6ce9395175e43a2340e409cee.png ◆ 診療所ライブラリー 34 ◆


世の中、メタボ、メタボと騒いではいるものの、一番話題になるのはおなか周りの脂肪のことだけで、実際にどのような定義のものなのか、それを放置しておくとどのようになるのかしっかり理解されている方は少ないのではないでしょうか。

この強烈なタイトルの本は、メタボリックシンドロームの行き着く先の心臓疾患について書かれているものです。
マンガ仕立てで図版も多く、見開きで一項目ずつ解説するスタイルをとっており読みやすくなっています。

タイトルにもあるように健診でひっかかっても仕事等を理由に受診されない男性が結構いらっしゃいます。
自分のためにも家族のためにも会社のためにも健康を維持して仕事に励むことが何よりも大事です。
メタボと指摘された方はこの本を読んで大病を未然に防ぐよう心がけましょう。

医師向けサイトの中の某メーカーの連載に「脂質を下げて男を上げる」という文言があります。
この本のタイトルなどインパクトがあって印象に残る言葉は患者さんを指導していく上で大いに役立ちそう。
活用させていただきます。


( ライブラリ充実のために .. ご協力いただければありがたいです )  →病院に行かない夫 体重計に乗らない妻


□ 過去の関連記事
 ・脂肪肝に漢方薬
 ・メタボリック症候群からアルツハイマー病
 ・メタボリック症候群から大腸がんへ
 ・間食がやめられない理由

2w0smgxg.gif 〖 医療情報 Pick Up おさらい 8 〗


当ブログ左側の告知板で紹介している「医療情報 Pick Up」ですが、今月はあまり更新していません。
理由は、短い文章するのが難しいものが多かったためです。
今回はそのうち 2つを紹介してみたいと思います。

○ 糖尿病の発症リスク低減のための食事
カロリー収支が最も重要だが、アフリカ系米国人女性では甘味炭酸飲料や果糖フルーツ飲料が糖尿病リスク上昇につながる。
また、英国成人で果物と野菜の摂取量が増えると糖尿病リスクが低下する。

○ 次の5つの生活習慣で脳卒中のリスクが低下 (Circulation 08/8)
・喫煙していない
・適正体重
・毎日30分以上の中等度以上の身体活動
・低脂肪蛋白質、食物線維、ナッツ、豆類を多く含む食事
・女性で1日1杯まで、男性で2杯までの飲酒

    
なお、この一ヶ月に左のカラムに掲載した情報は以下の二つでした。

   ―――――――――――――――――――――――――――――――――――

・ビタミンKの補充で/高齢男性の/インスリン抵抗性の/進行が抑制される (Diabetes Care 08/8/12)

・若年女性は/喫煙量に応じ/脳卒中のリスクが増大/35歳までの禁煙で/余命レベル改善 (Stroke 08/8/14)


         □ 関連記事  医療情報Pick Up  7


d7mn47cn.gif「こんないい加減なことでいいの ? 1」の続きです。


いわゆるメタボ健診でもう一つ問題になっていること。
それは検査項目から血清クレアチニンが外されたことです。
これはとても大事な検査項目なのです。
慢性腎臓病という概念が提唱され、年齢と血清クレアチニンからおよその糸球体濾過量を計算することで早期に腎臓の機能低下を拾い上げていこうというのが世界的な流れ。

メタボ健診の草案段階ではこの血清クレアチニンは検査項目に挙がっていたのですが、尿検査がありませんでした。
その点を指摘したら尿検査は復活したものの、代償として血清クレアチニンが外されたという顛末らしいのです。

ここで見え隠れするのは要するにコストの問題。
前回指摘した腹囲計測も含めて、国民の健康を真剣に考えているのか疑問といわざるを得ません。

外すならBUNという項目ではなかったでしょうか。
BUNと尿蛋白だけで、どう患者を指導していけばいいか現場では非常に難しい判断を迫られています。

ちなみに日本人のGFR推算式 (eGFR) が新しくなります。
6月からはこちらが使われるようになります。

eGFR = 194 × (年齢の -0.287乗) × (血清クレアチニンの -1.094乗)
    女性はこれに × 0.739


相変わらず難しい式です。


tt0ryb2x.gif ◆ 診療所ライブラリー 26 ◆


成人病という言葉が新しい概念の下、生活習慣病と呼ばれるようになり10年以上経過しました。
この 4月からはいわゆるメタボ健診が始まり、ライフスタイルを見直して大病を未然に防ぐための動機付けも積極的に行われるはずです。

生活習慣病の大部分は、変えたくない「快適習慣」に起因するのだと説くのがこの本。
糖尿病の外来での患者さんとのやり取りを再現し、様々な生活習慣の実態を浮かび上がらせています。
それと照合して読者自身の生活習慣を振り返るきっかけになれば、というのが筆者の狙いです。

図版が少ないのが唯一の欠点かと思いますが、医者の立場からも興味深く読み進めることができる一冊です。
限られた診察時間の中で生活習慣の見直しを指導するのは大変なことです。
このままではいけないのだと患者さん自身に自覚を持ってもらうことが何より大事なこと。
いかに自覚してもらうか、そこは指導の工夫を重ねていかなくてはならないでしょう。
この「快適習慣」という言葉はちょっとインパクトがあって使えそうですね。

当院では、皆様の生活習慣の見直しに活用できる貸出し可能な書籍を数多く揃えております。
是非ご活用下さい。


 → 懲りない患者 快適習慣の落し穴

4kdpk5lt.gifいわゆるメタボ健診で話題の中心になっているのが、腹囲測定。
この腹囲測定について厚生労働省からこんなお達しがありました。

・着衣のままや自分での測定も認める
BMI が 20以上 22未満の人は医師の判断で自己申告もOK
・BMI が 20未満の人は測らなくてもかまわない

未然に成人病発症を防ごうという目的でこの腹囲という項目を新たに取り入れたはずなのに実にいい加減な話です。

先日、BMI が 22なのに腹囲が90センチという男性もいました。
腹部肥満に関する身体測定値は BMI にかかわらず実測値が大事であるとする研究報告もあります。

大体、「メタボ健診は健康保健組合には実施する義務があるのに、受診者には腹囲測定を受ける義務はない」ということからしてどれだけ本気なのか疑問に思います。

男性 85センチ以上、女性 90センチ以上と決めた数字には根拠があると言えばあります。
CTでおヘソの位置で内臓脂肪の面積が 100 ㎠ となるときの腹囲です。
しかし、数字をはじき出すのに対象とした人数があまりにも少ない (男性 544人、女性 194人) こと、そしてなぜ 100 ㎠ なのかということ。
このあたりには問題がないとは言えないでしょう。

健診で多くの人のデータをとることで新しい知見が得られたり、基準値が見直されたりするのではないでしょうか。
一体何のための検査項目なのか、実施するのなら全員を対象にしなければ意味がないと思います。

2 に続く


t6e3qkyf.gif ◆ 診療所ライブラリー 23 ◆


その昔、日本人は魚を生で食べると野蛮人扱いされていたのに、今や寿司はヘルシーフードとして世界的に認知されるまでになりました。
ところが、日本人の魚の摂取量は減る一方。
そして脂肪摂取のパーセンテージは米国を抜いたとも言われ、食生活は世界の健康指向とは逆行するばかり。

血液をサラサラにし、コレステロールを下げ、アレルギーを抑え、ガンも予防する多価不飽和脂肪酸をはじめとして、魚の人体への効能を解説し、魚の種類に応じた様々なレシピがこの本では紹介されています。

メタボな体が気になる方、海の幸がいかに素晴らしいものなのかこの本で認識していただきたいと思います。


( ライブラリ充実のために .. ご協力いただければありがたいです )  → おさかな博士の新・魚を食べる健康法―すぐれた効能、らくらくメニュー

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