野口内科 BLOG

  野口内科は鹿児島市武岡に開業して46年を迎えました。
  当ブログでは、当院からのお知らせ、医療・健康に関する情報の他に、近隣の話題、音楽・本のこと等を綴ってまいります。

    診療時間 午前  9:00〜13:00
         午後 14:30〜18:00 (金曜は〜18:30)
    休診   日曜・祝日・木曜午後
    電話   099−281−7515
    住所   鹿児島市武岡二丁目28−4
    院長   野口 仁

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印鑑

 ● 薬の説明書のイラスト 338 ●


10月1日は印章の日。
明治6年のこの日に、公式の書類に実印を捺すように定められたんだとか。

以前から廃止の議論がありましたが、この新型コロナ禍において働き方が大きく変わり、一気に印鑑廃止の流れが進んでいるようです。
我々の書く診断書などでも印鑑が求められるものが多いですけど、名前を自筆で署名してたら十分なのにと思いながら毎日のように捺しています。
捺した印鑑が不鮮明だとして、書類を送り返されたこともありますが、全く馬鹿馬鹿しい話ですよね。

10月前半の薬の説明書のイラストは印鑑
です。



印鑑

 ● 薬の説明書のイラスト 290 ●


明日からの9月前半の薬の説明書のイラストは櫛 ( くし ) 。
9月4日が櫛の日なので選んでみました。

鹿児島弁で髪をとかすことを「けずる」と言います。
東北地方でも使うようですね。
他の地域の人達が聞いて驚く言葉の一つですが、日本の古語で「くしけずる」という言い方があり、それがベースになっているのでしょう。
ちなみに「けずる」も「とかす」も「すく」も、漢字で「梳る」「梳かす」「梳く」と書きます。

今ではプラスチック製がほとんどで、「梳る」のが唯一の使用目的になってしまった櫛ですが、昔はツバキやツゲ等を材料にしていて日本女性の髪を飾る物でもありました。
童謡こぎつねにも「モミジのかんざし ツゲの櫛」という歌詞があり、おしゃれアイテムの一つだったのは間違いありません。

薩摩藩が徳川幕府から木曽川の治水工事を命じられた際に、薩摩に櫛作りの技術が持ち込まれたそうで、その後南薩の堅牢なツゲを生かした櫛は「櫛になりたや薩摩の櫛に諸国娘の手に渡ろ」と謳われるほどの名品に育ちました。
今でも指宿で作られています。

また、南薩では女児が生まれると庭にツゲの木を植え、結婚資金の足しにしていたようです。
薩摩の本柘 ( ほんつげ ) は、印鑑の高級な材質として現在でも重用されていますよね。
象牙は密猟が問題となっていますし、印鑑に誇りを持ちたいのであれば本柘を活用したいところです。


鹿児島おはら節の冒頭に「タバコは国分」という歌詞がありますが、国分のタバコも香りが良く、最上級品としてツゲ櫛同様、全国に名を馳せたとか。
しかし、その国分でタバコの栽培はほぼ行われていないのではないでしょうか。
地域の特性を活かし、誰もが欲しがるような新しい時代の名品が生まれることを期待したいです。



つげの櫛

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