野口内科 BLOG

  野口内科は鹿児島市武岡に開業して46年を迎えました。
  当ブログでは、当院からのお知らせ、医療・健康に関する情報の他に、近隣の話題、音楽・本のこと等を綴ってまいります。

    診療時間 午前  9:00〜13:00
         午後 14:30〜18:00 (金曜は〜18:30)
    休診   日曜・祝日・木曜午後
    電話   099−281−7515
    住所   鹿児島市武岡二丁目28−4
    院長   野口 仁

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慢性腎臓病

粒子〖 今月のつぶやきから 134 〗


鹿児島県は新型コロナウイルス感染症患者数も減ってきています。
ただ、他の都道府県に比べて減少速度がかなり遅いです。
その原因は何なのかをしっかり検証しないと、3月から個人の判断に委ねられるマスク着用後や、5月からの新型コロナウイルス感染症の5類への移行後にどのような変化が起こるのか予想することができません。
減ってきたとぬか喜びせず、情報収集を怠らないようにしてください。


収集した医療情報をツイッター上でつぶやいていますが、4つのテーマの元、11個の情報をピックアップしてみました。

最初は、運動に関連した情報を3つ。

① 持久力に影響を及ぼす腸内細菌がいるようです。

② 運動はいい事ばかりではないようです。

③ 実施するタイミングを考慮して運動すると効率的に脂肪を減らすことができそうですね。


次に、既存の薬剤についての話題を3つ。

④ 従来のベンゾジアゼピン系の薬剤は様々な弊害を起こしますが、オレキシン受容体拮抗薬にはその弊害が少ないとする報告です。

⑤ セレコキシブに抗がん作用があるなんて知りませんでした。

⑥ 主に風邪に用いる漢方約に含まれる麻黄という成分で副作用がみられることがありますが、その原因となる成分を除去しても抗ウイルス効果は変わらないという報告。


3番目は、便秘に関する話題を2つ。

⑦ 腸壁の温度を感じるセンサーと腸内細菌と便秘の関係。興味深い報告です。

⑧ 便秘解消が期待できるカプセル型デバイス、いずれ排泄されるのでしょうが、コスパはどうなのでしょう。


最後に、小さい粒に関しての話題を3つ。
それぞれ性質の異なる粒ですが、いずれも非常に興味深い報告です。

⑨ デキサメタゾンを送達するため脂質からなるナノ粒子に搭載して脾臓の慢性炎症を改善し、二次的に抗腫瘍免疫を正常化するという新しい発送のがん治療。


⑩ ウイルスほどの小型メッセージ物質が動脈硬化を助長するという発見。

⑪ 腸内細菌の作る小胞が肝硬変の悪化の原因になっているというメカニズムは考えたこともなかったです。

こうないえん〖 今月のつぶやきから 70 〗


今月は二週続けて、しかも週末に台風が鹿児島に接近しました。
至る所にいろんな影響が出ましたが、皆様におかれましては大きな支障はなかったでしょうか。

さて、月末にお届けしている「今月のつぶやきから」ですが、今回は2つのテーマに絞ってまとめてみました。

まずは、意外な傾向・意外な関連。

① カルシウムの代謝に必要なビタミンDを活性化するのに紫外線が必要なので、高緯度地域では不利とされているのですが。

② 腸内細菌と血圧の関係に新たな知見です。

③ 便秘と腎機能、関連付けに気づきにくいところですね。

④ 皮膚が高血圧にからんでいるというのも気づきにくい視点です。


次は、薬に関わる情報、あれこれ。

⑤ ピオグリタゾン、捨てがたい薬です。

⑥ 第3世代経口セフェム、必要ないです。

⑦ 風邪の症状に対して効果があると認められているのは去痰薬くらいなもの。

⑧ ケナログ、さようなら。これも必要ないです。

⑨ 諸外国に比べて、日本の向精神薬の使い方は尋常ならざる点がありますからね。

d7mn47cn.gif「こんないい加減なことでいいの ? 1」の続きです。


いわゆるメタボ健診でもう一つ問題になっていること。
それは検査項目から血清クレアチニンが外されたことです。
これはとても大事な検査項目なのです。
慢性腎臓病という概念が提唱され、年齢と血清クレアチニンからおよその糸球体濾過量を計算することで早期に腎臓の機能低下を拾い上げていこうというのが世界的な流れ。

メタボ健診の草案段階ではこの血清クレアチニンは検査項目に挙がっていたのですが、尿検査がありませんでした。
その点を指摘したら尿検査は復活したものの、代償として血清クレアチニンが外されたという顛末らしいのです。

ここで見え隠れするのは要するにコストの問題。
前回指摘した腹囲計測も含めて、国民の健康を真剣に考えているのか疑問といわざるを得ません。

外すならBUNという項目ではなかったでしょうか。
BUNと尿蛋白だけで、どう患者を指導していけばいいか現場では非常に難しい判断を迫られています。

ちなみに日本人のGFR推算式 (eGFR) が新しくなります。
6月からはこちらが使われるようになります。

eGFR = 194 × (年齢の -0.287乗) × (血清クレアチニンの -1.094乗)
    女性はこれに × 0.739


相変わらず難しい式です。


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