野口内科 BLOG

  野口内科は鹿児島市武岡に開業して46年を迎えました。
  当ブログでは、当院からのお知らせ、医療・健康に関する情報の他に、近隣の話題、音楽・本のこと等を綴ってまいります。

    診療時間 午前  9:00〜13:00
         午後 14:30〜18:00 (金曜は〜18:30)
    休診   日曜・祝日・木曜午後
    電話   099−281−7515
    住所   鹿児島市武岡二丁目28−4
    院長   野口 仁

         ▶▶▶ アクセスMAP
         ▶▶▶ バス路線図

保険証

先日、マイナンバーカードの健康保険証利用 ( 以下、マイナ保険証 ) の利用率が低迷しているというニュースがありました。
2023年の12月でわずか4.29%で、8ヶ月連続で低下という内容でした。
更に、11月の国家公務員の使用状況も公表されていて、最も高い総務省・管轄の厚労省・最も低い防衛省でそれぞれ、6.26%・4.88%・2.50%という結果です。
惨憺たるものですね。

当院では毎月の統計はとっていません。
唯一2023年10月にデータを取ってみましたが、使用率は
約12%でした。
今回のニュースで取り上げられた月とは異なりますが、かなりの高使用率ということになりすね。

オンライン資格確認マイナンバーカードを使ったオンライン資格確認にさほどメリットは感じていません。
この元日に起こった能登半島地震では、停電による情報読み取りの問題もありました。
そもそも大規模災害時には保険証がなくても氏名や勤務先事業者名がわかれば保険適用がなされるのです。
緊急時にマイナンバーカードを携行するかどうかもわかりませんしね。

それでも、この秋に紙の保険証は廃止する方針は変わっていませんので、今のうちからマイナンバーカードを使う練習をしておきましょう。
そんなに難しい手順ではありませんし、わからない時はスタッフが手順を丁寧に説明させていただきます。

マイナンバーカードの健康保険証利用 ( 以下、マイナ保険証 ) をはじめとして、マイナンバーカードに関連するトラブルの報告が相次いでいます。

オンライン資格認証当院でのマイナ保険証を使ったオンライン資格確認 ( 以下、オン資 ) では、回線の不具合があった以外に大きなトラブルを経験していません。


オン資も便利なようで、実は不便な点もあります。

これまでの保険証であれば、月1回提示していただくだけで済みましたが、オン資では来院の度にカードリーダーにマイナンバーカードを読み込ませる必要があります。
そして、その都度、「過去のお薬情報」「過去の健診情報」の情報提供に対する同意や、高額医療費制度の利用の有無に答えなくてはならない手間があります。
初めてマイナ保険証を利用する際にこれらの質問に答えたら、2回目以降はマイナ保険証をかざすだけで済むという仕組みになっていないのです。
あるいは、マイナンバーカードを健康保険証として利用申込をする際に、あらかじめ同意をしておけば、外来受診の度にいちいち質問に答える手間が省けるのではないかと思います。
制度設計の詰めが甘いのではないでしょうか。

また、カードリーダーの音量調節ができないので、質問を読み上げる女性の声やボタンのクリック音がそこら中に響き渡ります。
何とかして欲しいところです。


国が来年秋に紙の保険証は廃止する方針を全く変えていない中、マイナンバーカードを返納する人も増えているとか。
このままで大丈夫なのでしょうか。

政府が、2024年秋までに現在の保険証を廃止し、マイナンバーカードとの一体化を目指す方針を発表したのはご存知だと思います。
マイナンバーカードの取得は任意のはずなのに、事実上の義務化かと騒がれました。
そうしたら、首相が「資格証明書ではない制度を用意する」と明言。
政府は一体何をやりたいのか、さっぱりわかりません。

保険証当院では、マイナンバーカードを保険証として使える、オンライン資格確認を既に導入しています。
でも、この仕組みを利用される方は数日に1回ほどと全く低調です。
なお、早くも「オン資」なる略語があるようですが、これを初めてみた時、一体何を意味するのかピンときませんでした。

導入したものの、顔認証カードリーダーに月々のメンテナンス費用がかかるとは事前に知りませんでしたし、導入を推し進めている政府がこんな規約を作っているなんて知る由もありませんでした。( → マイナポータル利用規約 )
その規約の一部が、ネットでも問題視されていますので紹介しておきます。
皆さん、どう思われますか ?

第23条(免責事項)
1 デジタル庁は、本システムの利用及び利用できないことによりシステム利用者又は他の第三者が被った損害について一切の責任を負わないものとします。
2 デジタル庁は、本システムの利用の停止、休止、中断若しくは制限又は通信回線の障害等により発生したシステム利用者又は他の第三者が被った損害について一切の責任を負わないものとします。
3 デジタル庁は、本システムの利用に際しマルウェア感染等で生じた被害について、責任を負わないものとします。  

マイナンバーカード今月初めに、2021年からマイナンバーカードが健康保険証として利用可能になる、というニュースがありました。

マイナンバーカードに健康保険証の機能を持たせることについては2014年の「世界最先端 IT国家創造宣言」の中に盛り込まれており、翌年に厚生労働省から素案が発表されていました。
若干古いようですが、医療分野でのマイナンバー活用についての中間報告のPDFを見ることができます。( → こちら )

保険者間で特定検診のデータなどを連携できたり、予防接種履歴管理ができたりするなどのメリットもあるようですが、私が一番気にしているのは報道にあったこの部分です。

「2021年3月から健康保険証として使えるようにし、22年度中に全国のほぼすべての医療機関が対応するようシステムの整備を支援する」

カメラ付きの顔認証システムを組み込んだマイナンバーカード読み取り装置を病院の窓口に用意しなくてはならないようなのです。
報道では「支援する」とあるので、装置購入費用を補助するという意味だと思いますが、国が全額負担するようにしないと医療機関側での普及が進まないのではないかと思います。
日本医師会も「医療機関においては、読み取る設備を用意していなければ、患者がマイナンバーカードを持ってきたとしても保険資格を確認することはできず、その場合、当然、窓口ではこれまでのように保険証を提示する必要がある」と説明をしています。( → こちら )

東京オリンピックでは本人確認に顔認証システムが導入されるようですが、その装置の写真を見ることができます。 ( → こちら )
この位の大きさになると、小さな医療機関では受付や待合室に空間的ゆとりがなくて装置を置くスペースが確保できないとか、配線に苦慮するような問題も出てきそうです。

果たして、目標としている22年度中までに全ての医療機関が対応できるようになるのか、私は疑問に思います。

↑このページのトップヘ