野口内科 BLOG

  野口内科は鹿児島市武岡に開業して46年を迎えました。
  当ブログでは、当院からのお知らせ、医療・健康に関する情報の他に、近隣の話題、音楽・本のこと等を綴ってまいります。

    診療時間 午前  9:00〜13:00
         午後 14:30〜18:00 (金曜は〜18:30)
    休診   日曜・祝日・木曜午後
    電話   099−281−7515
    住所   鹿児島市武岡二丁目28−4
    院長   野口 仁

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鳥インフルエンザ

ハエ〖 今月のつぶやきから 145 〗


23日から24日にかけて雪の降った鹿児島ですが、この先強い寒波はもう来ないという予報も出ています。
しかし、インフルエンザのAとB、新型コロナウイルス感染症は全く減る気配がありません。
十分に気をつけて下さい。


旧ツイッター上でつぶやいた医療情報の中から、今月は10個の話題を振り返ってみます。


まずは、男女に関係する話題です。

① 第二次性徴期が早い女性と疾患リスクに関連する報告はほとんど聞いたことがありませんでした。

② 男性側の飲酒でも新生児の先天性異常のリスクがあるという報告です。

③ 女性の涙に男性が弱い理由が科学的に示されたみたいです。


次に、感染症を媒介する動物についての話題です。

④ ハエがウイルスや細菌の運び屋になっている可能性があるんですよね。

⑤ 「r」の付くSeptemberからMarchにかけてカキによる食中毒が多いとされますが、その理由が渡り鳥にあったとは。


最後は、個人的に興味を持った5つの話題です。

⑥ 腎臓での糖新生って、意外と大事なものかも知れません。

⑦ 日常に欠かせない存在のペットボトルに潜むマイクロプラスチックの問題です。

⑧ 尿が黄色いのは当たり前と思わずに科学的な目でみると、そこに腸内細菌が絡んでいるという事実。

⑨ 痩身を謳い金儲け目的で処方する医者がいて、本当に糖尿病を治療したい人に行き届かない注射薬ですが、脱毛や自殺リスクという懸念すべき副作用が報告されました。

⑩ ナトリウムとカリウムをバランスよく摂る、ようやくそこに目が向き始めました。

WHO鳥インフルエンザに関する研究論文の掲載が米政府の横槍で見送られた事に関して18日にWHOで緊急会議が行なわれ、全文を掲載するように勧告がなされました。
鳥インフルエンザがヒトへ感染しやすくなる遺伝子の変異を見いだした論文なのですが、これは今懸念されている致死性の高い鳥インフルエンザの脅威に抗する手がかりとなるものでしょう。
一方で米政府の言うようにテロへの悪用の不安もあります。

問題なのはネイチャーやサイエンスといった超一流の科学誌が、 掲載前に米政府にお伺いを立てていること。
ということは鳥インフルエンザについての論文提出がなされたら報告するような仕組みを事前に作っていたとしか考えられません。
学術誌側が政治圧力に屈しているのも残念ですが、自由を謳歌しているはずの米国がテロの恐怖におびえながら研究や論文発表の自由を制限していることは皮肉としか言いようがありません。 

科学の発展が我々に恩恵をもたらすことは紛れもないことである反面、使う人間のよこしまな考えから不幸が生み出されることもまた事実なんですけどね。

2011062122192616737.gif ◆ 診療所ライブラリー 63 ◆


医食同源という言葉があるように、健康と食事は切っても切れない仲。
診療所のライブラリーにも何冊か食事に関係する本を並べてあります。

数年前に食の偽装問題が相次ぎましたが、その根底にあるのは安くておいしいものを要求する消費者自身に問題があるのではないかと、様々な食材をレポートして考察するのが今回紹介する本です。

口蹄疫や鳥インフルエンザ問題の時に驚いたのは一つの施設の限られた空間に飼われている家畜の数の膨大さ。
醤油や豆腐、納豆など日本人の大豆の消費は多いのに極めて低い自給率。
普段からとても疑問に思っていることがたくさんありました。
消費者の要求する低価格を実現すべく追い求めた食料の供給の実態が一体どういうものなのか、この本で垣間見ることができます。
一方で、しっかりとした理念を持って本物にこだわる生産者もいることがいくつかレポートされています。

この本と同時期に読んだ本に「世界の食料ムダ捨て事情」がありますが、こちらは大量廃棄される食糧問題の深刻さをえぐり出したもの。
二つの本を通して、自然の恵みを忘れかけた飽食時代の日本人はとんでもないものを口にし、まだまだ食べられるものを捨てている現実を知ることになりました。

福島原発事故を契機に節電に対する意識は高まってきましたけれど、消費者自身が食習慣の現状にも目を向けて改めるべきところは改めていかなければなりませんね。
それは地球環境にも優しいことですし、メタボ改善や疾病予防にも繋がっていくのです。


  → 日本の「食」は安すぎる 「無添加」で「日持ちする弁当」はあり得ない

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