野口内科 BLOG

  野口内科は鹿児島市武岡に開業して46年を迎えました。
  当ブログでは、当院からのお知らせ、医療・健康に関する情報の他に、近隣の話題、音楽・本のこと等を綴ってまいります。

    診療時間 午前  9:00〜13:00
         午後 14:30〜18:00 (金曜は〜18:30)
    休診   日曜・祝日・木曜午後
    電話   099−281−7515
    住所   鹿児島市武岡二丁目28−4
    院長   野口 仁

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口臭

日光浴〖 今月のつぶやきから 147 〗


雨風の強い日が多かったこの3月。
変てこりんな天気が続き、桜の開花も足踏みしているように感じます。

世間では、小林製薬の紅麹を含んだサプリメントによる健康被害が問題となっていますが、これはまた改めて取り上げてみたいと思います。


ネット上で集めた医療情報を自分の備忘録的に旧ツイッター上でつぶやいておりますが、医療情報の中から、今月も10個の話題を振り返ってみます。


最初は血糖コントロールに関する話題を3つ。

日光浴で血糖が下がるというメカニズムがあるようです。日中に外へ出て運動しましょう。

海藻を食べると血糖の改善が見込めるようですから、日常の食事の参考にして下さい。

③ 運動を数値化することは、日々の運動のモチベーションにつながりますよ。


次は、食事に関する5つの話題です。

④ 糖分・塩分・脂肪を多く含む加工済みの食品を超加工食品といいます。具体的には、清涼飲料や炭酸飲料▼スナック菓子▼菓子パン・総菜パン▼インスタント食品▼ピザ・チキンナゲット▼ケーキ・クッキー・ビスケット・パイ▼ドーナツ・マフィンなど。

不飽和脂肪酸は心筋梗塞などを予防するのに大切ですが、菓子類が台無しにしてしまうようです。

⑥ 腸内細菌のバランスが悪いとソルビトールという甘味料によってガスが増えるようです。

⑦ 人工甘味料入り飲料が、脳梗塞の原因にもなる心房細動の原因になっているとは。

⑧ がんのリスクも、持っている遺伝子に規定されている部分が大きいんですね。


最後に、個人的興味ある話題を2つ。

⑨ アルコールで赤ら顔になる人は東アジアに多く、既に赤痢アメーバになりにくいことがわかってましたが、新型コロナウイルスにも罹患しにくいんですね。

⑩ 2つの因子が絡む現象はなかなか捉えにくいんですよね。

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2010111715542930716.gifさて、5月末からぼちぼちと書いてきた胃食道逆流症に関する連載も最終回。
本来なら、第3回で取り上げるべきだったかも知れませんが、胃食道逆流症 ( GERD ) の食道外症状についての追加説明です。

♦♦ 胃液の逆流で口臭 !?

まず口臭について。

口臭の原因の8-9割は、歯周病や虫歯など口腔内にあるとされています。
あと、呼気ですよね。
ニンニクを食べて口臭がするのは、成分が血液を介して呼気に出るからです。
ガムを噛んで対策を講じる方もいると思いますが、あまり意味がないのです。

口臭が気になるので胃の検査をしてくれ、という方がたまにいらっしゃいますが、これまでは胃が原因のことは極めて少ないと説明してきました。
なぜなら、食道の入り口は物を飲み込むとき以外は閉じているので、臭いが漏れてくることはまず考えられないからです。
それに口臭を訴えてはおられるけれどもそれが他覚的に確認できない、自分だけが気にしている自臭症である場合が多いからです。

ところが、最近の研究で、口臭の一因となる舌の付け根付近の細菌増殖は GERD が原因と推定されるようになってきました。
口臭と GERD の関連性を示す報告が散見されるようになってきましたので、口臭を訴えられる方にも内視鏡検査をお勧めしております。
経鼻内視鏡だとある程度舌の付け根付近の観察もできますよ ( 経口だと無理です ) 。

♦♦ 胃液の逆流で歯ぎしり !?

そして、歯ぎしり

これは、地元鹿児島大学の歯学部の研究が有名です。
咬合不全の患者さんがたまたま GERD を合併していて、内科で酸分泌抑制薬を処方してもらったところ、顎の痛みが軽くなっただけでなく、薬の内服前に比べて歯ぎしりの回数が著しく減ったことから研究がスタートしたようです。
GERD を治療すると歯ぎしりは減り、逆に酸の逆流によって食道内のpHが低くなるのに合わせて歯ぎしりが活発になることもデータで示し、その関連性を見事に証明しています。
歯ぎしりによって唾液の分泌を促し、GERD の症状を緩和しようとしているのでは、と推測されています。

個人的には、幼児の歯ぎしりが GERD に関連したものなのかどうか気になります。
もしそうだとしたら、GERD はかなり若年の世代においてもしっかり治療しなくてはならない疾患ということになりますよね。


GERD は直接生命に危険を及ぼすような疾患ではありませんが、口臭や歯ぎしりなども含め生活の質に関わってくる疾患です。
これまでのこのシリーズを改めて読んでいただき、少しでも気になることがあれば、GERD の診断にはうってつけの経鼻内視鏡による検査を是非お勧めします。



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