野口内科 BLOG

  野口内科は鹿児島市武岡に開業して46年を迎えました。
  当ブログでは、当院からのお知らせ、医療・健康に関する情報の他に、近隣の話題、音楽・本のこと等を綴ってまいります。

    診療時間 午前  9:00〜13:00
         午後 14:30〜18:00 (金曜は〜18:30)
    休診   日曜・祝日・木曜午後
    電話   099−281−7515
    住所   鹿児島市武岡二丁目28−4
    院長   野口 仁

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尿酸

納豆〖 今月のつぶやきから 128 〗


8月の特に後半は、発熱外来対応で忙殺されました。
一番大変なのは、暑い中で防護服を身にまとう必要があることで、対応時間が長引くと、それだけで体力を消耗してしまいます。

そんな中、ツイッター上で医療情報のつぶやきはいつもより多かったです。
目に留まった興味深いレポートがたくさんあったからでしよう。
その中から、2つのテーマで8つの情報を振り返ります。


まずは、女性に関連した4つの情報。

緑黄色野菜を意識して食べている女性も多いとは思いますが、サプリメントでは明確な効果は示されていない点は注意です。

納豆を嫌いな方もいるかも知れませんが、特に60歳未満の女性では認知症のリスク低下が有意にみられています。

③ 食事は偏りなく摂りたいものですね。

尿酸の研究はどういうわけか日本で盛んですが、今回の報告は気になりますね。


次は、メタボに関連した4つの情報です。

⑤ 腸内細菌の利用する糖が特定の腸内細菌に作用して抗肥満効果を示すようです。

いびきをかく人はメタボ体形の人が多いです。

緑茶に関しては、もっと日本から情報発信して欲しいものです。

⑧ 善玉菌の一つ、ブラウティア菌の働きがわかってきました

 ◆ 診療所ライブラリー 150 ◆


尿酸値は下げられる尿酸が高いと痛風になる。
多くの方はそのように理解されていると思いますが、尿酸の治療ほど悩ましいものはありません。

尿酸値は7.0mg/㎗までは基準範囲内とされており、薬を必要とするのは9.0mg/㎗以上から、高血圧や腎障害・糖尿病などの合併症がある場合は8.0mg/㎗以上から、と日本のガイドラインで示されています。
しかし、欧米では尿酸が高いというだけでは治療をしません。
痛風発作を一度起こした人の再発予防として薬を使用するのです。
2016年に米国の内科学会は、痛風発作が再発していなければ内服治療は推奨しない、とまで言っています。( → こちら )

尿酸は血液から尿に排泄されますが、不思議なことに一度捨てた尿酸を途中で再吸収する仕組みが腎臓に備わっています。
尿酸は抗酸化作用を持っていて、それはビタミンCよりもはるかに強力なのです。
多くの動物は体内でビタミンCを合成できますが、それができないヒトにおいて、尿酸がビタミンCの代役を担っているのではないかという説もあります。
また、尿酸には神経保護作用があって、高い人ほどパーキンソン病になりにくいという報告もなされています。
一方、尿酸が低いと運動後などに急性腎不全や尿路結石が起りやすいこともわかってきました。
尿酸ってまだ未解明な部分が多いのです。


ただ、メタボな人ほど尿酸が高い傾向にあるのは確か。
健康診断などで尿酸が高いと指摘された人は、生活習慣を見直すきっかけにしてもらいたいと思います。
今回紹介する本では、尿酸値を下げるための食事や飲酒を含めた日常生活の改善のヒントが数多く書かれています。
先に紹介した米国内科学会の痛風治療のガイドラインでは「痛風と診断された人が食事内容、節酒、減量の指導を受けることで尿酸値が下がると言える十分な証拠はない」としているのですが、尿酸を下げるための生活習慣改善は、他の疾患予防にも大いに役に立つものばかりですから。

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